10月30日~31日は、東京へ出かけました。
有楽町朝日ホールで行われる「子どもへの暴力防止フォーラム2010 子どものこえに耳を傾けること~『子ども被害者学』のススメ~」に参加しました。
主催は、一般社団法人J-CAPITA、朝日新聞厚生文化事業団、朝日新聞社 でした。
たいへん内容が濃いもので、2日間充実のプログラムでした。
新しい視点「子ども被害者学」、アメリカニューハンプシャー大学社会学部のデービッド・フィンデルホー教授によって提唱された子どもの被害にアプローチする新たな考え方だそうです。
同教授は、子どもと女性への暴力に関する統計調査研究における第一人者として、子ども虐待の国際的分野に大きな影響を与えられてきたそうです。
そのデービッド・フィンケルホー教授による「アメリカでの子ども虐待の大幅な減少とその理由」の報告をまじえ、子どもへの暴力について子どもの立場から暴力全般を考えることの意味や、子どもの権利や人権を大切にする社会をつくるための手段を共に考えることを目的に開催されたわけです。

30日(土)は・・・
?「子どもからのメッセージ?」ということで、昨年開かれた『子ども権利条約フォーラム2009in富山』の子ども実行委員会3人からの、昨年のフォーラムについての感想等が述べられました。
?基調報告「子ども被害者学のススメ」デービッド・フィンケルホー教授が、詳細に統計調査された内容と、その統計調査の分析に基づく提言がされました。
?「子どものこえが社会を変える」と題して、影山 秀人弁護士のお話。子どもの人権とは…から始まり、子どもの権利条約について、そしてその中の意見表明権を具体的に「子どものこえを聴くということ」について 等々を述べられました。
?『「子ども中心」が被害を防ぐ~子どもの人権の視点~』と題して、デービッド・フィンケルホー教授と森田百合さんとの、会場からの質問に答える形での対談でした。
包括的に子ども被害者を捉えて問題を解決していこうというアプローチが妨げられている要因とは、とか、かけはしになって横断的に取り組みを進めていくことの必要性、小さいことを積み重ねていくことの重要性(例えば、CAPのとりくみやチャイルドアドボカシーセンターでの取り組み)また、日本の児童養護施設の現状などが語られました。

31日(日)は・・・
?「米国の虐待の減少から学ぶ~調査研究から~」ということで、デービッド・フィンケルホー教授の講演。虐待の減少を調査結果から述べられ、その理由を様々な取り組みと共に考えられ、決して司法による取り組みの強化ではなく、予防教育と情報が効果をもたらしたのではないか、と考えている旨を述べられました。
?「チャイルドライン支援センター」「スクール・セクシャル・ハラスメント防止全国ネットワーク」「社会的養護の当事者グループ、全国ネットワーク『こどもっと』」の実践発表
?パネルディスカッション「『子ども中心』によって明らかになる暴力~性的虐待~」
坪井節子さん(カリヨン子どもセンター理事長)、奥山眞紀子さん(国立成育医療研究センター医師)、森田ゆりさん(エンパワメント・センター主宰)
子どもへの性的暴力は「性欲」より「支配」の要素が大きく、女の子は「自分は汚い」男の子は「性異常者」と自分のことを思っていることや、小児性愛者という言葉のまやかし(日本語訳がおかしい)ということなどが語られ、日本での性的虐待に対する取り組みが遅れていること、またその要因などが述べられました。子どもに寄り添うことの大切さ、加えて予防教育の大切さなどが述べられました。
?スライドと生ピアノ演奏で「子どもからのメッセージ?」
で2日間を終えました。

デービッド・フィンケルホー教授の「子ども被害者学のすすめ」(訳森田ゆり)が出版されるに伴っての講演でもあり、写真等は許可されませんでしたので、看板だけ掲示させていただきました。
もちろん本を購入しましたので、しっかりと読まなければ…ね。