梅毒感染がかなり増えているというニュースが流れていました。

おそらく最近の日本の急激な貧富の格差の拡大で食事を含めた慢性ストレスが多くの人々に襲いかかっているという分かりやすい現象ですね。


さて、シンバイオ、つまりプロバイオ(バクテリアそのもの)とプレバイオ(バクテリアの栄養となるもの)を配合したものが、慢性炎症疾患の代表であるアトピー性皮膚炎に効果があるのではないかという論文が発表されていました(JAMA pediatrics. 2016 Jan 25)。


2015年10月15日までに発表されたアトピー性皮膚炎に対するシンバイオティクスの予防および治療効果を検討した無作為化比較試験の論文について解析した論文です。


選択基準を満たした8試験(治療効果検討試験6件;0ヵ月~14歳の小児369例、予防効果検討試験2件;6ヵ月までの乳児が対象の1件と生後3日未満の新生児が対象の1件、計1,320例)を解析の対象にしています。

その結果、

アトピー性皮膚炎の疾患重症度評価(Scoring Atopic Dermatitis[SCORAD]指標を用いると、
治療効果については、6試験のメタ解析の結果、治療8週時のSCORAD変化量は有意に低下しているという結果。つまり、プラセボと比較して治療効果があったということですね。

予防についてもプラセボと比較したシンバイオティクス投与によるアトピー性皮膚炎の相対リスク比は、0.44(95%CI:0.11~1.83、p=0.26)と低くなっています。

シンバイオティクスは、とくに混合細菌を用いた場合と1歳以上の小児に用いた場合に、治療効果が認められるということでした。

シンバイオは、腸内の微生物の環境を整えます。特に、腸の炎症から毒性物質が血液に入ってしまう(リーキーガット)を防ぐ効果があります。

リーキーガットがあれば全身に慢性炎症が起こります。

このリーキーガットからの慢性炎症の程度はかなり個人差があります。

この個人差がどこからくるのかを昨年末~今年のセミナ―等で落とし込んで頂いています。

そしてリーキーガットのどこが本当に問題なのかはまだ詳しく説明しきれていませんので、今年中には「リーキーガット総集編」を企画してお伝えしてきたいと思います(*^_^*)。