三土手大介が長期休養から短期間で筋力を戻した方法 | 「ノーリミッツオフィシャルブログ」

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本日LINE@で記事を書きました。

 

本日のお題は

「三土手大介が長期休養から短期間で筋力を戻した方法」

です。

 

今回のコラムはノーリミッツ公式LINEページを登録して頂いている皆様に希望メッセージ不要で配信しております。

※通常は希望メッセージを頂いた方に記事を返信している形です。

 

こちらのブログにも公開しますので是非ご覧になって下さい。

 

 

「三土手大介が長期休養から短期間で筋力を戻した方法」

 

今は思うようにトレーニング出来ない辛い時期ですが・・・

皆さんいかがお過ごしでしょうか?緊急事態宣言が延長されてほとんどのジムが休館の中で思うようにトレーニング出来なくてモヤモヤしている人も多いはずです。

ノーリミッツも5月31日まで休館しますので、メンバーさん含めスタッフや関係者の方々には本当に申し訳ないと思っております。

しかし、今はみんなで一丸となってこの事態を乗り越えることが先決だと思います。乗り越えた後は思う存分トレーニング出来る事でしょう。

 

今回のコラムでは私が過去に長期トレーニング出来ない状態からトレーニングを復帰して短期間で筋力を戻した方法を皆さんにお伝えしたいと思います。

 

競技人生が長いので私も様々な事でトレーニングが出来ない時期というのがありました。一番の原因は怪我ですね。例えば、1994年にはバリで行われた世界ジュニアパワーリフティング選手権大会のデッドリフトウォーミングアップ中に、足の親指を骨折してしまった時があります。その怪我の巧妙で生まれたのが、私がパワーリフティング向けに考案したサイクルトレーニングです。

骨折してトレーニング出来ない時期にサイクルトレーニングの考えを確立させ、トレーニングができるようになってからは自分の身体を実験台にして精度の高いサイクルトレーニングを完成させていきました。

このように怪我をしたことがきっかけで良いトレーニング方法が生まれることもあります。

 

そのサイクルトレーニングを導入してビッグ3の記録も加速して伸び、翌年の全日本でトータル記録を一気に50㎏くらい伸ばした記憶があります。

 

昔はとにかく無茶なチャレンジ精神が旺盛だった

さてここから本題に入りますね。これは1998年の話です。まだ若かった20代の頃の私はとにかく無茶なチャレンジを繰り返していました。

トレーニング計画は綿密に立てていたものの身体の負担に対しては常にギリギリのラインを攻めていました。なので、2~3年ほど前から慢性的な腰の痛みに悩まされていた時期でもありました。症状としては完全にヘルニアだったのですが、MRI検査で正式に調べたわけでもなかったので私の中ではただの坐骨神経痛として処理してトレーニングはガンガン行っておりました。

 

そんなある日のトレーニング。トレーニングノートを見ると1998年8月5日(水)です。デッドリフトトレーニングの後にトップサイドデッドリフトを行いました。この日はなぜかトップサイドデッドリフトの調子が良くて、調子に乗った私は400㎏×5reps、450㎏×2repsというトレーニングをしていました。そして事件は起きたのです。

身体の中でなにか「ぐちゃっ」という感覚があり、一気に腰が痛くなりました。

その日は何とか帰ったのですが、そこからが大変でした。とにかくどんな姿勢を取ってもずっと痛い。いろいろな角度を探した中で一番痛くない格好は椅子に座ってテーブルにうつ伏せにもたれかかった姿勢だったので、その姿勢で過ごしました。結局三日間その姿勢でした。この時は本当に辛い三日間でした・・・。

 

これはさすがにやばいと思ってなんとか動けるようになった頃にすぐにMRIの予約を取りに病院に行きました。これは笑い話なのですが、せっかく予約を取ったその病院でいざ検査という時に、身体がMRIの機械にギリギリ入らなかったのです(笑)

という事で再度別の病院で検査を。その病院は上下の二層式のMRIで私でも入れました。そして結果は重度のヘルニアでした。まあ予想はしていましたけど。

椎間板が5個くらい潰れていました・・・。

1998年8月25日(火)が正式にヘルニアわかった私のメモリアルデーです!ちょうど誕生日の前日でした(涙)

 

ヘルニアを受け入れたトレーニング開始

そこから私のヘルニア人生が始まりました。なぜかここから復活していくという闘志がメラメラと燃えていたのを覚えています。

8月5日に痛めた以降初めてスクワットを行ったのが8月29日(土)でした。24日間足腰のトレーニングは完全休養していました。

スクワットは8repsできた自分のベスト重量の30%から開始しました。ヘルニアになる前にできていた重量は280㎏×8repsなので30%だと84㎏。ですので85㎏から始めました。重量は軽いですがベルトはしっかりと巻いて行いました。

行うトレーニングは実にシンプルです。ウォーミングアップを行い、メインセットは8reps×2setsです。その後にレッグカールとレッグエクステンションを2setsずつ。これだけです。

ここからスタートして毎週土曜日の週に一回スクワットを行って行きます。重量の上げ幅は15㎏ずつです。つまり翌週は100㎏、翌々週は115㎏という感じに。

この様な流れで11週かけてあげていきました。最後に設定する重量は今までのマックスの85%位にあたる235㎏×8repsを最初の目標としました。

トレーニングノートを見ると1set目に235㎏×8reps行っていて、2set目に240㎏に増量して8repsクリアしています。

ちなみにデッドリフトは6週目以降から軽く再開していきました。

 

ここまでがリハビリ第一段階です。第二段階としてはベストの-10㎏である270㎏×8repsを設定して6週サイクルで行って行きました。

こちらも1週毎の上げ幅は15㎏で、このサイクルからメモリセットをもう1セット追加しました。メインセット8reps×2sets行い、メモリセットとしてメインセットの30㎏アップで3repsだけを1セット行いました。

もっとボリュームを増やしてもいい感じですが、急激なボリュームアップはまた怪我につながるので慎重に行いました。

このサイクルも予定通り進めていき、6週目には270㎏×8repsの後に300㎏×3repsと初めて300㎏を3reps行うまで回復しました。

 

ベストに戻すサイクルに突入、そして日本人初の400㎏スクワットへ!

ここからは第三段階です。ベストタイに戻すサイクルの開始です。こちらも6週サイクルで行い、毎週の上げ幅は15㎏です。前回のサイクルよりもすべて10㎏上乗せして205㎏からスタートし、最後は280㎏×8repsです。メモリセットは310㎏×3repsになります。このサイクルからは補助種目としてストップスクワットも1セット追加して徐々にボリュームを上げていきました。

トレーニングノートを見直してみると最終週も余裕をもってクリアしたと記されています。ここまで持ってくるのに23週間、約半年かかっています。

しかし、重度のヘルニアからの復帰だと考えると早いのではないかと思います。

 

そしてここから更にサイクルを重ねていき、順調に地力を増やして行ったなかで、重度のヘルニアになってから11か月後の1999年7月11日(日)に日本人初となるスクワット400㎏(フルギアにて)を神奈川県松田町で開催された全日本パワーリフティング選手権大会で達成したのです。

重度のヘルニアが発症する二か月前の1998年の全日本パワーリフティング選手権大会ではスクワット380.5㎏という日本新記録を出していたので一年でヘルニアも克服しながら記録を20㎏伸ばしたことになります。

 

自分のマッスルメモリを信じよう!!

トレーニングを継続的に行っている人は一度ついた筋肉や筋力を記憶するマッスルメモリというのがあります。トレーニングを休んでも筋肉が記憶したところまでは筋量も筋力も必ず戻って来ます。

私の経験上、休んだ期間の半分くらいの期間で戻る傾向にあります。早い人はもっと早く戻る場合もあります。つまり、二か月休んでも一か月で戻るのです。

 

今はこの様な時期で本当につらいですし、自分の腕や脚などの筋肉に張りがなくなって、筋量も筋力もどんどん落ちて行ってしまうという感覚に見舞われることが多々あると思います。

トレーニングをある程度休むと当然筋肉には張りがなくなりますし、神経系統は比較的早く衰えるので筋力を振り絞る感覚も減るでしょう。しかし、先ほども述べたようにマッスルメモリがあるので正しくトレーニングを再開させていけば必ず元の状態まで戻ります。

私の様に重度のヘルニアになっても戻るのですから、皆さんはもっと早く戻るはずです。また、少し身体や関節に不調がある人などはこの休んだ時期に回復しているはずです。

 

とにかく自分のマッスルメモリを信じましょう!!

 

ただし、トレーニングを再開するにあたって注意があります。必ず段階的に重量やボリュームを増やしていくことです。一番やってはダメな事はトレーニング再開後に今のマックスはどのくらいなのだろう?というノリでマックス挑戦することです。

怪我のリスクしかないので絶対にやめた方が良いです。

 

ここで私がおすすめする戻し方を2種類述べます。その2種類は普段のトレーニングでサイクルトレーニングなどを行っていない人と行っている人で分けます。

 

最初は普段サイクルトレーニングなどを行っていない人からです。まずはトレーニングという行為に身体を慣らす期間を少し設けて、軽い重量から徐々に上げていき、休んだ期間の半分くらいに期間をかけて自分のベストよりか少し下の95%位まで戻しましょう。つまり、二か月休んだのであれば一か月かけて95%位まで戻すのです。

そこまでできたら次の段階です。次の期間ではベストタイまで持っていくようにしましょう。ここで欲を出してベスト更新という流れにしてしまうと大抵の場合つじつまが合わなくなってベストタイまでも戻らないというようなことが起きてきます。焦りは禁物です。

 

次にサイクルトレーニングなどを行っている人の場合です。普段サイクルトレーニングを行っている人はいつも自分が設定しているサイクル期間よりも2週間くらい長い期間を設けてサイクルを組んで見て下さい。例えば普段6週間でサイクルを組んでいる場合は8週間という感じに。そして、サイクルの最初の設定重量は通常だと80%位からスタートしますが、ここはもっと軽くして65~70%位からスタートして、ベストの95~100%くらいまで戻す感じで設定していきます。

そうするとたいていはそのサイクルでベストの95~100%までは戻るはずです。

 

私は13歳からトレーニングを行ってきて、その間に様々な事を経験しているので今のようなトレーニング出来ない状態で皆さんが苦しんでいることも本当に理解できます。

でもこの状況を脱して思う存分トレーニング出来る日がきて、自己ベストをたたき出したらこれまでの辛い気持ちも一瞬で吹き飛ぶはずです。

その日が来ることを信じて今は一緒に乗り越えていきましょう!!

 

この記事がトレーニング出来なくて不安に思っている皆様に少しでも役立てば嬉しいです。

 

ノーリミッツ

三土手大介

 

 

 

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