最近、コロナ後遺症の経験から、ストレス耐性が弱っているなと感じています。

 

 

時代背景や、ウイルス、生活習慣など原因はいろいろありますが、最近よく話題になる「アダプトゲン」をアーユルヴェーダと科学的な観点から調べたところ、非常に興味深かったのでシェアします。

アダプトゲンとは?ストレス対策に必要な知識

アダプトゲンの定義と特徴

アダプトゲンとは、様々な「ストレス」に対して対処できる特定のハーブや食べ物の総称です。

 

適応するという意味のAdupt(アダプト)と 生じるものという意味のgens(ゲン)の造語で、1947年に旧ソ連の科学者が発表しました。

 

当時、世界第二次大戦の敗者となった国が必要としていたのは、国民の敗戦からのストレスの軽減とその対処法でした。

 

後に、同国の薬理学者によって、さらに研究・定義づけされたものが今も使われています。

 

アダプトゲンと呼ばれるハーブ・食べものの定義は3つあります。

  1. 通常の用量をとった場合、無毒である事

  2. ストレスに対処する心因的・身体的能力をサポートする事

  3. ストレスによって生理的機能が低下した際、体の恒常性(ホメオスタシス)機能によって安定した状態に戻るのを助ける事

あくまで、アダプトゲンは自己治癒力を補助するものでこれ自体がストレスに直接的に関与するものではありません。

 

しかし、気づかない間にストレスを感じてしまう現代社会。

 

生活の中で意識してアダプトゲンを摂取することは、ストレスフリーな生活を送る一つの知恵といえるでしょう。

アダプトゲンがストレスを軽減するメカニズム

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アダプトゲンがどうしてストレスを軽減するといえるのでしょうか。

 

それは「ストレスとは何か」を客観的に理解しておく必要があります。

 

ストレスは主に大きく分けて3つの種類があります。

  1. 精神的ストレス(社会的ストレスともいう。最も現代人がかかえているもの)

  2. 身体的ストレス(筋肉痛や、猛暑、極寒などの環境がもたらすもの)

  3. 細胞ストレス(細胞に毒素やウイルスが働きかけるストレス、生理的衝撃)

とくに3はコロナに感染した場合のストレス、そして回復後も1のような厳しい環境で身体機能が低下していると考えてよいでしょう。

 

これら3つのストレスは、原因は違えど「刺激」として体の中で処理されるプロセスが一緒なのです。

 

ストレスはホルモンレベルで感知されます。体が「刺激(ストレス)」から体を守ろうとして自動的に働くシステムがあります。

 

それがホメオスタシス(恒常性)です。

 

刺激はすべて「脳」で受け止め、そして「脳」から指令がでます。視床下部、下垂体、副腎が主な場所です。

 

循環がわるくなったり、呼吸が浅くなる、または鼓動が早くなる、これらは瞬時にストレスを察知した脳が体をもとに戻そうと行う症状です。

 

私たちの体温は常に一定をたもつのも、外界からのストレスから体を守るために自動的に働く一つの機能です。

 

アダプトゲンの定義どおり、ストレスが原因の症状が改善する効果がみられるハーブや食べ物があるならば食べない理由はありません。

 

しかも1947年以降にできたこの定義に当てはまるものは、ほとんどが東洋医学、または伝統医学で使われているハーブや漢方です。

アーユルヴェーダにおけるアダプトゲンの重要性

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ホーリーバジル(トゥルシー)

アダプトゲンとは、1947年以降につけられた西洋医学と科学の観点から定義づけた新しい名前です。

 

しかし、伝統医学や東洋医学は、自然と人間の関係性や体と心のつながりを当たり前のように扱ってきました。

 

名前こそ違いますが、アダプトゲンハーブは5000年前から存在し、古代でも問題視されていたのです。

 

ストレスは昔も今も肉体的・精神的に多大なる影響を及ぼしていたのがわかります。

実証ができなかっただけで、確かに存在していました。

 

アーユルヴェーダを学ぶと、よくこういう場面に出くわします。アーユルヴェーダの理論や実践は5000年前から変わっていません。

 

ですが、現代医学やメディアでは十年に1回ぐらいのサイクルで新しい名前の「トレンド」がやってくるのです。

 

アダプトゲンもその一つです。

 

誤解がないようにしてほしいのは、アダプトゲンだから体にいいのではありません。

 

しかし、そのハーブや食べ物には循環がよくなったり、免疫力があがる結果がみられたのでアダプトゲンとして推奨されているだけです。

 

アーユルヴェーダ的にいうと、患者さんのドーシャのバランスがとれるハーブという事です。

 

特にホルモンバランスを整える効果があるハーブはアダプトゲンとして認められています。

ストレス緩和に効果的なアダプトゲンハーブ3種

アーユルヴェーダ薬で使われているハーブ(または薬)の中でアダプトゲンと認定されている主な3つは

  • アシュワガンダ

  • トゥルシー

  • ブラフミー

です。

 

似て非なりの効果をそれぞれもっており、アダプトゲンの定義1にあるように「定量であれば無毒」にも当てはまっています。

アシュワガンダの効果と摂取方法

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アシュワガンダの根

アシュワガンダ(Withania somnifera)は、古代から滋養強壮、抗酸化作用、抗ストレス作用、生殖機能向上、病後の回復薬として親しまれていました。

 

植物の根はもちろん、葉、実や種も含めすべて薬として使うことができます。

 

アシュワガンダは不安症、うつ病にも効果があるといわれています。

 

2018年には日本の理化学研究所がアシュワガンダからステロイド系ホルモン成合性物質を発見し、新薬などにも役立つと発表されました。

 

アシュワガンダを摂取する最も効果的な方法は、粉末、または錠剤を飲む事です。食後、常温かぬるま湯で飲みます。

 

注意点は、自己免疫疾患や、持病で西洋医学の薬を飲んでいる場合、問題が起こる事があります。

 

アーユルヴェーダ薬自体は無毒ですが、飲む患者さんの状態によって逆効果になる可能性は意識しなくてはなりません。

 

妊娠中の方は避けてください。

ホーリーバジル(トゥルシー)の特性と利点

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ホーリーバジル(トゥルシー)

ホーリーバジル(トゥルシー)はカミメボウキと和名がついています。これは、日本でも生息している植物を意味しており、日本でもホーリーバジル農園があります。

 

抗酸化作用、血糖値改善、抗菌作用そして主に鎮痛作用が認められアダプトゲンと認定されています。

 

集中力を高め、不安を解消する役割をもっておりアーユルヴェーダではヴァータのバランスを整えるといわれています。

 

ホーリーバジルの利点は、その手軽さです。強い香りを生かしてお茶として摂取する事ができます。

 

ストレスからくる身体的な不調は、3つのドーシャのうち「ヴァータ」が担っています。このヴァータを鎮める性質をもっているのがホーリーバジルなのです。

ブラフミーの効果・取り方

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ブラフミー(バコパモンニエリ)

ブラフミー(Brahmi) は大きく分かれて2種類存在します。

 

そのうちの一つ、バコパ・モンニエリというハーブは、フリーラジカル成分のバコシドという成分含有量が高いのです。

 

バコシドは抗酸化作用以外にもストレス時に分泌される複数のホルモンをコントロールすることができる結果があります。

 

ブラフミーは特に脳への抗酸化作用によって、古代から心臓病、アルツハイマー、糖尿病、記憶力の向上などに使われていきました。

 

さらに2003年、アメリカの保健福祉省(HHS)の研究チームによってバコパモンニエリの成分を投与したラットのストレスに対する結果が有効とみなされています。

 

つまり、科学的な証明で抗ストレス薬として認定されたわけです。

 

ブラフミーはインド名ですが、植物学上ではブラフミーは2種類の植物が存在します。

 

北インドではブラフミーの材料はゴツコラが多く、南インドではバコパモンニエリで製造されることが多いです。

 

どちらも似たような効果があるのですが、バコパには抗不安症、うつ病、神経過敏による不眠症、強力な神経鎮痛作用があります。

 

ブラフミーの効果的な飲み方は、食事の合間に決められた量を飲むことです。

 

神経鎮痛作用があるからといって、やみくもには飲めません。

 

アダプトゲンは一定量飲む場合は無毒という定義がありますが、どんなに良薬でも、度を越えると毒になってしまうのです。

アダプトゲンの副作用と注意点

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アダプトゲンの副作用

アダプトゲンの副作用はあるのでしょうか。

 

アーユルヴェーダでは「バランス」を最重要視します。それは患者さんと薬のバランスも含みます。

 

飲んだり、食べたりするだけでストレス軽減や不安感がなくなる、よく眠れるようになるなら推奨したいところですが、副作用も注意点もあるのです。

 

いい点、悪い点をしっかりととらえて上手に使いましょう。

アダプトゲンの安全な摂取量と注意事項

アダプトゲンはいろんなハーブや食べ物が認定されています。安全な量や頻度はそれぞれ異なります。

 

アダプトゲンハーブの注意事項は以下です。

アシュワガンダの注意事項

1日2回、1日の摂取量の目安は約30g。過剰摂取すると。消化器官を刺激し、アレルギー皮膚炎や潰瘍ができることがあります。

 

長期(3か月以上)の継続的な使用は避けましょう。

すでに別の薬を飲んでいる人は、その薬の効果を減少させることもあるので自己判断で飲み始めない方がいいです。

ホーリーバジル(トゥルシー)の注意事項

ホーリーバジルの1日の摂取量は、生のハーブなら900㎎、お茶なら1日1-2杯、錠剤なら1日2錠が目安です。

 

過剰摂取すると、甲状腺機能低下症につながる事があります。また、妊娠中、授乳中は避けてください。

ブラフミーの注意事項

ブラフミーの一日の摂取量は、500㎎まで。錠剤なら一日1-2錠が目安です。

 

過剰摂取すると、ブラフミーは消化器官の分泌液を増やすため潰瘍がある方は悪化する可能性があります。

 

喘息や肺気腫などの方もご注意ください。

アーユルヴェーダとアダプトゲンの関係

アーユルヴェーダは5000年以上前に存在していた伝統医学です。

 

独特な理論を元に、科学的な視点でハーブやミネラルを使って症状を軽減する方法を編み出してきました。

 

どのように摂取すれば効果があるか、何百万という臨床実験の結果が古代文献に記載されています。

 

アーユルヴェーダの治療方法を示す文献には、不眠症やうつ、痴ほう症などの症状によく似た症状が存在していました。

 

時代は違えど、心の病は昔も今もそんなに大きく変わっていないのです。

 

アダプトゲンの存在は1947以降と比較的近代のものです。当時は第二次世界大戦が終わったばかり。

 

アダプトゲンを定義したロシアン人科学者は、戦後多くの人々が深い悲しみや心に病を抱えている現状を改善できるものに名前をつけたのがアダプトゲンです。

 

不安やうつ、痴ほう症などの「症状」を西洋医学的な理論で解決を見出すか、伝統医学の自然の力を利用して解決するかの違いです。

アーユルヴェーダの実践とアダプトゲンの影響

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アーユルヴェーダは日常生活が重要

アーユルヴェーダの見解では、不安やうつ、痴ほう症などを一つのアダプトゲンで解決できるような方法はありません。

 

なぜなら、アーユルヴェーダの治療には「症状」よりも「原因」を究明しそれを取り除くことが大事だからです。

 

不安になった原因、痴ほう症の原因は人によって違います。

 

ここがアーユルヴェーダと西洋医学の最も異なる点です。アダプトゲンが云々ということではなく、アーユルヴェーダの治療はあくまでもホリスティック(包括的)に解決します。

 

アダプトゲン以外にも不安やうつや不眠症を解決する方法があります。今の時代には「情報」を読み取り選択する力が必要でしょう。

 

アーユルヴェーダ的にいうと、不安やうつになる前に、必ずもっと小さな「変化」が起こっています。

 

アーユルヴェーダではそれをドーシャのバランスが崩れている症状で表現します。

それを見逃さずに解決する事がアーユルヴェーダの最も効果的な治療です。

アダプトゲンと心身の健康

アダプトゲンは、抗ストレスだけではなく他にも利点があります。

 

  • 免疫向上やホルモン分泌の促進
     
  • フリーラジカルと呼ばれる抗酸化作用
     
  • 滋養強壮 などです。

アダプトゲンと認められているものはハーブだけではありません。

 

冬虫夏草やレイシと呼ばれるきのこ類、シラジット(昆虫の化石が含まれている鉱物の一種で滋養強壮や精力剤として用いられる)もアダプトゲンです。

 

ブラフミーはアダプトゲンとしても効果が期待できますが、ブラフミーには他にも協力な抗酸化作用を持っています。痴ほう症、白髪や抜け毛を遅らせるなど細胞の酸化を防ぐことで解決できる利点があります。

心身のバランスを整えるための具体的な方法

ストレス(刺激)は避けることができません。ストレスそのものは、人間が生きるために必要なものです。

 

問題は、どのぐらい長時間ストレスを受けるか、それによって体に備わっている「体を正常に戻す力」が損なわれたり、誤作動を起こす事です。

 

アダプトゲンを摂取する以外に、バランスを整える方法をいくつかご紹介します。

  1. 適度な有酸素運動・筋トレを行う。

  2. 呼吸法を取り入れる

  3. 瞑想を行う

この3つを兼ねそろえているのは「インドのヨガ」だと思っています。もちろん3つバラバラに取り入れてもかまいません。

 

ヨガを始める方は、いろんな理由があると思いますがこの3つを行ってくれるヨガクラスをお勧めします。

アダプトゲンを使う上での心得

アダプトゲンの定義にある「ある一定量の摂取は無毒である」という言葉の通り、どの栄養素も取りすぎていいことはありません。

 

アーユルヴェーダはこのバランスをとる方法を「投薬(食)」「トリートメント」「生活習慣」の面からサポートしています。

 

アダプトゲンはその一部だけにしか過ぎないことを頭にいれながら、ストレス対策・うつ予防として上手に取り入れたいものです。

 

 

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