心身の健康ヘルスケア・パーソナルコーチのリアル・サイエンスドクタ—崎谷です。
サプリメント類の原材料のほとんどがインドや中国で生産されていることをお伝えしてきました。
これらの国々では、いわゆる品質管理(QC)がしっかりしていません。
わたし自身、大学院生時代にインドの病院の外科手術を見学しましたが、清潔と不潔の概念の違いに当時は驚いた記憶があります。
中国に関しては、生産工場を見学しましたが、まったく品質管理という概念はありませんでした。
サプリメント類も何種類もの違う材料を同じラインに流し、それを綺麗に洗浄していない工場もありました(つまり、その前に流した材料がコンタミしているということ)。
また自動洗浄したとしても、高濃度の塩素などの毒性物質が使用されているのではないかと懸念しています(つまり、塩素などのコンタミがあるということ)。
実は、この現状は、サプリメントだけではありません。
日本でも抗生物質という薬に関して、中国依存の状況が危惧されています。
(転載開始)
『手術ができない…抗菌薬の原料・原薬100%中国依存の恐怖 製薬各社が国産急ぐ深刻理由』9/16(月)、産経新聞
感染症の治療や予防に欠かせない抗菌薬の原料と原薬の「脱中国」に向けた取り組みが加速している。抗菌薬は供給がなくなれば適切な治療や手術ができなくなるため、まさに日本人の〝命綱〟といえる。政府は経済安全保障の観点から抗菌薬を「特定重要物資」に指定。ほぼ100%という中国依存のリスクを減らす必要性が高まっており、製薬会社が国産化を急いでいる。
■30年ぶりに生産再開
明治ホールディングス傘下の「Meiji Seikaファルマ」の岐阜工場(岐阜県北方町)では、かつて東洋一とされた高さ約11メートル、容量165キロリットルのタンクが存在感を放っている。その正体はペニシリン系抗菌薬の原料・原薬を製造するための発酵設備で、三友(みとも)宏一工場長は「ペニシリンをこの規模でつくれる工場は現時点で国内にはない。最短、最速、低コストの生産が実現できる」と胸を張る。
同社は抗菌薬の自給自足を目指す国の支援を受け、約30年ぶりにペニシリン原薬の生産を再開。年間200トンの原料生産を目標に令和7年中に本格製造に入り、12年までにその先にある原薬の量産体制の整備完了を目指している。
岐阜工場は昭和46年にペニシリンの原薬工場として操業を開始。平成6年まで製造を続けていたが、採算性の問題で事業を撤退していた。当時の従業員も事業に加わり、約140人で生産に向けた準備を進めている。原薬の国産化が実現すれば、医薬品のサプライチェーン(供給網)が盤石化する。三友氏は「社会的課題に貢献できるということで従業員のモチベーションは高い」と語る。
生産菌株を保管し、国内最大級の大型培養設備や排水処理設備を保有していた岐阜工場。これまでの設備を活用しつつ、国の補助金により最新の技術も導入した。かつては手作業で負担の大きかった原料のタンクへの投入を自動化したり、製造記録を電子化したりするなどして、若い世代や女性も参入しやすい環境を整えている。
■薬価安く採算性課題
英国の細菌学者フレミング博士によって青カビから発見されたぺニシリンは感染症の治療などに使われる抗菌薬で、「20世紀最大の発見」とも評される。内科や耳鼻科など身近な医療現場でも幅広く使われているほか、手術でも感染予防のため必要不可欠となっている。
ただ、こうした国民の生命に欠かせない存在にもかかわらず、ペニシリン系を含む「ベータラクタム系抗菌薬」の原料や原薬のほとんどを中国に依存。5年前には中国での製造上のトラブルにより長期にわたって原薬の供給が途絶える事態が発生し、ジェネリック医薬品(後発薬)メーカーの日医工が生産する抗菌薬「セファゾリン」の供給が滞り、国内の医療現場が混乱した。実際に手術が延期されるなどの事案も相次ぎ、当時臨床医を対象に全国アンケートを実施した中浜力医師は「供給不足は患者の命に直結する。あのときに国内で一気に危機感が高まった」と振り返る。
問題意識が高まる一方、この供給危機以降も日本の抗菌薬開発は停滞した状態が続く。大阪公立大大阪国際感染症研究センターの掛屋弘センター長は「医療費削減のため日本では後発薬が推奨されているが、抗菌薬の薬価は安く後発薬メーカーにとって魅力的でなくなっている」と説明。さらに近年では円安が加わり原価が高騰。採算性の問題から製造を中止するメーカーが増えているという。
掛屋氏は「中国が今後、原薬を国外に輸出しないという措置をとった場合、国内では在庫がゼロになり、感染症治療に大きな支障をきたす」と警鐘を鳴らす。
■ぎりぎりの技術継承
深刻な状況が続く中、政府は令和4年、経済安全保障推進法に基づきベータラクタム系の4つの抗菌薬を「特定重要物資」に指定し、必要な設備投資など約550億円の予算を確保。5年には国内での自給自足に向けて製造を担う「Meiji Seikaファルマ」や塩野義製薬の生産子会社「シオノギファーマ」を支援先に選んだ。
シオノギファーマは今年度以降に金ケ崎工場(岩手県金ケ崎町)で原薬の試験製造を開始する。同社に菌株を提供している北里大大村智記念研究所の花木秀明教授(感染創薬学)は「設備などももちろん大事だが、一番大切なのは人を育てること。ノウハウを持つ人が日本に残っていたことは本当に大きい。国産化できるぎりぎりの段階だった」と話す。
これまで一度も生産実績がなかったシオノギファーマでは知見を持つ60代の技術者2人の協力を得るところから技術の継承をスタートさせた。「Meiji Seikaファルマ」の岐阜工場でも当時生産に携わっていた従業員はわずか10人ほど。岐阜工場の三友氏は「あと5年遅かったら技術継承という大きな課題ができていた」と話す。
微生物の発酵で生産を行うペニシリンなどは、発酵の状況をその都度確認してタンクの中の栄養分や酸素濃度をコントロールする必要があり、こうした匠によるさじ加減が日本酒造りにも例えられる。三友氏は「今後は発酵パターンを人工知能(AI)に学習させるといったこともできたら」と期待する。
安定供給に向けて進み出した日本。ただ薬価は低く設定されており、事業継続には国による長期的な支援が求められる。掛屋氏は「国内生産を可能にした後、安定的に維持させていくためには、薬価の見直しや一部の原薬は国が買い上げるなどの対応も必要だろう」としている。
(掲載終了)
病院やクリニックで処方されるジェネリック(特許切れの薬の類似品)の医薬品だけでなく、正規の特許をもった医薬品でさえ、その主成分(Active Pharmaceutical Ingredient (API))の過半数は、中国とインド産です(India’s Road to Independence in Manufacturing Active Pharmaceutical Ingredients: Focus on Essential Medicines. Economies 2021, 9(2), 71)(『China’s Role in Global Generic Pharmaceutical Supply Chain』 GLG, February 4, 2020)。
実際は医薬品の大半は、主成分ではなく添加物です。
その添加物のほとんどは中国とインド産なので、やはり医薬品の大部分は中国とインド産といって良いでしょう。
レアメタルのような工業製品の原材料ならともかく、わたしたちの口から直接血液に流入するサプリメントや医薬品がこのような危険な状況にあることを知っておきましょう。
これからの新しい時代は、「安いからとか儲かるから」という金儲けだけでの動機は、早晩身を滅ぼすことになるでしょう(^_−)−☆。
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