
ノア・ドルフィンドームに反対する会とNo More Tanksは、堺市が市有地を利用してイルカ触れ合い施設を開業させ、借地料を得ることに強く抗議し、声明文を送付いたしました。
この施設は、狭いプールにイルカを閉じ込め、商業目的で利用するものであり、動物福祉の観点から到底容認できません。
堺市がこのような非倫理的な事業を推進することは、市民の声を無視し、動物の尊厳を軽視するものです。
今後も私たちは、堺市に対し、イルカの商業利用を即刻中止し、動物福祉を尊重する政策への転換を強く求めてまいる所存です。
なお、オンライン署名につきましては民意の受け皿として継続いたしますので、引き続きよろしくお願いいたします。
ノア・ドルフィンドーム開業に対しての抗議声明(本文写し)
堺市長 永藤英機 様
堺市議会議員 各位
私たち「ノア・ドルフィンドームに反対する会」は、昨年8月に10,183筆の反対署名を堺市に提出し、市民の強い反対の声を届けました。しかし、市はこれを無視し、「ノア・ドルフィンドーム」(以下、当該施設という)の開業を許可する判断を下しました。これは、市民の声を軽視し、動物福祉の観点を無視する姿勢を示すものです。私たちは以下の理由から、当該施設の開業に強く抗議します。
- 不適切な飼育環境と劣悪な立地条件
当該施設では、イルカが本来生息する広大な海洋環境とは程遠い、狭小な人工プールで飼育されています。さらに、施設は幹線道路沿いに位置し、常時騒音や振動にさらされる環境にあります。これらの要因は、イルカの生理的・心理的健康に深刻な悪影響を及ぼす可能性が高く、動物福祉の観点から到底容認できません。
- 「生物や海の環境等を考える機会」という詭弁
市は、イルカとの触れ合いが「生物や海の環境等を考える機会を提供する」と主張しています。しかし、自然な行動が制限された環境での触れ合いは、生命への敬意を欠く行為であり、真の理解を促すものではありません。生きものへの理解を深めるためには、野生動物の生態を尊重し、自然環境の保護を推進する教育が求められるべきです。
- 経済的利益を優先した動物利用の倫理的問題
当該施設は、イルカを集客の手段として利用し、経済的利益を追求しています。動物を単なる「見世物」として扱い、利益を得ることが正当化される時代ではありません。多くの国や地域で、こうした商業施設は廃止や規制の方向に向かっています。堺市がこのような施設の開業を許可したことは、時代の潮流に逆行する判断と言わざるを得ません。
- イルカの健康を脅かすプログラムの実施
当該施設では、浅瀬でイルカと触れ合うプログラムが提供されています。しかし、浅瀬での活動は、イルカの内臓に負担をかける恐れがあり、彼らの健康を損なうリスクがあります。このようなプログラムの実施は、動物福祉の観点から重大な問題と言えます。
私たちは、これらの問題を看過せず、引き続き抗議活動を続けていきます。堺市は、動物福祉の観点から本施設の開業許可を再考し、今後の対応を見直すべきです。市民の声に耳を傾け、責任ある判断を求めます。
以上、強く抗議の意を表明いたします。
2025年3月24日
ノア・ドルフィンドームに反対する会
No More Tanks