レストランに着いたら、まずはメニューを開いて
「今日は何を食べようかなぁ~」と考えようと思ったら
そもそもメニューがない。

 やっと従業員がオーダーを取りに来たかと思ったら
威勢のいい声で
「ご主人様、お帰りなさい!!」

「ご主人様と私の仲ですから、『何が食べたいですか?』
なんてみずくさい野暮なことは聞きません!
今日は何が食べたくないかだけ言ってください!」

頭の中は「???」だらけで
「何がどうなっているんでしょうか・・」と
独り言のような声の大きさで
連れて来てくれた知人に
つぶやくのが精一杯。

ちなみに「ご主人様」といっても
メイド喫茶のような店ではありません。

(店内はこんな感じの大衆中華↓)

中国のサービス業における人材育成

知人から説明を聞いてようやく理解したのは

・メニューはない
・食べたくないものだけ伝える
・設定は『武侠文化特色レストラン!?』

そう言われてみると壁には鎖鎌やらヌンチャクなどの
武器がいろいろと掛かっている・・・

やっとのことで
「八角(中華の香辛料の一種)は食べたくないです」と
伝えると従業員は颯爽と身を翻し
厨房に戻っていった。

やっと一息つけるかと思ったら
1分も経たないうちに1品目の料理を持ってきた。
料理名は『兵糧丸』で肉団子をもち米で包んで
蒸しあげたものだった。

料理名の意外性とは裏腹に
料理は正統で、とても美味しかった。

そうこうしているうちに5品の料理が
10分くらいでテーブルの上に揃った。

どれもオーダーが入ってから
10分以内に作れるような料理ではなく
「オーダーが入る前から作っていた」
に違いない。

中華料理屋でマクドナルドのような先行調理!!

確かに周りの卓も見回してみると
結構な確率で1、2品は僕たちの卓と料理が
かぶっている・・・

自分達の出したい料理を、高効率でだすというのは
どのレストランも目指すところだ。
それを、オーダーを取らないことによって
達成するというはまさにコロンブスの卵である。

確かに顧客側としても
お腹がすいている時に
おいしい料理が素早く出てくるというのは
何よりのサービスである。

このレストラン側と顧客側の利益を
絶妙のバランスで一致させているのが
この店のコンセプトと従業員のサービスである。

もうウェイターいうよりは役者さんという感じで
ディズニーランドのアトラクションのお兄さん、
お姉さんに負けないくらい
レストランの世界観を演じきっている。

普通なら しらけたり、さめているスタッフが
一人くらいいそうなものだが、それがないのが
顧客側からみてもすがすがしい。

スタッフ皆が楽しそうに働くから
ちょっと予想と違う料理がきても
「まぁ、いいっか」となって美味しく食べてしまう。

※ちなみに僕たちの卓にも「八角」が
 もろに入っている料理がきました。

レストラン側が提供したいコンセプト(世界観)を
全員で全力で演じきって、
お客様がそれをディナーショーのような感覚で共有する。

味はともかく素晴らしい体験ができるレストランだと感じた。

ふりかえって自店舗では、このような
「全員全身全霊をかけてコンセプトを表現する」というのには
程遠いところにあると反省・・・




小さい会社ながら現地責任者として活動していると
日々、様々な判断を迫られる。

そういった日々の判断ですら
「ああでもない、こうでもない」となるのに
年間の経営戦略を立てるなどとなると
何をどこから判断していけばよいのか
分からなくなってしまう。

そのような時に一番時間を食ってしまうのが
「不確定要素について意思決定をしよう」と
してしまうこと。

もちろん、調査をしデータを集めれば
「不確定要素の範囲を狭める」ことは
できるものの不確定要素が0になることはない。

それなのに
「環境が○○になったら、この方法はダメだ」
「競合がこんな戦略をとってきたら、この方法は意味がない」
と自分がコントロールできない範囲に
思考を巡らして何も決断しないまま
時間が過ぎていく。

なので、不確定要素を減らす努力はした上でという
前提ではあるが、決定をする前には
「不確定要素というコントロールできない範囲と
コントロールできる意思決定対象の範囲」を
明確にしておく必要がある。

ここまで書いて、なんか難しく考えすぎて
自分でも分かりにくくなった気がするが
ふと、身近に良い例があったことに気づいた。

うちの店でもお酒や食べ物の
お薦めキャンペーンをよく行う。

行った後、結果が出るメンバーと
結果が悪かったメンバーを比べてみると
結果が悪かったメンバーほど

「あのお客様は、こんな高い商品は買わないはずだ」とか
「今日の天気では○○は売れない」など

勝手な仮説においてお薦め自体を
していなかったりする。

逆に結果のでるメンバーは
お客様がどうこうとか不確実要素を必要以上に考えない。
そして自身の決定できる範囲に影響させない。

「ひとまずお薦めしてみる」

というシンプルなタスクを繰り返して
その結果でてきたお客様の反応に基づいて
お薦め方法を改善していく。

う~ん。
能力も時間も限られているのだから
決められない範囲を決めて
仕事の効率をあげていこう
日本にいた時にお世話になった会社の先輩が奥様を連れて
わざわざシンセンまで遊びに来てくれた(^O^)

 その先輩は日本では店舗向けのCS改善の特化部隊のエースとして
あるチェーン約130店舗中 CSが120位だったダメダメ店舗を
5日間で1位まで持っていったりと、とにかく伝説たくさんのすごい人だ。

 僕も一緒に働かせてもらったことがあるが、とにかく熱い!
成績の悪い店舗というのは、だいたいが知識やスキルが足りないだけではなく
組織風土が悪く、個々人のモチベーションが低かったり、
「お客様に喜んでもらうこと」にものすごく冷めている。

 だから、その先輩が支援先の店舗にいって現状把握の後 行うのは
「彼らの冷めた心に火をつける熱い面談」
そこでみんなとコミットがとれるから、その後の技術的な部分が
一気に吸収され、高まって最後に結果に結びつく。


 そんなすごい先輩に今回はプライベートにも関わらず
自分の部下の面談をしてもらった。

 簡単に現状と期待する面談効果だけを伝えて面談してもらった。
お願いする前は「僕の言葉」を補強してもらうようなシナリオをくんで
それを喋ってもらおうかと考えていた。

 ただ考え直して、思うがままにやってもらうことにした。
というのも、今まで僕のマネジメント力で改善できなかったことを
僕のシナリオでやっても効果が限定されるだろうし、
現状把握も含めてやってもらい、先輩が感じたことをもとに
面談を進めてもらった方が、新しい切り口で
僕もその部下にも新鮮な思いがけない効果がでると思ったからだ。

 任せた結果としては部下にとって、そして僕にとっても
非常に有意義な時間となった。

 感想として「自分がまだまだ、やらされ感と依存感を持っていることに
気づけたので、それを払拭したい」という
まさに僕が部下の彼に自身で気づいて欲しいことであり
更なる飛躍をするために是非自分を見つめなおして欲しい点であった。

 そして僕自身の気づきとしては
伝えている内容は僕と同じなのにこれだけ気づきの深さが違うことから
自分の方法が「如何に思考の押し付けになっていたか」という反省・・・

 「人は誰でも自分で決めたことしかやりたくない」
ということが分かっていた。
なのに早く気づかせたいという理由で
思考を誘導して相手が答えにたどり着く前に
答えを与えてしまっていたため、
相手の気づきが浅くなっていたと思う。

これでは時間はかからなくても効果が出ない!!
効果がなければ効率もくそもない!!

ということで、自分の欠点が浮き彫りになるという点では
度胸がいりますが、効果は抜群なので
今後とも是非信頼できる人に自分の部下と話しをして
もらう機会を設けていこうと思います。