ヒポクラテスは、人間の健康について4体液質説以外にもとても重要な示唆を与えてくれています。
それは
「すべての病気は腸にはじまる」
ということ。
これにまだ現代のサイエンスは追い付いていませんが、ようやく私の中でのピースが埋まりつつあります。
それが何かと勘違いされやすい「リーキーガット」という現象にまつわることです。
リーキーガットの原因の一つに腸内細菌のインバランスがあります。
そこでいわゆる「プロバイオティクス」とよばれる数種類の菌やイーストを腸に入れることで、腸内のインバランスを是正しようとする試みがなされています。
すでに腸の慢性炎症だけでなく、風邪、アレルギー、アトピー、虫歯までもが「プロバイオティクス」で改善するという報告が散発的になされていますよね。
ネズミの実験では、以前にもお伝えいたしました記憶・学習の向上、うつ・強迫神経症状の改善も認められたということでした。
また、人間ではアルツハイマー病の腸内微生物のインバランスが認められることも報告されています。
今回は、ヒトを対象にして認知機能が低下している人々にミルクにプロバイオを入れたものを12週間投与して、認知機能を調べた最新の研究結果が報告されていました(Front. Aging Neurosci., 10 November 2016)。
その結果は・・・・
プロバイオが入ったミルクを摂取したグループの方がミルクだけ摂取したグループよりも簡易テスト(MMSE)で点数の向上が前後で認められたという結果。
つまり、認知機能が高まったということのようです。
この研究で特筆すべき点は
プロバイオを摂取したグループでは炎症反応を示すタンパク質の値が低下していたことです。
そして研究者は、なぜプロバイオで体内の炎症が低下し、認知機能が高まったのかについて素晴らしいコメントがありました。
それは「リーキーガット」(そしてこれも私の造語ですが「リ―キーベッセル」)によってバクテリアおよびバクテリア成分が血液中に漏れ出して脳内に炎症が起こったということです。
(アルツハイマーは脳の慢性炎症で起こります)
脳の機能も「腸にはじまっている」のですね~
そのバクテリア成分で最も危険なものが「リポ多糖類(LPS)」とよばれるものです。
最近、「リポ多糖類(LPS)」で免役力を高めるというような無茶苦茶な一般書が出ているということを聞いて驚いています(‘_’)。
今回はこのような迷妄を払拭すべく「リ―キーガット総集編」のアップデート講義を12月9日の崎谷塾で行います。
インフルエンザのような風邪症状も「腸にはじまる」という現代医学にとってはとてもショッキングな内容を最新のエビデンスと臨床経験をご紹介しながらお伝えしていきますね(^^♪。
http://user.paleo.or.jp/seminar/5457/
植物なども同じく何等かの影響で微生物のインバランスが起こると、動物と同じ影響が出るのではないかと思っています。
人間も植物もその土壌が大切ということですね。