プーファやリポリシスの拙著で、脂肪と糖の排他関係(糖をエネルギーの燃料にすると脂肪を使わない、脂肪を燃料とすると糖は使えない)を「ランドル効果」という言葉でお伝えしてきました。

 

「ランドル効果」が報告されたのが、1960年代です。

 

このころから、髄膜炎のような感染症で糖尿病(高血糖)になっているが知られていました。

 

中には高血糖の治療だけをして、髄膜炎などの感染症を見逃しているケースも当時はたくさんあったようです。

 

現在では、糖尿病の人が感染症になると血糖コントロールが悪くなる(より脂肪をエネルギーとして燃焼する)ことは当たりまえの現象として知られています。

 

しかし、その感染症、炎症と糖尿病などのメタボリック・シンドロームの関係は、ここ数十年の研究でようやく解明されてきたばかりです。そして、なんと脂肪そのものが炎症の場ではさらに悪化させることがたくさん報告されるようになりました。

 

 

今回(来年1月13日)は、炎症総集編としてここ数十年でかなり解明されてきた、脂肪と炎症の関係を最新の研究を交えて詳しくお伝えしてきます。

 

とくに脂肪で引き起こされる炎症をメタ炎症(メタボリック炎症)といいます。

 

 

 

炎症、インシュリン抵抗性、リポリシス、遊離脂肪酸といった現象がすべて密接に相互依存しています。今回の内容をしっかり学べば、脂肪(とくにプーファ)がすべての慢性病の引き金になっていることが明確になります。

 

 

病理学II(炎症総集編2)の内容

 

・メタボリックシンドロームがガン、慢性病に原因に

・メタ炎症(metabolic inflammation=metaflammation)とは何か

・メタ炎症の理解はインシュリンを理解することから

・インシュリン・シグナル

・インシュリン受容体基質(IRS)のブロック(現代のランドル効果)

・メタ炎症で重要な組織―筋肉

・メタ炎症研究の歴史

・プーファは本当にインシュリン感受性を高めるか?

・メタ炎症の分子機構

・活性窒素種によるメタ炎症

・高脂肪食とメタ炎症

・高脂肪食で起こる脂肪の肥大

・リポリシスはエンドトキシンやバクテリアの他の成分でも起こる

・ファスティングとメタ炎症

・プーファとメタ炎症

・遊離脂肪酸(FFA)のまとめ

・炎症の場では脂肪は危険

・脂肪酸結合タンパク(FABPs: fatty acid-binding proteins)

 

 

なぜケトン食や糖質制限のような高脂肪食も慢性病を引き起こすのか、あるいは長期的にガンを引き起こすのかも明確になります。

 

前回の炎症総集編と今回の続編で、慢性病の原因となっている「炎症」に対する根治療法も明らかになってきます。

 

 

2018年の最初の講義になります。

 

 

今までの臨床経験と知識を総結集していきますので、是非会場でお会いしましょう。

 

◆1月13日(土)東京
10:00−12:00 基礎医学完全制覇セミナー「病理学2(メタ炎症)」
会場:フォーラム8 1106室  

(渋谷区道玄坂2-10-7 新大宗ビル フォーラム8)