今宵の宿は、パートナー様に任せっきりだったので、タクシーで江の島に到着し、宿に入るまで、どこに泊まるか知りませんでした。

着いたのは、江の島にある岩本楼。

江ノ島神社のすぐ手前です。

宿に着き、ひと息ついてからお宿の洞窟風呂に入り、脱衣場で身体を拭きながら壁に書かれている説明を読んで、びっくり。

にじいろ音楽室でのボイストレーニングで、息の勢いを出すトレーニングメニューのひとつが、

《知らざあ言って聞かせやしょう》

で始まる、歌舞伎『弁天娘女男白浪』の中の『白波五人男』。

その中に、《岩本院》という言葉が出てくるのですが、それがここ、岩本楼でした（江戸時代は岩本院で、明治になって旅館岩本楼に改装したそうです）

なんという偶然。

熱心な生徒さんは、《すっかり暗唱しちゃいました》と仰るくらい練習されているのですが、私はすっかり忘れていました、、、

ここに来たのも何かの縁。暗唱できるまで練習するとするか。風呂に浸かりながら。なーんて

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青砥稿花紅彩画(白浪五人男)･浜松屋店先の場より

＜弁天小僧菊之助＞

知らざあ言って聞かせやしょう

浜の真砂と五右衛門が歌に残せし盗人の

種は尽きねえ七里ヶ浜、その白浪の夜働き

以前を言やあ江ノ島で、年季勤めの稚児が淵

百味講で散らす蒔き銭をあてに小皿の一文字

百が二百と賽銭のくすね銭せえ段々に

悪事はのぼる上の宮

岩本院で講中の、枕捜しも度重なり

お手長講と札付きに、とうとう島を追い出され

それから若衆の美人局

ここやかしこの寺島で、小耳に聞いた爺さんの

似ぬ声色でこゆすりたかり

名せえゆかりの弁天小僧菊之助たぁ俺がことだぁ！

にじいろ音楽室

馬場利英

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『白波五人男』のお宿に泊まる