義理の妹の旦那さんが亡くなってから15日目の朝に

ガネーシャプジャと言うものを行いました。

 

故人はバラモンと言うカーストをよく守っている人でもあったので、たくさんの宗教的な儀式をしていました。

 

同じヒンドゥー教でも、いろいろな宗派があるので、全て同じではありません。

 

この家の場合、亡くなってから14日間は喪中としその間は普段お祈りしている神様たちにはお祈りができないため、15日目の日に家の守り神を呼び戻す儀式なんだそうです。

 

マハラシュトラ州はインドの中でもガネーシャを祀るので有名な地域です。ここでも家の守り神はガネーシャでした。

 

ガネーシャプージャに関する知識がなかったので、近くでずっと儀式を眺めていました。

 

儀式は3時間近くかかりました。

 

この長さにはきちんと意味がありました。

 

普段こうした意識は意味がわからないので、あまり見る事はなかったのですが、今日の儀式はライブや映画のようにみえました。

 

一つ一つのお供え物や飾りが何なのか、初めて認識できたので、目が離せませんでした。

 

2つの奥の祭壇から生まれたのが手前にあるガネーシャを含めた神様たちです。

 

最初に右の神様が作られ、左の神様をマントラと共に作っていきます。水や牛糞、ギー、はちみつ、お米、花、ヨーグルト、牛乳などを使います。

 

火を起こし、水でお潔めをしてお花を供えます。

 

リグヴェーダ、アタルヴァヴェーダ、サマヴェーダ、ヤジュルヴェーダから受け継がれし神々の言葉が、避雷針のようになりました。

 

お坊さんの話すサンスクリット語が聞き取りやすく、

どんなことを唱えているのかわかったのもいい経験でした。

 

全部はわからないですが、聞き慣れた単語が時々聞こえてくると興味深く聞けました。

 

ガネーシャを含む真鍮できた神様たちは、5つ選ばれました。ガネーシャ神、ヴィシュヌ神、クリシュナ神、ラクシュミー神、シヴァ神です。

 

お坊さんは、ココナッツやお米やお花、果物、ターメリックや、ギーを使って、自然の中に存在する見えないエネルギーを憑依させ、そのパワーを依代(よりしろ)、ここでは真鍮の神様たちに移しました。

 

何万年のまだ人間が存在しなかった頃からの宇宙のエネルギーをマントラを唱えながら、時計の針を進めていきます。

 

具体的には、自然界の2つの神様が結婚し、ガネーシャと他の4つの神様が生まれました。

 

長い長いマントラの時間は、まるで目に見えない何かを真鍮の神様たちに宿す様に聞こえました。

 

2人のお坊さんは、低音で、それぞれ違う言葉を唱えていますが、佳境を迎えた時、2人の息がピッタリあい、リズムが刻まれました。

 

すると、ついさっきまで物質だったガネーシャ神が、黄金に輝いたのです。

 

洗ったからとか目の錯覚とかではなくて五つの神様は別物に見えました。

 

長い時間が必要なのは、大気中のエネルギーとつながるために、一つ一つの儀式を経過しチャネルを合わせなくてはいけないからだったのです。

 

そして、最後に神様がそのプロセスを経たので呼び戻すのに成功したことがわかりました。

 

そして、後になってなぜガネーシャプージャをするのが聞いてさらに納得したのでした。

 

力が宿った神様たちは、改めてきれいな花で彩られ、飾られます。

 

家の守り神が戻ってきてくれたことを参列者全員でお祝いしました。

 

 

 ココナツは最も古い時代からの「依り代(よりしろ)の元のような存在で、お米や糸、花は媒介の役目を持っています。

 

今は、真鍮や写真などで神様を表現したものがたくさんありますが、あくまでそれは目に見えるようにするためのものだと確信しました。

 

インドは特にエネルギーが強い国です。

 

私も不思議な体験を何度もしましたが、この国では祈りのパワーがいろいろなところに影響している気がします。

 

もちろん日本にもたくさんのパワースポットがありますが、もともと静寂で澄み切った空気に対し、ヒンドゥー教は荒々しく、騒々しく、そしてパワフルです。

 

土地柄も関係しますが、日本の神様は非常に穏やかです。

 

今日も忘れられない1日になりました。

 

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