ここ最近、レッスンの空き時間に、ベートーベンのピアノソナタ12番『葬送』の通し練習を毎日行っています。



全4楽章で、演奏時間は約25分間。

やっと、通して弾くことに慣れてきたところです。

今日は4楽章を弾いている途中、❮あっ、ヘブンズゲートを越えた❯という気分にさせてくれました。



演奏会や人前で弾く予定はなく、ただ全楽章通して弾きたかっただけのこの曲、実はものすごく好きな曲という訳でもない。

熱情やテンペスト、ハンマークラヴィーアソナタ、最後の3つのソナタの方が断然好き。

生の演奏を聞いたこともなく、もっと言えば、CDを聞いたり、 動画サイトで演奏の映像を見ることもほとんどない。



学生時代のピアノレッスンで、ベートーベンの別のソナタをやってくるように先生に言われ、その曲の練習合間に、パラパラ楽譜を捲っていたときに偶然見つけた曲。

ベートーベン全32曲あるピアノソナタの中でも、曲としての評価も高いほうではなく、地味な印象のある曲。



そんな曲ですが、最後の1音を弾ききった後、『ああ、この曲に出会えて良かった』と、心から思えます。



決して大袈裟ではなく、自分の人生で、最も美しい出逢いのひとつだと断言できます。そして、まもなくこの曲から卒業します。



自分が死ぬとき、走馬灯のように、思い出が頭の中を駆け巡ってくれると聞いたことがありますが、その時のBGM には、この曲は流れてほしくない。



何故だか分からないのですが、この曲は、思い出にしたくないなあニヤリ



にじいろ音楽室札幌
ばばとしひで
MAY YOU BE HAPPY