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昨日
大好きだった
ピアノの先生が亡くなった  と
連絡をもらってから

ずっと
地に足がついていない
感じがしています。




昨夜もブログで
先生との思い出を書こうと
何度も試みましたが

書けば書くほど
チープになってしまい
結局やめてしまいました。





最後にレッスンに伺ったのは
教員採用試験で弾くため
ショパンのバラードを
見ていただいた時でした。



ロクに弾けもしないまま
レッスンに伺うと
テクニック的な事は一切言わず

作曲家ショパンについて
バラードという音楽形態について
この曲の背景など
音楽そのものについて
たくさんたくさん教えてくださり
今でも譜面には
先生の書き込みが残っていました。




冒頭のフレーズを
雑に弾いた私に

『やだ、馬場くん
   右手のメロディーは女性
   左手のメロディーは男性

  ここは男女の会話なのよ』と

女優の秋野暢子に似た
美人だった先生に言われ
ドキッとしたこと



そのあとに続くメロディーは

『ニンフ(妖精)が
   舞っているように演奏して』

と言われたこと


バラード一曲だけでも
たくさんの教えを
いただきましたね。




先生の主催する
『かすみの会』というピアノ発表会に
たった一度だけ
出させていただいた事がありました。


ピアノの発表会なんて
一生出るつもりはなかったのに

馬場くん、
発表会に出たら
ベーゼンドルファー
(スタインウェイと並ぶ名器)
で弾かせてあげるわ

という言葉にまんまと乗せられ
演奏したのは
ベートーベン作曲
ピアノソナタ第12番
『葬送行進曲つき』。


記憶から消したいほど
散々な演奏でしたが
そういえば先生、
この曲の3楽章と4楽章を
まだ見ていただいていませんよ。

いつか真面目に
練習し直しますので
レッスンの続きを
お願いいたしますね。




生意気盛りの
高校生の時

『なぜ指番号通りに
   弾かなくちゃいけないの』 と

少し反抗した事がありましたが

先生は笑いながら


馬場くんが
弾きやすいように弾いたらいいのよ

ただね
多くのピアニストや研究者が
作品の研究を重ねて
辿り着いた答えがこれなのよ


と仰られ
ただ『指番号は守りなさい』
と言われるより
ずっと素直に
《今後は指番号を守ろう》
と言う気持ちに
させてくださった事もありましたね。




先生の演奏を
最後に聞いたのは
ベートーベン作曲の
ピアノ協奏曲  第4番でした。


出だし ピアノソロの
音色の美しさは圧巻でした。


今も頭の中で鳴りながら
先生の門下生であった事を
しみじみと誇りに思っています。




どうぞ
安らかにお眠りくださいね。






ベートーベン作曲
ピアノ協奏曲  第4番



にじいろ音楽室  札幌

札幌でボイストレーニング(発声)とボーカル(歌)のレッスンを行っています。詳細につきましては、にじいろ音楽室 札幌ホームページまで、検索お願いいたします。