8月23日(火)午後から、日政連議員の仲間で、高槻市「文化財を活かしたまちづくり」研修を開催していただき、参加しました。


高槻市役所総合センター前に集合し、鐘ヶ江文化財課長・しろあと歴史館長が同行していただき、安満遺跡(京大農場)、安満宮山古墳、阿武山古墳、ハニワ工場公園、今城塚古代歴史館、今城塚古墳を訪れ、熱のこもった説明をしてくださいました。


“ときめき”ネットワーク 高槻発 歴史ロマンとの出会い というリーフレット 歴史スポット案内
も用意されていて、高槻市が文化財を活かしたまちづくりに、長年着々と取り組んでこられた思いが伝わってきます。


京大農場内にある安満遺跡は、三島地方ではじめて米づくりを行ったのが安満の集落で、多数の弥生土器とともに青銅製のヤジリや木製の農具、珍しい漆塗りのカンザシとクシ、シカを描いた土器などがみつかっています。


安満宮山古墳は、現在「青龍三年の丘」として保存整備され、築造当初の姿に復元された安満宮山古墳は、安満遺跡を見おろす安満山山塊の標高125mの尾根に立地する初期の古墳です。「青龍三年」という魏の年号を記した方格規矩四神鏡をはじめとする5面の青銅鏡と、太刀や斧等の鉄製品、ガラス小玉などが見つかりました。5面の鏡は「魏志倭人伝」にみえる倭国女王・卑弥呼にもたらされた「銅鏡百枚」あたるものと推定されています。ガラスシェルター内では精密な複製で発掘調査のようすを再現されています。今までこのような形で見学できる経験なかったので、面白かったです。


阿武山古墳は、藤原鎌足の墓と推定されています。昭和9年に、発見され、「貴人の墓」として大反響を呼びましたが、調査の後すぐに埋め戻されました。一度外気に触れてしまったので、その後どのような形で残っているか、もっと今の技術で調査してみたい、など興味深いところとなっています。


ハニワ工場公園は、以前に橋本高槻市議会議員に案内していただいたところです。
史跡新池埴輪制作遺跡の埴輪窯や工房などの遺構を復元整備して「古代のハニワ村」を再現しています。今城塚古墳の埴輪を焼いていた18号窯が発掘当時そのままの状況で保存し展示されています。動物や家や武士、力士などなど等身大のレプリカもたくさん展示されていて、子どもたちにとっての楽しい公園にもなっているように思います。マンション建設時に発掘されたのですが、埴輪窯や工房などの整備に伴いマンション建設も当初の計画を変更され、周囲のバランスも考えられたようです。


今城塚古代歴史館は、今年の4月にオープンされたばかりです。館長の森田克行さんから簡単に今城塚古墳についてお話を伺い、歴史館の中、そして古墳公園を案内していただきました。
館内には、三島古墳群の概要をはじめ今城塚古墳の発掘調査で判明した、古墳づくりの様々な工夫を実大のジオラマ模型や映像を用いながら解説されています。
今城塚古墳の実像?では、本物の埴輪群と3基の復元摂関や副葬品から大王墓の葬送儀礼に迫るものです。すごい!と素直に思いました。
古墳公園の整備で埴輪祭祀場に200点以上の形象埴輪が並んでいて圧巻です。自由に散策しながら古墳について学ぶことができるいい場所です。


建設するために掘り起こすと、何か遺跡が出てくる可能性が非常に大きいと思います。
文化財発掘は、真実の歴史を知ることにつながる大切なことです。
歴史とロマンの宝庫・・・長期的な計画で土地を取得し、乱開発から守り、整備されてきたことに、
文字通り「文化財を活かしたまちづくり」がすすめられてきたことに敬意を表さずにはいられませんね。