オーストリアのリンツにある聖フローリアン修道院、作曲家ブルックナーがオルガン奏者として活躍し、ご遺体が眠る修道院へは、リンツ駅前から路線バスに乗って3~40分で着きます。


のどかな丘陵地帯の道を、縫うように走った後、ででーんと姿を表します。


到着後、運良くガイドツアーに申し込め、効率よく院内を案内していただきました。


午後からミサがはじまるという事で、ミサで奏されるブルックナーオルガンを聞いて帰ろうと言うことになり、修道院内のカフェで、ビールを飲みながらミサの開始を待ちました。





聖フローリアン修道院で半日のんびりと過ごし、少し酔っぱらいながらブルックナーオルガンを聞き、ブルックナーのお墓詣りをして以来、私はブルックナーの聞き方が少しずつ変わっていきました。





先日聞いた、バーメルト指揮の札響のブルックナーは、もしかしたら賛否両論の演奏だったかもなあ、、、と思っています。


私が学生時代聞き続けた、朝比奈先生と大阪フィルハーモニーのような、大迫力で聞き手を興奮の渦に巻き込むような演奏こそブルックナーだと思う人には、物足りない演奏だったかもしれません。





しかし私は、聖フローリアン修道院のおだやかな雰囲気を思わすような、深い祈りの中にいるような、静かな神との対話のような、あのバーメルトさんの演奏を、今でも思い出してしまいます。