こちらもまた、
アレックス・デ・ラ・イグレシア監督作品。
『刺さった男』(11)。
あまりに上手くいかない一日の終わりに
新婚旅行で訪れた思い出の地に足を運ぶ。
だがそこは博物館に変わっており、
うっかり入り込んだ発掘中の遺跡で事故に遭った彼は、
頭に鉄筋が刺さって身動きが取れなくなってしまう。
『気狂いピエロ』(10)もそうですが、デ・ラ・イグレシア監督は、
当時の社会情勢も織り込むのが上手いんです。
今回ならばスペインの景気低迷を受けていて、
ずーっと失業している男が事故に遭い、
自殺と勘違いされてしまうなど。
頭に鉄筋が刺さってるとか、痛くて見てられない…!
という方もご安心を![爆笑](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/001.png)
![爆笑](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/001.png)
ロベルトはいたって元気で、
血も出ません(クライマックスまではw)。
身動き取れないロベルトの周りを、報道陣、医者、
博物館関係者、政治家、付近の住民など多くの人が
取り囲みます。
みんなそれぞれの思惑があって、ロベルトは振り回されるのかと思いきや。
彼はどこまでも家族のことを想っていて、
どうにかお金を残そうと自らをネタに売ろうとする。
そんなのやめてという妻と、聞かない夫。
やってることはコメディなんですが、
思いのほかヒュマーンドラマなのです。
こういう、色んな感情やジャンルをぶっこんでくる辺りも
デ・ラ・イグレシア監督さすが![キラキラ](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/088.png)
![キラキラ](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/088.png)
あとで駆けつける息子は、
中性的な細身、パンクスバンドマン丸出しの厚底ブーツで
なんかものすごい威圧感なのにお父さんのことを
ちゃんと想っているし、
娘ももちろん。
サルマ・ハエック演じる奥様も美しく強い。
あー、頑張りやさんのロベルトだから
こんな素敵な家族に恵まれたのね…
と
![ラブラブ](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/082.png)
納得できる家族愛が素晴らしい!
ラストは「!?」となる終わり方をして驚きますが、
それでも「なんだよ!」ってならないで満足感が残るのが
これまたデ・ラ・イグレシア監督の不思議なテイスト。
笑ってウルっとくる傑作です![ニコニコ](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/002.png)
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