今日のノマド&パレオドクターの格言
     「私たちの意思決定には系統的なバイアスが働く



$ノマドドクター・ヒロのブログ





今日は恒例の週末バイト日当直日。

私のバイト先は過疎地の中堅病院になのですが、
医師も高齢化しており、慢性的に医師不足で悩んでいます(ノ_-。)。

たしかに私の居住地でさえ、医師不足です。
若いドクターは都心に集中しているのでしょうね。

この中核病院では、医師の最高年齢がなんと87歳!です。
元外科医の老医師は足がわるいものの、頭はクリアーでしっかりされています。

中にはガン治療中で、酸素マスクしながら1時間かけて通勤している70後半のドクターもおられます。

そこまでして働かなければいかないのでしょうか・・・・・・・

まあ私たちの世代は高度経済成長時代に育ち、農薬・人工添加物まみれのものばかり食べていましたので、70歳まではもたないでしょうが・・・・・

そんな病院ですから、
来院される患者さんも90代後半の結構な高齢者がおられます。


今日はめずらしく3件90代の方が続いて「ふらつき」で来院、診察いたしました。

その「ふらつき」のため、顔面を打撲したり、腰骨を折ったりしています。

いずれも脳のCT検査を希望されたため、撮影しましたが、責任病巣なし。



よく問診していくと、ある共通した”事情”があることに気付きました。



その”事情”とは????




3人とも「カルシウム拮抗剤」という作用の強い降圧剤を長期間服用されていたのです。



「カルシウム拮抗剤」は、血管の収縮を阻害する薬剤。
ですから「カルシウム拮抗剤」を服用していると、血管が”緩みっぱなし”になります。

血管というのは、伸びたり縮んだりして、血液を送るゴムホースのようなもの。

そのゴムホースが伸びっぱなしといういとは、血液をしっかり遠くまで届けることができないことになります。

この3人の患者さんは、とくに立ち上がりや体の移動で”ふらつく”ということから、
起立性(体動性)の低血圧になり、一過性の脳虚血になっていると考えられます。

一般に老化現象として起立性低血圧が起こりやすくなりますから、このような状態で「カルシウム拮抗剤」を長期間服用させるのは極めて危険です。

3人とも処方されている病院やクリニックでは原因がはっきりせず、めまいの薬を渡されたとのこと。

みなさん、医者に殺されないようにくれぐれもご注意を!
(医者だけに限らずどの専門分野にも同じことがあるのだろうな~)