シネマカリテさんでのカリコレ3本目は、
『プリズン・エクスペリメント』を観てきました。


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1971年。
スタンフォード大学心理学部のジンバルドー教授は、
夏休み中の校舎を使い、被験者として学生18人を集め、
9人ずつ看守と囚人に分け刑務所生活を再現する実験を始めた。
それぞれの“役割”が、人にどう影響するかを見るための実験なのだが、
開始1日目にして、看守たちの高圧的な態度は加速してゆき、
ついには暴力に発展してしまう。

有名なスタンフォード監獄実験をモチーフにした作品では
『es<エス>』(01)などが有名ですが、
これは割と元の実験に忠実に作られているとか。
なので『es<エス>』のように人死にが出たり、
彼女が助けに来てくれたりはしないのですが。
リアルなラインすぎて逆にゾッとするところも多かったですガーン

エズラ・ミラーとタイ・シェリダン、
私の好きな役者が2人揃っているというだけでワクワクでしたが、
エズラは賢くてみんなをまとめる力のある囚人側の学生役で、
「やっぱこういう役似合うなー!」と感じました照れキラキラ
タイも囚人側の学生で、偉そうに振る舞う看守たちに反抗はするものの、
やっぱりちょっと陰がある感じのキャラクターで、
こちらも似合ってるなー!と照れ

そして本作で特筆すべきなのは、教授たち側が描かれていることかなと。
看守側がエスカレートしてきた時点で
止めようかと悩んだ他スタッフに対し、
教授は自分の実験の成功と成果しか考えておらず、
学生たちは大丈夫だと言って聞かないのが恐ろしい。
「帰りたい」とあの手この手を使って懇願する学生たちを、
決して放そうとはしないのです。

『es<エス>』のような脚色が無い分、
エンタメとしての怖さではなく
リアリティが追求されていて、うぇっとなる描写も多かったです。

それにしても、“個”を無くした時に人間がどうなるのか…
周りが“個”を無くしてゆく中で、
どれだけ自分はマトモでいられるのか。
ジンバルドー教授のように興味は湧くけれど、
知りたくはない結果ではありますねショボーン