こちらもやっと観てきました。
(危うく公開終わっちゃうところでしたアセアセ)

『彼らが本気で編むときは、』。
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母親と二人暮らしの小学生・トモ。
ある日母親が書き置きを残し出て行ったことで、
いつものように叔父・マキオの家に居候することになる。
ただ以前と違い、マキオはリンコという
トランスジェンダーの美しい恋人と一緒に暮らしていた。
リンコは美味しい手料理を振る舞い、トモに愛情を注いでくれる。
今まで知らなかった家族のぬくもりに戸惑うトモだったが、
だんだんと心を開いてゆく。
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性的マイノリティやネグレクトなど、一つ一つのテーマとしては
シリアスに捉えられてしまいそうなものを、
ぜーんぶひっくるめて“愛”!と括ったような優しい作品。

生田斗真さん演じるリンコさんがとにかく美しくてやさしくて、
とてつもない母性を感じるのです。
子どもの頃はトランスジェンダーで悩んでいたリンコさんが
こんな風にやさしく育ったのは、
きっとこのお母さんあってこそなんだなぁと思えるのが、
リンコさんママ役の田中美佐子さん。
こちらもまた、すべてを包み込んで
「自分の子どもが一番可愛いの」と
胸を張って言える素晴らしいお母さん…!

でもやっぱり世間には偏見も満ちていて、
リンコさんに優しくない現実も見えてきます。
そして悔しい思いをする度に、
リンコさんたちは編み物をする…。
これ、一体何を真剣に編んでいるのかと思えば!
それかよ!とツッコミたくなるようなものでしたw

でも、編んでいたものが飛び交うシーンは、
幸せなシーンすぎて笑いながら涙がつらつらと…えーん
このシーンだけじゃなく、全編通して愛に満ち溢れていて、
もうずっと泣きっぱなしでした…。

荻上直子監督のインタビューで、
「偏見をなくそう!」と声高に主張する作品ではなく、
「いろんな人がいていいよね」という確認をしたかった、
と答えていらっしゃったのですが、まさにそれ。
LGBTQを扱った作品だとか、
そんな意識は要らないのだと思います。
ただどこにでもある愛と、
人それぞれの個性をそっと受け止められるような、
そんなあたたかな作品ですキラキラ