今の書店の子育て本のコーナーを覗いてみると子どもには自由にやらせてのびのび育てる系の本が多いですね。
戸塚ヨットスクールばりに「ゴリゴリしごいて育てろ」的なスパルタ系は今の世の中受け入れられないでしょうし、まぁそっち一辺倒になるの仕方ないかもしれません。
こういった傾向は「叱らない子育て」とやらを提唱している某有名教育評論家がマスコミに登場するようになってから増えた印象ですが、中身はどれも似たよったりなんでタイトルみただけで内容は大体想像できます。
「子どもの興味のあることを自由にやらせてたら、学問にも自然に興味をもって勉強するようになった」、あるいは逆に「しっかり勉強させたくて早くからいろいろ口出ししてたら反発してやらなくなった」、だから「親の理想を子どもに押し付けるのはダメ」等々。
いや、間違ってないとは思うんですよ。
実際にいろいろ保護者に頭ごなしに決めつけられたりして萎縮する子もいるでしょうし、きっと教育学的にも正しいんでしょう。
ただ、あえて個人的見解をさしはさむなら、これって学習面に関してはかなり程度の問題ではあると思います。
それに、いくら「子どもに願望を押し付けるな」とか言われても、保護者からしたら自分の子どもに期待するのは当然。
「好きなこと、やりたいことをやってもらえればいい」といっても、その「好きなこと」や「やりたいこと」に知識を習得するための学力や学歴が必要なことだってあるし、あくせく金策に駆けずり回らなくてもいいような生活はキープしてもらいたいはず。
「好きなことをさせたい」からといってゲームやスマホ三昧で勉強ほったからしのアッパラパーにさせてしまえば、あとで本人が(たぶん保護者自身も)困ります。
医療ドラマをみて、ある日突然「医者になりたい」と思ったとしても偏差値40や50で入れる医学部はありません。
そう考えると、子どものベクトルが少しでも勉強に向かうように導くのも保護者の務めの一つ。
子どもの好きにさせておいてその方向性が勉強に向かう可能性はいろいろ誘惑のある現代では少ないと考えるべき。
また、なんだかんだと言って、難関大に合格していくお子さんをお持ちの家庭は保護者も「一定水準以上の大学には進学してほしい」と考えられているところがほとんどな気がします。
まぁ当たり前といえば当たり前ですけどね。
中には言葉には出さずとも親戚や兄弟姉妹に高学歴が多いと、暗黙の了解である程度の成績をとることが子ども自身の中で義務感としてとらえていたりもしますね。
そして、それには家庭の中でそういった雰囲気を作り、そのための環境を整えていくことが重要です。
「ほったらかしにしておいたら、子どもが自然に勉強して東大に合格した」なんて例もあるかもしれませんが、相当なレアケースでしょう。
最近たぶんちょっと増えてると思うんですよね。
尾○ママ流の「子どもの好きにさせたらそのうち進んで勉強するようになっていい大学に合格するのね~ん」理論を信じすぎてしまうお母さん。
それで勉強しない子どもに対しても「ここで口をはさんだら余計にダメになるかもしれないから我慢しなくちゃ。そのうちきっとやりだすから」と自制されることも少なくありません。
ただ、塾講師目線だと勉強しない子の好きにさせておいたらにっちもさっちもいかなくなってドツボにはまるケースの方が多いように感じますね。
そんな子でも受験生になったら危機感感じてやるでしょうが、やれたとしても真面目に積み上げてきた子には学習量も程遠く、本人が行きたい大学の偏差値には逆立ちしたって届かない状態だったりしますからね。
受験にはタイムリミットもあります。
「勉強しなさい」なんて言う方もストレスになるからそれを言わずに、「自主性を育てる」という名目で口を出さずに突き放すのはある意味楽かもしれないけど、結果に結びつかなければ「やっぱなんか他に方法あったんじゃないか」と後悔しないですかね?
「子どもの好きにやらせる」理論あるいは「本人がやる気になるまで待つ」理論の実践は保護者自身にも余裕や見識がないとギャンブルに近くなるのは認識しておきたいところ。
実際に東大生の7割は中高一貫校出身者。
小学生の頃から保護者がある程度介入している子が大半ということになります。
そのかわり大学入試直前期は手は放してるはず。
他者が介入しないと学習に取り組めないような子は東大受験なんて無理なんで。
一定以上のところまでいくと積み上げたものが走らせてくれるからそれが可能になってるわけです。
想ったり願ったりすらしないものを実現する確率はそれを公言している場合よりも小さくなるでしょう。
高校受験レベル(一部の難関私立は除く)だと中学校の先生の指示をちゃんとこなしていれば、ちょっと勘のいい子なら結果は出るかもしれません。
しかし、大学受験はそれではまず足らないです。
難易度の高い問題にチャレンジするのには膨大な量の暗記、定着させるための問題演習の時間をガッツリとることが必要になってきます。
しかも少なくとも1年半とか2年は継続して。
これには刹那的なやる気とかではなく、「絶対にいい大学に行かなくちゃ」というある意味使命感のようなものがないと無理だと思うんですよねえ。
設問の難易度が上がるほどそれを解くための準備段階では根性がいるので。
よほど固い意志がないと頑張れません。
高校に入ってから女子より男子の方が成績が伸びやすいのはこのあたりの意識を持ちやすいというのも一因と感じます。
個人差はあるにしても、やはり女の子には保護者も男子ほど学歴を求めないことが多いですから。
ちょっと話がそれました。。(^^;
何が言いたいかというと、それなりにいい大学に子どもを進学させているご家庭は普段の会話なり、テストへの講評なりで学習への意識が向くように導いてることがほとんどだということ。
最初はそこに多少の強制力を働かせることがあっても、いい点数がとれれば子どもだってそれを下げたくないから最低限のことはやるようになります。
ちゃんと支えてあげれるなら「○○大学以上のところは進学してほしいわ」と保護者としての希望を口にしたって個人的にはアリだと思います。(○○大が東大や京大だときついけど)
押し付けるのはよくないにしても越えるべきハードルの高さを設定してあげるのは本人のためにもなること。
子どもと共通認識が得られれば普段の学習への真剣味もアップするでしょう。
はやりの子育て本の「子どもの好きにさせる」とか「『勉強しなさい』と言ったらダメ」「プレッシャーをかけるとくじけやすい」という表面的な言葉だけトレースしたり、「好きにやらせてたら勉強にも興味をもっていい大学に合格した」なんてレアケースを信じすぎて、欲望の赴くまま野放しにしてしまうと、やらなきゃいけないときですらずーっと勉強しなくなっちゃうというリスクもあるし、サボリ癖のついた後から学習習慣をつけるのはめっちゃタイヘン。
受験勉強はデリケートな部分もありますが、しっかりやらないことには結果も出ないものでもあります。
いろいろ好きにやらせるにしても、そこの手綱だけはちゃんと握って、それなりの成果が出せるよう導いていきましょう。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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