体重減少に有用であるとの証拠はないとする研究報告が、
「Clinical Orthopaedics and Related Research」オンライン版に9月7日掲載された。
研究を実施した米カイザーパーマネンテおよび
米サンディエゴ州立大学(SDSU)のMaria Inacio氏らは、
関節置換術が患者の体重に及ぼす効果を解明するために、
これまでに実施された12件の研究について検討した。
分析の結果、関節置換術後1年で14~49%の患者に体重減少がみられたという。
しかし、その体重減少は一貫性のあるものではなかった。
さらに、検討の対象とした研究はいずれも小規模であり、
全般的に質の低いものであることがわかった。
試験デザインが異なるため、決定的な体重減少パターンを特定することはできなかった。
むしろ、分析の結果、体重が減った患者よりも
増えた患者のほうが多いことが明らかになったという。
「肥満の患者は、過体重になってしまうのは
股関節や膝の痛みのために運動能力が制限され、
『カロリーを燃やす』ことができないためであると
医師に訴えることが多い。
残念ながら、包括的なデータ分析からは、
この重要な疑問に対する答えは未解明ということになる」と、
米スタンフォード大学のStuart Goodman氏は付随論説で述べている。
研究著者らは、
「関節置換術が患者の体重にどのような影響を及ぼすかを
理解するには、さらに研究を重ねる必要がある。
それが患者の減量を助け、変形性関節症(OA)をはじめとする
長期的な健康問題のリスクを軽減するための
効果的な措置につながる」と述べている。(HeatlhDay News 9月13日)
