イチローがあれだけの偉業を成し遂げられたのは、なぜでしょうか?
イチローもプロ野球選手の中では身長・体重とも最も小さいグループに入るくらい。
それでも怪物のような大きな体をした選手よりも、寿命が長く、かつプレーに衰えがない理由。
それは心身の「しなやかさ」にあると思います。
イチローのトレーニングを見ていると、関節の可動範囲を拡げる軽い荷重で回数をこなしています。
あくまでも筋肉を硬くするのではなく、関節の可動範囲を拡げて体の「しなやかさ」を追求するトレーニング。
ここで心身の「しなやかさ」としたのは理由があります。
最近、筋トレで筋肉をガチガチに硬くているひと、あるいは筋肉が硬くなる病態(パーキンソン病)では“思考”まで固くなるのではないかという推測をしていたからです。
実際にパーキンソン病では思考が狭まることが最新の研究で報告されました(Neurorehabil Neural Repair1545968316650426, first published on May 23, 2016)。
パーキンソン病の人のリハビリ歩行中に、簡単な計算やフルーツの名前をあててもらうような“頭”を使う作業を行ってもらうと、とたんに歩行に障害がでたとのこと。
そして歩いている自分を想像してもらうように伝えたあと、脳のMRI検査をすると脳の前頭前野という思考・判断を司る部分がオーバーシュートしていたようです。
つまり、活性化しすぎて、もう機能する余地がなくなった状態。この状態は、他に何も考えられない、何もできないという“固さ”とイコールです。
私も自分の臨床経験から、パーキンソン病、パーキンソン症候群の方に限らず、関節リウマチなどでも筋肉や関節が硬くなった方は、思考も固くなっている印象があります。
プロスポーツでもやたらと筋トレをして筋肉を硬くしたひとは、選手寿命は短くなっていますよね。
これは思考も凝ることで怪我をしやすくなったり、体の感覚が鈍ったりするからではないでしょうか。
ストレスがかかって、こころに余裕のないとき。そんなときは体が固まっていますよね。
こころのしなやかさは身体のしなやかさにつながります。
そして身体のしなやかさはこころのしなやかさにつながります。
パレオフィットネスでは心身のしなやかさを大切にしていきたいと思います(^'^)。
