今年は東京―福岡―大阪―シンガポールで私の研究の柱であるセミナーを開催してきました。

とくに「脂質の真実~導入扁」では、医学の教科書や一般で流布されている内容を覆す内容でしたので、いろいろと小さな反論が沸き起こっているようです(そのうち業界から大きな反論がくるでしょう)。


その反論を受講生の方にも見せて頂きましたが、学問(サイエンス)レベルにも達しない(同じ土俵にのらない)ものばかりで残念でした。。。


まずはその誤った反論に対して学問的(生化学)にお答えする前に、少し広い視野でこの問題を見ていきましょう。


この脂質に関しての研究結果はわたし自身が一番面くらっています。

というのも、医学・製薬業界さらには健康業界の流布しているエビデンスにまんまと騙されていたのが分かったからです。

何を隠そう、私自身がオメガ3信奉者であり、自分でもサプリを作って服用していたくらいです。

しかし、これがとんでもないことであるとはっきり分かったことから、サプリの在庫をすべて処分した苦い経験をいたしました(ただし、私のサプリはオメガ3単独でなく、その害悪を打ち消す抗酸化脂溶性ビタミンを入れていたのでプラマイゼロですが。。。)。

オメガ3に関しては、以前より相反するデータがあり、その解釈に苦慮していました。
しかし、それもそのはず。

歴史をさかのぼるとフィッシュオイルやシードオイル業界のロビーがいかに巨大であったか。そして、元々これらの長鎖不飽和脂肪酸は酸化されて乾くという性質からペンキや光沢料としてスタートしていたという事実を知って驚愕しました。

それが米国のテキサスの石油の発見とともに、石油にとって代わられました。

行き場を失ったフィッシュオイルやシードオイル業界の目指した新天地が健康産業だったのです。

そしてこれらの長鎖不飽和脂肪酸がサプリや食品中に混入され始めた1920年代から右肩上がりに普及して現在に至るグラフは、まさに慢性病の発症率と軌道が一致しています。

これらの長鎖不飽和脂肪酸については1960年代頃から素晴らしい研究が発表され、各方面の研究者からその害悪に警鐘が鳴らされてきました。

ところが、その警鐘をかき消すような研究内容がその後散見されるようになります。

ところが、いくら業界のバックアップで研究をしても、しっかりとしたエビデンスのあるデータが出ません(これは以前にもお伝えしたとおりです)。

そこでまた新たな神話を作り出し延命を図ろうとしました。

それが「オメガ6よりオメガ3がよい」。

さらにはそのデータの信ぴょう性に疑問が出たきたら、また新たな神話が登場しました。

それが「オメガ3のなかでもEPA,DHAがよい」。

まずこの歴史の流れをしっかりとつかんでおくことが必要です。

学問(サイエンス)は独立した高貴なものではありません。

常に時の権力に影響を受けて捻じ曲げられます。

「学問は経済に属する」と揶揄するひともいるくらいです。

そしていつもお伝えするように、エビデンスや「専門家の一致した意見」(そんなものはありませんし、専門家の意見というエビデンスはエビデンスレベルとしては最もランクが低い)というのも、その背景になにがあるのかをしっかり見ないといけないです。

特に「利益相反」については目を見張らせましょう。

利益相反を分かりやすく説明すると。。。。

たとえば原発の安全を主張する人が原発を稼動することで儲けるということです。

ある成分が体によいと言って自分にとって都合のよい
データばかりを集めて、その成分を販売するような手口です(私はこれがどうしてもできないので、自分の今までの自説を完全に否定することになってもより真実に近いものをお伝えしています)。

自分の保身やビジネスの利益を守るためにエビデンスを捻じ曲げたり、利用したり、煙に巻くような表現(「すでに決着済のエビデンスです」というような最もエビデンスとはかけ離れた表現)をしていないかには注意してください。

今回はエビデンスというものを歴史を絡ませながら少し俯瞰してお伝えいたしました。学問は横につなげて始めて霧が晴れるように見えてきます。

これはまだ学問の領域には程遠い医学に限ったことではなく、物理学、生物学なども含めてすべての学問にいえることではないでしょうか。

脂質に関しては学問的に反論に対する回答を次の機会にでもやっていきますね)^o^(。