リョウちゃんの帯 | 撫肩草子

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きものを着るようになって気づきました。なで肩だったってことに…


  私はこの帯を「リョウちゃんの帯」と呼んでいます。
  お太鼓で睨みを利かしている猫が、我が家のネコのリョウとよく似ているからです。リョウは、漢字で書くと両。子ネコのときに両国で保護されたからですって。何かの縁で私の元にやって来ました。黒白の八割れ、黄色の目、利かん気の顔、どれも帯の猫とそっくりじゃありませんか。

  今ではこんなに大きくなっちゃって! 帯の猫と違っているところは、リョウの尾は幸せを招くカギしっぽ、それと、鼻の先に黒いハート模様があること。
  きもの=出かける符号、なので、腕から逃れようと着地点ばかり見ていますね。

  帯の前には猫の足跡。猫の部分が切りビロードなので、寒い季節に締めています。

  先日、BSチャンネルで「小さいおうち」の映画を見ていたら、松たか子演じる奥様が帯板をしていない様子だったので、そうだ、戦前は帯板なんてしてなかったんだということを思い出し、本日、私も帯板無しで巻きました。
  中島京子の『小さいおうち』は文藝春秋で連載され、直木賞を受賞して、2010年にレトロな装丁の本になりました。小説はその時に読んでいましたが、映画の方が良かった! なぜなら、映画は松たか子さんと黒木華さんの着物姿を見て楽しめるから。