中国では明日が大晦日、明後日が新年初日となる。

殆どの企業が既に休みに入っていて
うちのお店も通常の週末のように
家族連れのお客様の割合が大きくなってきている。

こういった節句期間の様子を見ていると
中国のほうが家族との時間を重視しているように
感じられる。

ただこのように家族との絆を大事にするからこそ
この時期に営業する側としては頭の痛い問題がある。

従業員の多くが帰省してしまうのだ。
特にシンセンは出稼ぎの町で地元民が少ないので
帰省の移動時間(お金がかかるので飛行機は使わない)が
30時間を越えるメンバーも多く休みを2週間以上申請する。

毎年のことなので

・2ヶ月前から申請すること
・各何人までしか取得できない

などとルールを決めて進め、
残って欲しい人には直前の給与UPをしたりと
いろいろと手探りでやってみるのだが

結局、土壇場で

・「申請が許可しなかったら辞めます」とか
「何も言わずに逃亡」とかが

起こる。

今年も例外なく発生し、この一週間 店舗管理者は
毎日のように明らかに人が足りない
シフトの更新をしている・・・

そして、僕も毎日店舗ヘルプで
大量の汗をかいている・・・

去年の金融危機前までは、このように苦しい時期を
乗り切れば正月明けに大量にシンセンに労働力が
戻ってきていたのが、今年は
「その多くが戻ってこないんじゃないか」と
ニュース報道でも伝えられている。

以前は北京、上海、広州、シンセンといった
一級都市に無尽蔵の労働力が出稼ぎにきていたが
近年は成都、大連など今まで2級都市と言われていた
地域の発展が目覚しく、
そう悪くない条件での就業機会が増えてきている。


この状況は労働者にとってみれば

「給与はシンセンにかなわないけど、 物価もやすいし、
 実家に近い(近いといっても12時間以内移動とか…)
 ○○で働く方がいいじゃん」

となっていてシンセンまで出稼ぎに来る人が
減っているというのだ。

金融危機の際に多くの製造業が工員を大量リストラしたのが
そのまま戻らずに減ってしまい、
更にこのような帰省のタイミングがあるたびに
減っていってしまうというシナリオだ。

実際、この影響は肌で感じており
僕が来たばかりの3年前は毎日のように来ていた
飛び込みの新人応募が最近では1月に2,3人あるかどうかだ。

その状況は他店もほぼ同じだと思われ
未経験者の給与相場が上がっており
以前の給与水準では新人を採用するのが
難しくなってきている。

今後も、この労働数の絶対的な減少傾向は続いていくだろう。

それに加えて政府が最低賃金を更新すれば
工場など経験が浅いワーカーが
社員の大半を占める会社では
人件費率が一気に20~30%あがることも
考えられる。

(今年のシンセン市内最低賃金は
現状の145%になるという噂もある)

これからは、他の先進国同様にサービス業でも
社内の仕組みによって労働者の生産性を高め
一人当たりの付加価値を
人件費の伸び以上に向上させていけない
会社は徐々に淘汰されていくだろう。

変化の兆しが兆しであるうちに
前倒しで自分達の生産性改善をしていこう!







日本で今頃、正月気分だとしたら
かなりの問題が中国圏では
あと4日で正月を迎える。

連日のように

・帰省電車の切符が取れないことや
・偽物の切符が出回っていること
・切符も買って駅までついたのに人が多くて列車にのれないこと

などなどがニュースで放映されている。

切符を先に買って高値で転売する業者も多く
今年は身分証明書を持っていかないと
切符を売らないという制度まで出てきた。

それもそのはず、関係役所の発表によると

・1月30日~3月10日の40日の客運量が延べ25億人
・帰省目的での列車利用人数が延べ2.1億人

となると予想。
広い国土で長距離列車だと乗っている時間が
72時間とかもざらであることを加味すると
この移動者数はものすごい数だと思う。

まさに民族大移動だ。

僕の住んでいるシンセンは、
「出稼ぎにくる都市」なので
多くの人が帰ってしまう。

それでも街中は正月の飾りつけで
徐々に華やかになってきている。


中国のサービス業 中国のサービス業
近くの雑貨問屋でも所狭しと正月飾りの販売が行われている。
今年は寅年なのでトラにちなんだ正月飾りも多数ある。

それにしても日本の正月との雰囲気の違いは、かなり大きい。

そして極めつけは出店しているショッピングセンター万象城の中に
巨大な旧正月オブジェが登場した。

ぼんぼり(?)と呼べばいいのかとにかくでかい。
人が映りこんでいるので比較してもらえれば
その大きさが分かると思う。
中国のサービス業 中国のサービス業

これがフロアーに10個以上もあるから
少し通行の妨げになっている気もするが・・・

「大きなことは良いことだ」という観念が強い中国では
非常に受けがよく多くの人が記念写真を撮っている。

こういった祭日、祝日の過ごし方を見ると距離的には近くても、
多くの文化的相違点があることを改めて実感する。

ただ中国人のお客様を対象に、中国人と一緒に
ビジネスをするということは、これらの価値観の相違を
理解し、尊重していくということが絶対に必要である。

ただ日本料理という「違う価値観」が商品の大事な要素である
私達の会社にとっては完全に同化してしまうのも
よろしくない。

相違点を理解した上で、
お客様にとって新しい価値観を
提供し続けられるよう頑張っていこう!

そのためには僕自身、中国・日本の文化も
まだまだ勉強が必要だなぁ



  今日は午後から会議をしに店舗にやってきた。
始めて15分頃たった時に、
従業員があわてながら会議をしている部屋に
入ってきた。

クレームであったが、その内容というのが
「お客様が醤油を瓶ごと服にこぼして怒ってます!」

僕たち2人は意味が良く分からず
もう一度確認する。

「醤油を誰が、どこにこぼしたの?」

従業員はやはり
「お客様が自分で、自分の服にこぼしました。
 お客様2人とも洋服が醤油まみれです」
と答える。

その後、
「お絞りと紙ナプキンは渡しましたが、
 どう処理してよいかわかりません」
と半泣きで訴えてきた。

これ以上は状況を見てみないと分からないので
正直「面倒くさいなぁ」と思いながらも
一度会議を中止にして自分で行ってみた。

そこにあった光景は
「本当に醤油まみれで怒っている」お客様。

男性の方はシャツに直径20cmくらいのシミと
ズボンや靴下まで醤油がついており、
女性の方は黄色いセーターに無数の醤油シミ。

テーブルの上を見ると、醤油を拭いたお絞りと
無数のくしゃくしゃになった紙ナプキンがあり
醤油を丸々一本こぼした様子。

お客様は
「キャップがきちんと閉まってないから
 醤油がこぼれた!どうしてくれるんだ!」と
ものすごい剣幕。

つっこみたい気持ちを抑えながら
話を一通り聞きおわった時には
「このまま帰しては申し訳ない」という
気持ちが沸いてきた。

その後、お客様に次の予定を確認すると
食事が始まる前だったこともあり
まだ1時間くらい時間があるとのこと。

であれば、とシャツだけでも洗わせて頂けないか
提案し、食事中は自分の上着を着ていただくことにした。

お客様は、まだ怒りがおさまらないようで
「女房のはどうするんだ!」と怒鳴られたが
そこはシャツの後に対応する旨を告げて
ひとまず醤油だらけのシャツを貰い受けた。

奥様に洗剤をしみ込ませたペーパータオルと
乾燥したペーパータオルを渡して
「擦らずにトントンとシミを叩いてください」と
伝えてすぐにその場を去る。

そこからはトイレに洗剤をもっていって
手洗いをして、洗濯機で脱水した後に
手拭ペーパーで水分を取りながら
扇風機で乾かす。

中国のサービス業
乾燥中のお客様の服(この時は僕も既に冷静で
 写真を撮る余裕がありました(笑)

その一つ一つの段階でお客様のところに

「今、洗い終わりましたが、醤油は大体おちました」

「今、脱水し終わって後は扇風機で乾かしますね」

「大体、乾いたのですが袖と襟元が
 まだ乾いてないので後15分ください」

と途中報告をする。

お客様は結局、私の上着を着ずに
ランニングのまま食事をされていたが
明らかに怒りはおさまってきている様子だった。

約束した1時間後に少し生乾きの感はあるが
お客様に洋服を持っていくと、
そこには既に笑顔のお客様がいた。

もう一度、丁寧に謝罪をしたところ
僕の名刺を手に持ちながら
「次くる時はあなたに電話するよ」
言っていただけた。

これは最高に嬉しい!!

サービス業の人間としては失格だが
慣れてくると、どうしても「クレームを処理する」という
表現を使い、思考上も「単なる作業」のように
扱ってしまう。

最近は現場に毎日いるわけではないので
自分の中で一人一人のお客様の顔を
想像する力が弱くなってしまったと猛反省。

醤油をこぼしてしまったお客様には失礼だが
今日、このような機会を与えてくれたことに
非常に感謝したい。