通塾の目的は最終的には「入試で合格すること」だと思います。

塾としても合格発表の日は落ち着かないし、生徒が受かっているとホッとします。

また、努力してそれを勝ち取った子らはそれをステップにして次の関門も頑張れたりもしますよね。

いわゆる「成功体験」ってやつで、「努力すればできるようになる」と思えるかどうかってところが重要。

受験勉強に限らずスポーツや楽器などでも似たような感覚は得られます。

ただ、同じような合格、成功体験に見えても個々の事情により本人の中の感情は様々だったりもします。

特に公立高校入試だとなんだかんだといってほとんどの子が合格するわけですが、そのかわりに前段階で中学での内申点での選別があります。

例えば、副教科の内申点がよくなくて主要科目の偏差値にふさわしい学校を受験できずに、志望校のランクを落として合格した場合。

現在の公立高校入試のシステム的に割をくってる子たちで男子に多いパターン。

この場合の合格ってたぶん本人の中では「成功体験」というよりはむしろ「失敗体験」でしょう。

「もっと副教科も真面目に取り組んでおけば、行きたい高校に入れたのに」という思いはあるはずですからね。

とはいえ、「成功体験」ではなくとも、このパターンはまだいいんです。

なぜなら大学入試で取り返せるチャンスがあるから。

大学の一般入試は副教科なんか関係ないので、雪辱を期して学習に取り組めば通ってる高校の差など簡単にひっくりかえります。

実際に高3時点で地域の2番手校、3番手校のトップ層は1番手校の上位の子たちと遜色ありません。

そして、そういうところから難関大学に合格するのも高校入試のシステムで割をくった子たちです。

こうなれば高校入試では決して「成功体験」ではないかもしれませんが、次に活かしたという点では悪い経験ではなかったと言えるでしょう。

逆に志望校に入れたといっても、その経験が大学入試では足枷になるパターンもあります。

先ほど「成功体験」に重要なのは「努力すれば…」というのが重要と書きましたが、高校入試レベルだと第三者的にみて「あんまり頑張ってないな」と思う子でも志望校に合格していく子たちがいるのも現実。

これまた先述したように高校入試は受験前にある程度輪切りにされている分、私立難関校でもなければ合格する子の方が圧倒的に多いし、中学の履修内容だと学校の授業を聴いて、課題を適当にやっておけばそこそこの点数とれちゃったりもする子もいます。

いや、本人的には「頑張ってるつもり」ではあるんですよ。

でも、それが「中3の部活が終わってからようやく重い腰をあげた」とか「定期テスト前だけ真面目にやった」とかだったりするわけです。

これだと中1くらいからコツコツと普段の学習習慣を積み上げていった子たちと同様の「頑張り」とは言えないですよね。

っていうか、よほどヤンチャな子でなければ誰でもそのくらいはやります。

それでも、その子たちの中ではそれが「成功体験」になってしまうこともあるんです。

だってそれで「合格しちゃってる」んだから。

塾講師的にも合格報告はうれしいけど、「こんなんで合格しちゃって本当にいいのかな」と思わざるをえないときもありますよ。

まぁ「要領の良さ」はあったかもしれません。

では、この体験が次の大学受験に活きるかといえば、まずNOでしょう。

大学入試の難易度が高校入試のそれとはあまりにもかけ離れてますからね。

進学校だと普段から課題などで絞られるでしょうが、それだけでは足りないことも多いです。

「高校入試ではなんとかなったから」といって「受験前は頑張った」とか「定期テスト前はちゃんとやった」では学校進度にすら置いていかれます。

そうならないためにうちの塾では高校合格後も通塾継続を促しますが、初めから「高校入試まで限定」みたいに考えられてたりするところだと「また必要になったときにお世話になります」と一旦退塾されることも結構あるんですよねえ。

ご家庭の方針もあるので、それ以上口は出せないけど、大学入試の場合は「必要だと感じたとき」が遅すぎるとどうにもこうにもならないことがほとんどなんですけどね。(なので、うちの塾は高校生は高2までの受付にしています)

ちょっと話がそれました。

外野から「高校の履修内容は難しいから普段からちゃんとやらないとダメだよ」と忠告したって、本人の中で「高校入試は要領よくやってなんとかなった」という経験があれば、そちらの方を信用しやすいもの。

その方がいろいろ精神的にもラクですし、なにより本人は「努力してるつもり」

それが第三者からみれば「成功体験」ではなく「うぬぼれ」からくるやっつけ仕事的な学習だったとしても。

「成功体験もどき」の高校入試での合格の危うさはここにあります。

賢明な子であれば、高1の二学期くらいには「このままではヤバい」と気づいて、心を入れ替えたりもしますが、高2の夏くらいの段階でそうなればいい方かな。

大学入試の難易度からいって高3になって危機感持ったとしても、そこから大逆転なんてのはかなりのレアケースでしょう。

大学受験の世界には小学校の頃から中学受験を経て切磋琢磨してる中高一貫校の子たちとも競わないといけません。

「入試前は頑張った」なんてのは「普段は頑張ってなかった」と言ってるようなもん。

直前だったら誰でもやりますからね。

「いつから頑張ったか」で差がつきます

いくら高校入試で本人的には「要領よくうまくやったつもり」で志望校にひっかかったとしても、肝心の大学入試にズタボロ状態で臨むようなことでは本末転倒。

高校の履修内容の難易度は中学とは全然違うし、大学入試は「要領よく」だけで乗り切れるほど甘くはありません

高校入試で「直前だけでなんとかなった」という自覚のある人ほど気を引き締めて、普段の学習から丁寧に取り組んでいきましょう。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。


…と、ここまで書いて「この内容なら3月か4月に記事にすればよかった」と思ったのですが、せっかく書いたのでそのまま更新しておきます。

ノープランで書き始めるとたまにこういうことになっちゃいますね。(^▽^;)



一宮市大和町妙興寺の次世代型自立学習塾e-Study

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