最新の大規模な疫学的調査(総数80,736人の26年 、48,610人の24年追跡調査)で低脂肪乳製品や脱脂乳製品を摂取するほどパーキンソン病になりやすい傾向があることが報告されました( Neurology, 2017; 10.1212)。
乳製品としては、牛乳、チーズ、ヨーグルト、生クリーム、シャーベット、アイスクリーム、バター、マーガリンをカテゴリーに入れています。
ここで私の目を引いたのは、全乳ではパーキンソン病のリスクと関連がなかったという結果です。あくまでも低脂肪、脱脂肪がパーキンソン病との関連があったということです。
(疫学的調査ですから、低脂肪、脱脂肪がパーキンソン病の原因とは言えません。関連があるとしか言えません。)
スーパーに行くと低脂肪牛乳という「成分調整もの」をよく見かけます。
私は牛乳に含まれる飽和脂肪酸が貴重なので、低脂肪は購入したことがありません。
せっかくの貴重な飽和脂肪酸の効用が低脂肪ではなくなってしまいます。
戦後米国の在庫処理で大量の「脱脂粉乳」が学校給食に導入された苦い経験があります。
なにが、苦いかというと私より上の世代の方は異口同音に「臭い、気分が悪くなる」という経験をお持ちです。
米国から大量に廃棄処分されて輸入された「脱脂粉乳」はかなり酸化が進んで傷んでいたからです。
そしてこの臭い、吐き気を催す(もよおす)原因は、二日酔いの原因と同じ種類の物質です。。。。。
脱脂粉乳は加工過程でどうしても酸化が進みます。
昨年の崎谷塾「タンパク質の真実」セミナーでお伝えしたように、どうしても牛のエストロゲンが気になる人は、脱脂乳(スキムミルク)しかないとお伝えいたしました(牛由来のエストロゲンは人体にはほとんど影響がありません)が、あまりお勧めできないかも知れません。
問題は、低脂肪牛乳には、飽和脂肪酸がなくなるだけでなく、脱脂粉乳が加えられていることです。
やはり成分調整といって人工的な加工過程(マニュピュレーション)が入るほど、食材が劣化していくのは普遍的な現象だと改めて確認できました。