朝早くに目が覚め、ゆっくり支度をする。出かけるまで少し時間があったので、久しぶりに服を着たままベッドの上で横になり、目を瞑り、静かに呼吸を感じていたら、インド北部のダラムサラの匂いが鼻を抜けた。
ダラムサラでの生活は、ただ単調な毎日だった。朝早くに起きて、ヨガと瞑想をし、コーヒーを淹れてゆっくり飲み、それからおもむろにベッドに横になり、『今日1日何をしようか』とぼんやり考える。
しばらくして、のそのそと身支度をして、向かう先は決まって、ダライ・ラマ公邸横のお寺。
ダラムサラは、1ヶ月弱滞在したほど、過ごしやすい街だったが、特に何をした訳でもない。
ある時、お寺で配られた無料の昼食をいただいていたら、急に周りがざわざわし出した。なんだろうと公邸を見ると、ダライ・ラマがお一人で、周りに護衛も付けずにひょこひょこと帰っていらした。
あまりに無防備過ぎて、ただのおじいさんにしか見えなかった。もう一度、そんな無防備なおじいさんの姿を見に行きたくなった。
無伴奏ヴァイオリンのための
ソナタとパルティータ より
『ガボット』 ギター編曲版
にじいろ音楽室 札幌
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