久々に仕事ネタ。
カローラのクーラーが急に効かなくなったと修理のご依頼をいただきました。
途中の撮影をしてなかったから、画像はこの1枚のみ。
これが何かというと、取り外したクーラーのコンプレッサー。
クーラーのガスを圧送する装置です。
圧縮されたガスは熱を持ちます。
それをラジエター前側にあるコンデンサーで冷やして液化。
液体になったガスは室内のクーラーユニットに送られ、エバポレーター内に噴射され気化。
エバポレーターってのはラジエターみたいな造りで、ラジエターが中を通る冷却水を送風で冷やすものであるのに対し、エバポレーターはガスが奪った気化熱(つまりエバポレーターが冷える)を利用して通過する空気を冷やす装置です。
気化したガスはコンプレッサーで圧縮されて、後はこれまでの繰り返しとなります。
大雑把だけど、冷やす仕組みはこんな感じ。
で、コンプレッサーは常時ガスを圧送している訳ではなく、電磁石を利用したクラッチで状況によってオンオフしています。
今回はその部分が何故かぶっ飛んで無くなってました。
貴重な(笑)画像に再登場してもらいます。
本来なら一番手前側にマグネットクラッチが付いてるのですが、見ての通りです。
お客さまに伺ってみると、
「そういえば、何かカチーンと音がした」
とのこと。
おそらく、その時に脱落したのでしょう。
マグネットクラッチだけの部品供給があるかと思ったら、この車種はコンプレッサー丸ごとでしか供給してなくて、新品定価税別11万4千円!
これにガス代と工賃、さらに消費税が加わります。
これでは負担が大きすぎるので、リビルトパーツ(中古をオーバーホールしたもの)で対応することにしました。
まあ、それでも安いものではないんだけど、ガス代工賃合わせて税込\79,434で済ますことができました。
カーエアコンの修理は、やる方にとっては非常に怖いもので、故障した所を直したら次に違う所が壊れることがあります。
修理した所は良くても、エアコンのシステムが丸ごと新品になる訳ではないので、次に弱ってる所に負担が掛かり寿命が来るのです。
また、異物が原因の場合は、配管内の異物を全て取り除くのは難しいことです。
だから万が一を考えて、見積で多くの部品交換が必要という店もあると思います。
室内側の故障では、下手したらダッシュボードを取り外しての修理にもなりかねません。
大工事ですから工賃は当然高くなります。
なかなか言いにくいことですが、カーエアコンの修理は高額になりがちなんです。