このことはブログに書くつもりはなかったのだが

一度心に引っかかったことは

表に出してしまわなければ

収まりがつかないようだ

 

先日聴きに行った演奏会で

お2人の演奏姿がとても印象に残った

おひとりは 背中にまるで

鉄板が埋め込まれたかのように硬直しており

舞台上を歩く姿もぎこちなく

演奏中も身体が動かない

 

身体を大げさに揺らせば

良いと言うものでもないが

おそらく頭の支配が強い方なのだろう

あまりに制御が利きすぎており

かなり不自然な印象を受けた

 

もう一方は弦楽器奏者であったが

腰が真っ直ぐに立ち

その上に上体がきれいに乗っており

力強さとしなやかさが共存しているその姿は

もはや芸術作品のようであった

 

同じ会場で 以前

ピアニスト ルイサダの演奏を見たことがある

おそらく体調 しかも精神的な体調を崩されていたのか

楽譜と譜めくり用のアシスタントを携えて舞台に現れた

その背中はまるく歪み

まるで生気が感じられなかった

演奏もただ弾いている といった感じで

伴奏オーケストラとも調和せず

そのまま音楽が進行していったが

たった一音

たった一音だけが光り輝くように響き渡り

その時だけは 身体が天地を貫くかのように

真っ直ぐしなやかに立った

 

誰にも真似出来ない素敵な音色と 

その音をつくり出す身体を持っているのだから

必ず健康を取り戻し

今までにも増して素敵な演奏家になっていただきたいと

勝手な願いを込めて

拍手の少ない会場で

ひとり大きな拍手を送った。

 

 

★にじいろ音楽室 札幌★

札幌でボイストレーニング/ボーカル指導を行っています。

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