カローラNZE121のコンプレッサー取替 | バス釣り空手自動車整備…だけじゃない

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久々に仕事ネタ。

 

カローラのクーラーが急に効かなくなったと修理のご依頼をいただきました。

 

途中の撮影をしてなかったから、画像はこの1枚のみ。



 

これが何かというと、取り外したクーラーのコンプレッサー。

 

クーラーのガスを圧送する装置です。

 

圧縮されたガスは熱を持ちます。

 

それをラジエター前側にあるコンデンサーで冷やして液化。

 

液体になったガスは室内のクーラーユニットに送られ、エバポレーター内に噴射され気化。

 

エバポレーターってのはラジエターみたいな造りで、ラジエターが中を通る冷却水を送風で冷やすものであるのに対し、エバポレーターはガスが奪った気化熱(つまりエバポレーターが冷える)を利用して通過する空気を冷やす装置です。

 

気化したガスはコンプレッサーで圧縮されて、後はこれまでの繰り返しとなります。

 

大雑把だけど、冷やす仕組みはこんな感じ。

 

で、コンプレッサーは常時ガスを圧送している訳ではなく、電磁石を利用したクラッチで状況によってオンオフしています。

 

今回はその部分が何故かぶっ飛んで無くなってました。

 

貴重な(笑)画像に再登場してもらいます。



 

本来なら一番手前側にマグネットクラッチが付いてるのですが、見ての通りです。

 

お客さまに伺ってみると、

 

「そういえば、何かカチーンと音がした」

 

とのこと。

 

おそらく、その時に脱落したのでしょう。

 

マグネットクラッチだけの部品供給があるかと思ったら、この車種はコンプレッサー丸ごとでしか供給してなくて、新品定価税別11万4千円!

 

これにガス代と工賃、さらに消費税が加わります。

 

これでは負担が大きすぎるので、リビルトパーツ(中古をオーバーホールしたもの)で対応することにしました。

 

まあ、それでも安いものではないんだけど、ガス代工賃合わせて税込\79,434で済ますことができました。

 

カーエアコンの修理は、やる方にとっては非常に怖いもので、故障した所を直したら次に違う所が壊れることがあります。

 

修理した所は良くても、エアコンのシステムが丸ごと新品になる訳ではないので、次に弱ってる所に負担が掛かり寿命が来るのです。

 

また、異物が原因の場合は、配管内の異物を全て取り除くのは難しいことです。

 

だから万が一を考えて、見積で多くの部品交換が必要という店もあると思います。

 

室内側の故障では、下手したらダッシュボードを取り外しての修理にもなりかねません。

 

大工事ですから工賃は当然高くなります。

 

なかなか言いにくいことですが、カーエアコンの修理は高額になりがちなんです。