改めまして、
12月4日〜8日まで上演しました
舞台『真説LinKAge〜凛国異聞』に
ご来場いただきました皆さま、
ありがとうございました!
Twitterでは書いていたものの、
ブログでの御礼とまとめが
遅くなってしまいまして申し訳ありません。

始まってしまうと 
本当にあっという間すぎて…
大晦日まで来ても、
まだ終わった実感が
湧かないほどですアセアセ(笑)
さて…何から書けばいいのでしょうか。
四年前、『LinKAge〜凛国異聞』に
関わっていた時間は、
人生に於ける宝物のようでした。
終わってすぐに「再演いつやる!?」と
言っていたのを覚えています(笑)。
というのも、あの時は色々出し尽くして、
ご飯も全然食べられなくなって、
声帯の皮が捲れ上がって声も出なくなって、
体が凛国に還ろうとしているのかと
思うほどだったんです。

だから、満を辞して「再演するよ」と、
劇団ガイアクルー主宰の加東さん…
かっぺさんから聞いた時は、
いよいよか…と思っていました。

でもそこからの一年近くが本当に早くて、
もはや私の記憶は、
この『真説LinKAge〜凛国異聞』の
最終稽古辺りからしか
いんじゃないかというくらい、
充実、集中した時間を過ごしてきました。

なぜ、そんなにも並々ならぬ
思い入れがあるのか。

私も不思議に思って考えてみたのですが…。
私にとって雪は自分の片割れで、
外方者の仲間たちは、
家族のような存在だから
なのだと思うのです。
艮役のえいくんと話していたのは、
まるで自分の“前世”のようだと。
もちろん凛の国は、
現実の世界の歴史には無い
フィクションなのですが。
そのくらい自分と鏡合わせで、大切で。
外方の里のみんなも、
一緒に暮らしていた記憶が溢れるほど、
仲間、家族なのです。

鉄。秤谷建一郎さん。
もう何も言わなくてもわかってくれる
安心感があります。ほんと鉄みたい。
ちゃんと褒めてくれる、笑ってくれる。
初演の時から大好きです。

薊。川渕かおりさん、加藤智彩さん。
かおりさんに「伊織」って
呼ばれて抱きしめられると
なんでこんなドキドキするの(笑)!
生命力が強くて、神にも鬼にもなれる人。
ちささんは、まっすぐな太刀筋が印象的で、
眼差しが強い。
でも微笑みかけられるとすごく嬉しくて、
これまたドキドキしてうまく話せない…。
総じて雪が憧れている薊=お二人に、
私も憧れているんだなぁと
つくづく思うのです。

巽。小菅博之さん。
いつもかまってくれて、頼りになって、
今回なんて空いた時間で
木刀の稽古に付き合ってくれて、
ほんとにお兄ちゃんみたいな存在。
やっぱり巽だ。

牙。杉浦勇一さん。
いつも黙々と練習なさっていて、
静かなストイックさを持つ方。
でもお話すると牙より断然優しい物腰で、
真摯にお話してくれる。
もっとお芝居で絡みたかったな…。

刃。ゲッツさん。
この方もやっぱりストイック。
動いてないと死んじゃうからね(笑)。
私が出演させてもらった舞台では、
全部共演している方。
だからこそ、私のこともよくわかっていて、
ここぞというときには
黙って肩をポンってしてくれる
良き先輩です。

鷲。けったろ、新八。
けつは今回あんま喋ってないな(笑)。
でもさ、大楽よろしくって
言いに行った時に「もう何も言うまい」
って言って肩を叩かれた安心感は凄いね。
これが初演の絆と思ってるよ。
ぱちも初演からの仲間だけど、
逆に初めてこんなにたくさん話したかな。
役作りに木刀の振り方にと、
たくさん助けてもらって、
改めてその真面目さと熱意、
そして気遣いに感服しました。

艮。望月英くん。
えいくんはもはやは幼なじみ
みたいなんだけど…
でも今回、改めてまたすごい熱量を
見せてきたなと。
うしへの愛情と凛国への執着が
いい意味でしっかり見えて、
こっちも嬉しくなりました。

…こうして書いていると、
みんな各々のキャラクターに
やっぱり近いんだなぁと感じます。
初演組はそりゃそうなんだけど、
新しいキャストチームも。
外方のみんなだけじゃなくてね。

そして今回、
かっぺさんが掘り下げたところや
雪をより真ん中に立たせてくださった
ところが大きく、
外方の関係性もまた深まって
見えたのではないかな?と思っています。
だから私もその辺りを
より意識してお芝居を構築していきました。

最初は外方の仲間たちと
無邪気に戯れて
可愛がられている、末っ子らしいところを
見せられたらいいなと。
そしてそこから段々と、
自分の決意に従って覚悟を決めた強さを
見せようと。
そうした方が、戦いで皆が散っていく姿が
より切なくなるし、
奪われる雪の辛さも伝わるのではないかと
思っていました。

リブログした、初演の時の記事にも
書いてあるけれど、
雪はロディだと思うのです。
今回メインテーマを手掛けてくださった
なるけみちこさんが音楽を担当されてきた
ゲーム『WILD ARMS』の無印の主人公。
主人公だけど喋らず、
他主人公の物語を反映させる、
プレイヤーが感情移入しやすい
ポジションなのです。

雪も、観ている皆さんが気持ちを重ねて、
外方者の一員として
凛国を駆け抜けるためのポジションに
なれればと、思っていました。

…やー、とはいえ初演の映像を今観ると、
あの時の雪は血気盛んすぎて
可愛げがないですね…(笑)。

今回はどうでしたでしょうか。
彼女なりの気持ちの変化、
強い心が目覚める過程、
そういったものを感じてもらえていたら
幸いです。


この世界はとても広大で、
人ひとりの存在なんて、とっても小さくて。
私たちは、自分が関わる誰かの気持ちさえ
動かせないかもしれない。
それでも。
私たちが舞台に立つのは、
届け、届けと伝えたい何かがあるから。
残したい何かがあるから。
自分の生きた証を、残してみせたいから。
それはもしかしたら、
ちゃちな自己承認欲求かもしれない。
だけどその欲求があなたに届いて、
もしも共鳴出来たなら、
素敵なことだと思うんです。

ちっぽけな命を削って駆け抜けた凛の国で、
皆さまにも、何か感じでもらえるものが
あったならうれしいです。

本当に本当に、あなたがいたから、
ここまで来ることが出来ました。
ありがとう。
本当に、ありがとうございました。

凛国の扉は閉まっても、
あなたの胸の中にはいつでも彼らが、
私たちがいます。

またいつか、
この国で逢える日が来ることを祈って。