うちの塾の問い合わせをいただいた後の最初の面談では簡単なアンケートを記入してもらっていて、その欄の一つに「通塾を希望したのは本人か保護者か」というものを設けています（どちらもという場合は両方に丸をつけてもらいます）。
よりポジティブなのは本人が希望した場合だとは思いますが、別に保護者が通塾を促す方が悪いわけではないです。
特にまだ定期テストのない小学生だと自分から「勉強一生懸命やらなくちゃ」と考える子の方が珍しいので、「早めに学習習慣をつけさせたい」とか「少し違った環境での勉強させたい」と保護者の方が誘導されていくのは大いにアリでしょう。
塾講師的には「ちゃんと子どもの教育のことを考えてるお母さんなんだな」と感心します。
ただ、保護者の方が「この子成績ひどいから塾にでも通わしてなんとかしなくちゃ」と思っても、子どもの方が全くやる気にならず逃げ腰の場合は費用対効果的には厳しくなるかもしれません。
塾関係者としてはこのパターンが一番悩ましいです。
塾に通うだけで成績が上がるわけではないですから。
「お母さんがこんなに一生懸命になっているんだからなんとかしてあげたい」と思っても、塾まかせだと子どもがヘラヘラして暖簾に腕押しのことはやはりあるので、家庭でも学習に向かわせるような雰囲気づくりはしてもらいたいなと思います。
「そんな子をやる気にさせるのが塾の役目だろ」と思われるかもしれませんが、それが簡単にできるなら世の中みんな優等生のはず。
だから、ありもしない「やる気スイッチ」を大々的にアピールする某大手フランチャイズ個別指導塾のCMは大嫌いです(笑)
あ、話がそれました(;・∀・)
また、本人が希望した場合でも、成績下位層だと「定期テストが返却されてヤバイと思ったから塾に通って何とかしてもらおうと思ったものの、いざ通いだしてみると課題などにコツコツと取り組むことができなくて、目の前のゲームの誘惑に負けたり、部活を理由に逃げようとしたりで効果的に成績が伸びない」なんてことはあります。
「勉強頑張らなくちゃ」という意志が継続せずに目先の欲望に簡単に負けるのが成績下位層の闇の深いところです。
出来ない子たちの「一瞬のやる気」は貴重かもしれませんが、一瞬だけなら口で言うだけなので誰でも言えますからね。
このパターンではこまめにチェックしながら「ちゃんとやったら結果は出てくる」ということを実感させるところまで指導する側も粘らないといけないのでなかなか大変。
一方、成績がまずまずのところで自分から「もっといい成績をとれるようになりたい」と通塾を希望する子の場合は伸びるスピードが速いですね。
学校進度についていってるならば追いつくまでのタイムラグもないし、取り組み方も真面目なので通塾効果は高いでしょう。
あと、塾へ問い合わせをいただくタイミングでも様々です。
最初から「子どもには〇年生になったら、塾に通わせる」と決め打ちで日頃からHPなどをチェックされている意識の高い家庭ももちろんありますが、多いのは季節講習などの広告をみたときですかね。
どの塾もチラシを折り込んだり、友達紹介のキャンペーンをしたりするので、それを見て「まずは短期のもので様子をみて」と考えられるのは自然なことだと思います。
他には定期テストで点数の悪い答案が返却されたときというのもありがちですね。
危機感を感じたところで、すぐ行動に移すのは非常にいいと思います。
風邪といっしょでちょっと落ち目を感じたところですぐに対処すれば回復も早いですし。
「ヤバイ状態が続いている」とか思いながら「とりあえず部活もあるから、塾は受験生になってからでいいいや」というところもありますが、このパターンは塾講師目線だと「なんでこうなる前にどっかに相談にいかなかったんだーー」と心の中で叫んでいることがほとんど(笑)
逆に、個人的に「あ、このタイミングでの問い合わせは覚悟を感じるな」と思うのは「定期テスト実施期間中の問い合わせ」です。
定期テストは始まっていても、実施期間中に返却されることはありません。
本人がテストを受けた感触として「わからないことがある」とか「できなくなってる気がする」ということを実感してそれを保護者に申告するのって勇気がいると思うんですよね。
だってもしかしたら思ったよりも出来ている可能性だってあるわけだし、「できなかった」と言った時点で「なんでもっとちゃんと勉強しなかったの」と言われちゃうこともあるかもしれません。
実際に答案が返却される前に自己申告できるということは少なくとも自分の立ち位置を理解できているし、「成績を伸ばさないといけない」という意志はかなり強い証だとも思えます。
なかなかないケースですが、もうちのような小さい塾にも今回の学年末テストの最中の中学生のところから問い合わせがあったので、全くないわけではないです。
通塾を考える理由やタイミングは千差万別だけど、どんな塾や生徒であろうと成績を伸ばすためにはただ通うだけでなく、そこでカリキュラムをきっちりこなし、課題などを真摯に取り組むことが必要。
塾と家庭と協力しながら、しっかり学習に向き合えるようにしていきましょう。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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