ご家庭で通塾を検討される理由はさまざま。
東大や京大や医学部を目指す上で抜きんでた学力をつけるために中学受験を目指すためというところもあれば、定期テストの結果が悪くて「なんとか人並みにはとってきてほしい」という思いから「塾にでも通わせようか」となるところもあります。
うちのような個別指導塾だと保護者の方が「将来、なんとか普通の大学に行ってくれれば・・・」とお考えになって問い合わせいただくし、お子さんの方も目標としてはそのあたりのことが多いかな。
もちろん、「せっかく通塾するなら、あわよくば少しでもいい大学に進学」という気持ちもあるでしょう。
塾としてもできるだけそれに応えられるように指導したいと思っています。
ただ、ご家庭で想定している「普通の大学」に合格するためにその過程で通ってこないといけないプロセスへの認識は必ずしも本人、保護者、塾講師の三者で一致しているとは限りません。
中学生の子の考える「普通」って「平均点とれてればいい」「通知表で3なら真ん中だしOKじゃん」くらいの感覚だったりします。
「周りの子も大して勉強してないのに楽しくやってるから、同じようにしておけばそれなりに進学できるんじゃね?テレビに出てる大学生もアホそうだし」って。
そして、普段は学業よりも部活を優先して、宿題はやっても答え合わせは赤ペンで解説を写すだけ、単純暗記も甘々のままテストに臨んでいきます。
実際にはそれでは学力はあまりつかないし、今の絶対評価の通知表の「3」なんて40点台でもつくから真ん中ですらなかったりするんですけどね。
一方、保護者が考える「普通の大学」ってその地域の国公立大学やそれなりに名の通った私立大学をイメージされていたりします。
偏差値が低い大学って知名度もそんなになくて存在自体をあまり知られていないものだから、おのずとイメージする大学はそれなりのところになります。
では、保護者が子どもを入れたいと思い描くような大学に入学するには中学、高校の時点でどの程度の学力があればいいのか考えてみると。。
各高校のHPには大体前年度の合格実績が掲載されているから、それで生徒の約半分が国公立に進学する高校を探してみました。
国公立だと私大と違って合格実績がほぼ1人1校でわかりやすいですからね。
国公立といえども偏差値の高いところからそうでもないところまでいろいろあるけど、今回はそこはあえて考慮せず。
西尾張地区では江南高校が1学年320人で160人くらい国公立に合格してるので、ちょうど半分くらい。
だから、目安としては江南高校に進学して、半分以内に入っているとなんとかなるって感じでしょうか。
でもって、江南高校合格者の全県模試の平均偏差値はちょうど60、平均内申は38です。
偏差値60って上位約15%以内。
1学年200人の中学なら通知表はオール4はあって、定期テストで30位以内をキープしてる子たちが進学していく高校になります。
そのくらいの順位の子たちだと宿題は解き直しまでやって、テスト前は暗記事項はしっかり覚え、応用も定番のものはある程度できるようにして80点くらいはとってきます。
中学校の定期テストで平均点ちょぼちょぼくらいでは論外。
そこから条件をクリアするのは「親子ともども学習に対する姿勢を根本から改めるくらいの意識改革が必要」だと塾講師としては声を大にしていいたいです。
中3夏に内申20台で学年順位も真ん中くらいの子がそこから通塾してどうこうなるかといえばかなり厳しいでしょう。
ここを認識してもらえないと「塾に行ったのに思った通りに上がらなかった」ってなりがちなんだもん。。(;・∀・)。
また、偏差値60近辺の高校の定期テストの問題用紙を見る機会があれば確認してもらってもいいと思いますが、そちらも決して低い難易度ではありません。
一般的には「普通」どころか「中学時代はまあまあ頑張って、高校でもサボらずにしっかり授業についていける子たち」が保護者感覚の「普通の大学」に行くというイメージになるでしょう。
そう考えると、このハードルは低くないように見えますよね。
本人的にも甘くみてる子が多いだけでなく、保護者の方も「ちょっと頑張ればなんとかなる」程度に考えられてたりするけど、想定するような「普通の大学」に行くにはコツコツやりつづけて同年代の中では上位をキープしておかないといけないということになるので。
しかし、塾講師的には「うちの子には絶対無理~」と諦める必要もないと思っています。
上位15%くらいの子の学習で「宿題の解き直しをし、暗記事項を覚え、応用もある程度できるようにする」と書きましたが、これって特別なことではありません。
学習指導する側からみれば「当たり前のこと」とも言えます。
逆に言うと、公立中ではこういう当たり前のことを出来ていない子が大多数を占めてるから、それをやるだけで、自然と浮かび上がってくるだけ。
普通の公立中学の定期テストでの平均点だと塾講師目線では「勉強しきれていないな」というのがリアルなところですから。
これが偏差値70オーバー(上位2%以内)を目指すとなるとさらなる研鑽も必要だけど、上記のようなことは誰でも可能なはず。
「ハードルは低くないように見える」と感じても、あくまで相対的な話であって「ちゃんと学習してる子たちにとっては決して高いハードルでもない」というのが事実だと思っています。
多くの場合、家庭の中で共有されている「当たり前のレベル」の差がそのまま学力差になります。
そして、できるるならレベルの低い子と比較することが恥ずかしいと感じるくらいの学力になるよう早めにまともな学習習慣をつけておくこと。
受験勉強的には「しっかりやれない子」の方が多いから、そこを見て安心するのではなく、学校なり塾なりに指示されたことをきっちり取り組むのが重要です。
この水準までなら敵は自分の中にしかいません。
民主主義と違って多数派が正解とは限りませんからね。
そもそも民主主義だって、私の大好きな評論家の呉智英みたいに「民主主義とは『バカは正しい』という思想だ」いう人いますし。
…話がそれました(;・∀・)
受験勉強における「普通」への認識についてとりとめもなく書いてきましたが、無理やりまとめると以下のような感じ。
・保護者の考える「普通」と子どもの考える「普通」にはギャップがある
・子どもの考える「普通」は「平均」だが、それでは保護者の考える「普通」には届かない
・「平均」から保護者の考える「普通」のギャップを埋めるには学習への意識を変える必要あり
・「当たり前の学習」を積み重ねていけば、それをやれない子が多数のため、相対的には浮かび上がって保護者の考える「普通」はクリアできる
・家庭の中の「当たり前のレベル」が高いほど学力も高くなりやすい
というところでしょうか。
大人の設定する「普通」のハードルは相対的には低いものではないけど、やるべきことを積み上げていけば、乗り越えられるものだと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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