私が大学を卒業し、勤めはじめた25年以上前のこと。
仕事帰りに近鉄電車に乗ったら、まあまあ混んでいる。吊り革につかまってボーッと立っていたら、向かいに座っていたサラリーマンの腕時計がパッと目に入りました。
そして、もうその腕時計から目が離せなくなりました。
どうしても欲しい、、、
ちなみに、私は今50歳ですが、この時ほどの『一目惚れ』をした経験は未だにない(←威張ることでもない)。
目を凝らしてメーカーを確認するけど判別できず。
そろそろ自分の降りる駅に近づいたけど、メーカーは分からないまま。降りる駅でも結局降りられず、そのサラリーマンの降りる鶴橋駅まで乗ってしまう。
彼が降り、私も降り、決死の思いで声をかけ、身に着けていらっしゃる時計がむちゃくちゃ格好良いこと、どうしてもメーカー名を知りたいことを伝えると、快く教えてくださいました。
そのまま近くの銀行でお金をおろし、なぜか難波まで行って、勢いに任せて買っちゃた時計。
さて、四半期過ぎ、もうすっかり身につける事はなくなり、ずっと机の上に置いてありました。
先日、ふと気になって時計屋に持っていったら、オーバーホールしたほうが良いこと、この型番のオーバーホールは、あと数ヶ月後にオーバーホール受付が終わるから、今やらないと一生オーバーホールできないと言われる。
どうせなら、もう一つ気に入っている時計も一緒にオーバーホールに出しちゃえっと思い、見積を出してもらったら、なんと10万円超え❗
つい最近オーバーホールが終わり、20年ぶりくらいに身に着けたら、腕への装着感、心地良い重さ、その全てが素晴らしい。
時を超えて、また私の腕に戻ってきてくれた時計。
あの頃のように。
にじいろ音楽室
馬場利英
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