ひとつの恋の終わり……いや、始まり? | 未知なる心へ

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統一教会入信から脱会までの日々と、脱会後の魂の彷徨。

 

 

つい先日、大晦日のことである。Yさんは前に「年末に帰ってきたら、また伺います。その時には声かけます」とラインを返してくれていたので、勤務中だったわたしは、Yさんにラインを送った。

 

 

「Yさん、一年間お疲れさまでした。職業訓練の方はもう始まりましたか? こっちは昨日から休みに入りました。正月休みも色々忙しいでしょうけど、もし時間あったらぜひ遊びに来てください~Yさんとはこの前会えなかったので、来てくれたら嬉しいです! もしこっちの方に来る機会があったら、ぜひお立ち寄りください。では良いお年を!」

 

 

てな感じで、ちょっと長いラインを送った。しばらく経って既読はついたものの、返信は来なかった。でも、いままでもYさんは、半日経ってから返信とか普通にあったので、あまり気にしないようにしていたら、約二時間後に返信が。

 

 

「お疲れ様です。今外にいます!」わたしは、外出しているから返信が遅くなったという意味だと思っていたら、続けて「少し時間あったので来ちゃいました」!!

 

 

あわてて窓の外を見るとYさんの姿が! わたしは急いで外へ出た。なんと、ラインに返信せず直に来てくれたのだ。これはちょっと想定外だった。来る前は「来たら缶コーヒーでも買ってあげて、外は寒いから中に入ってもらおうかな……」とか色々考えていたが、それどころじゃなかった。

 

 

門を開けて外に出ると、白いジャンパーを羽織ったYさんの姿が! 約半年ぶりの再会だった。マスクはしないで、メガネをかけていた。

 

 

しかしわたしは「あれ?」っと思った。わたしがYさんに恋したのは、コロナ禍が終わってマスクを外したYさんが、とても可愛く見えたからだ。しかし、いま目の前にいるYさんには、そのオーラがなかった。恋する前に、普通に事務員として接していた時のYさんと、同じ印象だった。

 

 

もちろんわたしは、Yさんに告白しようと考えていたわけではない。でも、恋した時の感情が甦れば、自分がどんな言葉を吐くのか想像できなかった。しかし、いざこうしてYさんを目の前にすると、恋愛的なアプローチをしようという思いは消えていた。

 

 

それでも、こうして来てくれて、嬉しいことに変わりはない。幸い、風もなく日差しも暖かかったので、そこで立ったまま話をつづけた。

 

 

主に職業訓練のことや、新しい生活環境のことを尋ねていたが、しばらく話したのちに思い切って「Yさん、こんなこと聞くのはあれだけど、彼氏とかいるの?」と聞いてみた。すると「去年の6月まではいたんですけど、別れちゃいました」とのこと。

 

 

その彼氏は大学の同級生で、四年程付き合ったらしい。でも「もうこれ以上、あなたのメンタルを支えることはできません」と相手に言われて、別れたそうだ。最初は落ち込んだけど、今では吹っ切れて、連絡先も削除したとのことだった。

 

 

これはチャンスである。わたしは思い切って「うちの息子、Yさんと同い年なんだけど、一度会ってみませんか?」という話をした。わたしとしては自分の恋愛というより「嫁にもらう」方に舵を切ったわけである。

 

 

でも、今のYさんは職業訓練と再就職のことで頭がいっぱいで、恋愛の方までは意識が向かないとのこと。「とりあえず今は自分のことで頭がいっぱいなので、勉強と就職が落ち着いて、気持ちが恋愛に前向きになったら……」ということで、話は終わった。

 

 

しかし、こうしてすぐに会いに来てくれたということは、恋愛対象ではないにせよ、嫌われていないことは確かだ。そのことは、素直に嬉しかった。Yさんには、また時々、様子伺いのラインを送ろうと思う。そして機会があれば、ランチにでも誘うつもりだ。

 

 

息子の件もあるけど、会っていく過程でまた恋心が生じたら、どうなるか分からない(笑) ちょっとメンヘラっぽいところはあるけれど、素直で良い娘なんだよな~。彼女には幸せになってほしいと思うし、そのための支えになってあげたいね。