今朝 いつものように
朝刊を読みながら朝食を摂ったが
自分がひどく
だらしない姿勢であったことに
はたと気がつき
慌てて新聞を閉じて
食べることに専念した
食べる姿勢の悪さに
気がつくときにはいつでも
昔見かけた
一人の女性を思い浮かべる
《戦場に架ける橋》で有名な
カンチャナブリへ向かう
長距離バスに乗るため
バスターミナルのレストランで
待っていたときのことだ
私の斜め向かいに
一人の尼僧が座った
しばらくして ふと彼女を見ると
柄の長いスプーンを使って
スープを飲むところだったのだが
静謐で美しい所作に
見惚れてしまった
背筋を凛と
しかし硬直はさせず
しなやかに立て
決して頭を動かさず
静かにスプーンを
口元に運んでいるのだ
首を少しでも前に傾けることなく
体の軸は真っ直ぐのまま
スープを一口 二口と
食べ進めていた
失礼だと思いながら
その優雅な食事風景を
眺め続けていると
今度はご自分が持ってきた
おそらく檀家からお布施だろう
大量のご飯やおかずを
テーブルに並べだし
優に2人前はあろうかと思う量を
姿勢を崩さず食べ始めた
このままだと
最後まで見続けてしまうと思い
心で非礼を詫びて席を立ったが
きっと最後まで
姿勢を崩すことはなかったであろう
食べるということは
命をいただくこと
食べるということは
実に神聖な儀式であるはずなのに
毎日毎回
なんと横着な食べ方を
し続けていることだろう
その後
姿勢を正して
食べなおした朝食は
いつもの量でありながら
心地よい満腹感をもたらしてくれた。
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