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20世紀で最も偉大な歌手の一人であると言われる、ベニアミーノ・ジーリの発声法に関する文章を読み返していたら、どうしてもジーリの歌が聞きたくなりました。


こういう時、本当に《ありがたいなあ》と思うのは、手元にあるスマホやタブレットで、すぐに動画を見られる事。


YouTubeをはじめとする、いろいろな動画サイトを作ってくださった方、画像や動画、音源をアップしてくださった方々には、感謝しかありませんニヤリ



ジーリの高音は、こうして動画でみると、少し開き過ぎているように思ってしまいましたが、キャパの大きな、例えばニューヨークにあるメトロポリタン歌劇場のような大ホールでは、最後列のお客さんまで、輝きを失わない艶やかな声を届けられたのでしょう。




そんな話をパートナーにしたら、『ちょうど読み終わったから貸してあげる』と言って、一冊の本を手渡してくれました。

ドナルドキーンさんの『オペラへようこそ』です。



キーンさんの文章の端々から、行間から、オペラへの愛が、特にメトロポリタン歌劇場への愛が止まらない、といった内容の本。文章がとても分かりやすく、一気に読んでしまいました。


日本国籍を取得した際に、後悔した事があるとすれば、メトロポリタン歌劇場の定期会員席を手放さざるを得なかった事だと言い切るキーンさん。



私は、プッチーニやヴェルディと言った分かりやすいオペラが好きでしたが、本を読み終えて、今までほとんど見た事のないワーグナーのオペラが見たくなりました。


ワーグナーは20年ほど前、大阪のホールで見た気がしますが、それが『ラインの黄金』だったか『ワルキューレ』だったかも覚えていないほど、ワーグナーへの興味関心が薄かった劣等生の私。



素敵な本を遺してくださり、本当にありがとうございます。




ヘンデル作曲
歌劇『セルセ』より
『オンブラ マイ フ』
歌:ベニアミーノ・ジーリ