今日は久しぶりに梅雨の蒸し暑さがぶり返しました。
風がないといけませんね。
また除湿機を復活させました(*^。^*)。


先日、職場の外科の先生から興味深い話を聞かせていただきました。

60歳の男性が40℃の発熱で来院。


諸検査の結果、炎症反応(白血球数、CRP値)が高いことは分かったものの、感染源がまったくつかめない状態でした。


検査しているあいだ、脱水を補正するためにした点滴で
歩いてウロウロするまでに回復。

しかし、何か気持ち悪いものを感じたそうです。

(長年の臨床経験のたまものですね(*^。^*)
臨床医はこの直観が一番大切だと思います)


感染源がわからないものの、細菌感染を疑って抗生剤の点滴を
開始されました。


この抗生剤はよく私も肺炎治療などで使用するポピュラーなものです。


抗生剤の点滴も終わったので、外科の先生が様子を伺いに行くと。。。


なんと全身を震わせ、意識を失っている!


慌てて血圧等のバイタルサインを測ると、ショック状態であることが
確認できました。


血圧も収縮期40台まで低下。
急いで昇圧剤を静脈内投与し、血圧を戻すも意識は完全には戻らなかったということでした(先生も心臓が止まりそうになったようです。。。)。


その後二次救急病院へ搬送となったのですが。。。




これは明らかに抗生剤投与によるエンドトキシンショックですね。
エンドトキシンとは、細菌(グラム陰性菌)の細胞壁の成分。


これが抗生剤の投与で露出して小腸(リーキーガットがベースにあった)から全身の血液に入っていたのだと推測されます。(医学用語では「敗血症」といいます。)


とくに不飽和脂肪酸とエンドトキシンの相性が抜群によいことが分かっています。きっとこの男性の体も不飽和脂肪酸リッチだったでしょう。


何百例に1例という稀な事象だとは思いますが、細菌感染があるからといって安易に抗生剤を投与(アロパシー)すると危険なのですね~



現代医療の治療(アロパシー)をする前に、まずは体の条件を整えておかないと、とんでもない二次災害が発生することを肝に銘じた症例でした。