またまたおかしな研究論文が発表されています。


それはなんと水分を余分に摂取すれば摂取カロリーが低下するばかりか、現代医学の悪者にされている飽和脂肪酸、糖、塩(これらすべて私が最重要栄養素とお伝えしているものです(^J^))の摂取量を減らせることで健康になるのではないかという疫学的調査(Journal of Human Nutrition and Dietetics, 2016; DOI: 10.1111/jhn.12368)。


対象者から記銘方式で食事と飲料水摂取量のデータを収集(かなり不正確です(笑))。


飲料水のなかにはお茶、コーヒーなどは含んでいないということでしたが、水分量だけは摂取量として計算に入れたようです。


その結果、


水分をコップ1~3杯余分に摂取するごとに、1日68~205カロリー分を減量することができると計算。


塩分については78~235グラム、砂糖については5~18グラム、コレステロールについては7~21グラム減量できると推測しています。


だいたい、1%余分に水分摂取することで1日8.6カロリー減量できると計算。


ここまで書くだけで疲れました~(笑)


不正確なデータを元に架空の計算をしたところで何になるのでしょうか?


カロリーを減らすことが健康につながる、あるいは飽和脂肪酸、砂糖、コレステロール摂取量を減らすことができれば何をしてもよいというのでしょうか?


このような発想を極端な「還元主義」といいます。


水分というのは余分には摂取しない仕組みになっています。


それは塩分濃度、pHや浸透圧というのが体内で微妙に調整されているからです。


余分に水分を摂取すると、血液中の塩分濃度が低下しますから、強力なストレスと判断されます。

そこでストレスホルモンが発動すると・・・・

あとは負のスパイラル。

研究者もヒポクラテスの宣誓を思い出してほしいですね。


「汝、何があっても害を及ぼすことなかれ」


治療においては最低でも“場”を狂わせるような愚を犯さないこと。


これが治療の鉄則であることを忘れられては困りますね(*^_^*)。