録画してあった映画
『ビルマの竪琴』
を見ながら

ミャンマー南部の
モーラミヤンに滞在中
ルームシェアしていた
若いイギリス人を
思い出した


気の良い
さっぱりした若者であったが
ある日
『戦場に架ける橋』で有名な
泰緬鉄道の工事跡を含む
日本軍が残した負の遺産を
幾つか見てきたようで


観光から戻った彼は
かなり興奮した面持ちで
部屋に入ってくるなり
日本人である私を
詰り出したのだ


それまでは
英語が得意でない私のために
ゆっくりと分かりやすい英語で
丁寧に話してくれたのだが

その日ばかりは
興奮が収まらないようで
恐ろしく早口な
クイーンズイングリッシュで
日本軍が行った
悪徳行為を
いちいち非難するのだ


英語が堪能なら
英国が行った
歴史上の恥部を
ずらっと並べ
戦時中という異常時に
想像を絶するような
行為に走ってしまったのは
英国軍も同じじゃないか
と捲し立てたかったのだが

いかんせん
そこまでの語学力がなく
ただただ詰り続ける
彼の話を
じっと聴くしかなかったのだ


そう言えば
セブ島に留学中
仲良くなった韓国人たちと一緒に
8月15日を迎えたとき

『戦争なんて歴史上の事だから
   僕らは気にしていないよ
   だから
   トシも気にしないで 』と
唯一の日本人であった
私に気を遣ってくれたが


お互い英語が堪能でないため
深い話になるのを
避けただけなような気がして
なんとなく言葉を濁した事が
今でも後味が悪いままで
いるのである



《埴生の宿》



★にじいろ音楽室  札幌★


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