ニッポン病院の実力 全国トップレベルの最先端抗がん剤治療 | IBD Life +α

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クローン病とは長~いお付き合いになりました。

強がらないとやってらんない~
ここでは本音で愚痴ってバランス取らせてもらっています。

色々とありますが経験は力なりで学ばせてもらってます。

国民の2人に1人はがんを発症するといわれる中、近年、抗がん剤治療は進歩している。有効な新たな抗がん剤が増え、さらには、がん細胞のみにピンポイントで作用する分子標的薬が登場するなど、進行がんに対する武器は増えつつある。しかし、同じ臓器にできるがんであっても病態は微妙に異なるため、同じように薬を使っても効果が得られないことは珍しくはない。

 そんな個体差の生じるがんに、最先端の抗がん剤をどう使えばいいのか、その見極めと有効性についての研究で、全国トップレベルの実力を誇るのが筑波大学附属病院消化器内科だ。2007年には、総合がん診療センターが設置され、他科と連携した治療法の整備、外来化学療法の運用、地域病院との連携などに積極的に取り組む。

 「当院は、2008年に厚労省よりがん診療連携拠点病院として指定され、難治性のがん、あるいは、合併症を伴う患者さんを多数受け入れています。がん診療を安全かつ効果的に行うには、センター化によって専門医が集合することが必要だったのです。また、がん治療は初回の治療が極めて重要で、これがその後の生存を左右するため、総合的に知識と技術を集結する仕組みを作りました」とは、同科の兵頭一之介教授(55)。抗がん剤治療のエキスパートで、新薬の開発によって長期生存へ結びつけることを長年の研究テーマとしている。

 そして、すでに肺がん領域の臨床試験で世界的に高い評価を得ている西日本がん研究機構(WJOG)に、消化器グループを立ち上げ、現在も3つの臨床試験を進行中だ。

 「大腸がんでは、かつて再切除不能といわれた再発多発転移の患者さんでも、薬による治療で著明な効果が得られています。このような方の中には再切除手術が可能となり、5年以上生存される方も3~5割。生きる希望を持てるような時代になっているだけに、そういう患者さんをもっと増やしたいのです」(兵頭教授)

 分子標的薬は幾つも開発されているが、効果には個体差がある。それを克服しなければ、全てのがん患者を救うことはできない。どの薬をどう使うのか。複雑な仕組みを解明し、医療現場でより薬を使いやすくできるように研究を進めている。

 その一方で、新たな治療法にも着手。そのひとつが、世界各国と共同研究を行っているウイルスを利用したがん遺伝子治療。遺伝子に操作を加えたウイルスをベクター(運び屋)として、さまざまな工夫を施し、がん細胞でのみ増殖してそれを死滅させる仕組みだ。

 「がん遺伝子治療や、新たな分子標的薬を、当消化器内科から世に出したい」と兵頭教授。その夢に向けた取り組みは今も進行中である