12月の読書記録 | Daily のこちゃん

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いつもは会えなくなった人とも、つながっていられますように!

 あけましておめでとうございます。

 1月って、月が変わるだけなのに、すべてが新しくなって…。まだ上旬なのに12月のことを書くなんて、前の夜に飲み残したビールを朝になって飲むようなむなしさがある・・・。


 でも記録なので、まあ。


①「善き書店員」木村優介 ミシマ社

 

 大好きなミシマ社さんhttp://www.mishimasha.com/ からの本。

 インタビュー術を学びたいと思って買ったんだけど、読み入ってしまいました。

 本を読者に届けるっていうのは、作者も編集者もそうだけど、書店員さんの努力も凄いんだなって思いました。仕事の対象に愛情を注げるというのは、幸せなことだけど、それで生活できるっていうのはありがたいこと。何度か紹介されている、生活がぎりぎりの書店員さん・・・、それでも仕事を誇りに思えるっていうところに凄みを感じました。

 こうやっていろんな人の手を通って届けられる本・・・。大事に読もうと思いました。

 これは電子書籍にはない、本の価値だよな。


②「ひとの居場所をつくる」西村佳鉄哲 筑摩書房


 一昨年のブーム、西村さんの本なので買いました。

 「居場所づくり」とか「ひとが集まる場所をつくる」というのが、ちょっとやってみたいことではあるのです。

 ひとや地域を巻き込んで、場所につながるライフスタイルを創造している、田瀬理夫さんにインタビューしています。

 ぶれない自分があって、かっこいい・・・。


③「十五歳の寺子屋 ひとり」吉本隆明 講談社

 先月、ばななさんの「すばらしい日々」がとってもよくて、その表紙がお父さんである隆明さんの手帳だったので、買ってみました。「共同幻想論」とか「言語にとって美とはなにか」は、まだ読む気にならないので(笑)。図書館で借りて読んでみようかな・・・。

 吉本さん、子どもたち相手に、ホントに飾らないで真実を語ってらっしゃると思います。

 今度担任するとき、学級文庫に入れよう。


④「絵と言葉の一研究 『わかりやすい』デザインを考える」寄藤文平 講談社

 「わかりやすい」ということが、その是非を含めて今のテーマなので、読んでみました。

 勤務先の学校の美術の作品で、「自分のロゴマークをデザインする」っていうのをやってて、いつも面白いなって思うんですが、デザインって、思考だねー。

 

 わかりやすいっていうことがもてはやされて、1を聞いて10知ったような気になってしまうことも多い昨今ですが、時にはじっくりわからないことと格闘してみたいもんです(やっぱ「共同幻想論」か?(笑))

 


⑤⑥「獣の奏者 1闘蛇編」「獣の奏者 2王獣編」上橋菜穂子 講談社文庫


 野生生物の保護活動に携わりたいという生徒に貸してもらって読みました。

 普段読まないファンタジーなんだけど、いつのまにか自分の運命が誰かに操作されていたり、・・・っていう、なかなかに面白いストーリーでした。主人公は苛烈な運命に翻弄されるんだけど、ちゃんとした大人もいるんだよね。そこがとてもよかった。

 NHKでアニメ化もしてるみたいですねー。


⑦「田舎のパン屋が見つけた『腐る経済』」渡邊格 講談社

 今、ア○ゾンで西村さんの本を検索したら「よく一緒に購入されている本」として、この本が出ていました。あと、今パパが注目している馬場正尊さんの本。つながってるなぁ。


 この本の中にも、平川克美さんが紹介されていて、私たちの考える「次世代」の本だなって思います。


 昨日学校で、去年の明治大学全学部入試問題を解いたんだけど、問一がまさに「人類の歴史は拡大期・定常期を繰り返してきたが、地下資源を使って拡大してきた近代は、定常期に移行せざるを得ない。しかし、定常期こそが、文化が発展する時代」という内容で(誰の文章だったかな)、やっぱりそうだよなーって思いました。この本の話、生徒にもした。


 これからの日本を支えていくひとたちが、少しでもこういう視点を持っててくれたらなって思います。


⑧「帰れぬ人びと」鷺沢萠 文春文庫

 実家で、学生の頃に読んでいた本を見つけて読んでみました。

 ホントに天才。鷺沢さん。うらやましすぎる才能。

 でももう新作は読めない・・・。

 時々大事に出してきて、読み返したい人です。

 

⑨「孤高の人」瀬戸内寂聴 ちくま文庫

 湯浅芳子さんというロシア文学者の評伝。

 宮本百合子との同棲とかその辺のドロドロや、湯浅さんのすさまじい人柄について、エピソードをちりばめて記されています。

 「文学」っていうものが、瀬戸内さんの時代から変わったんだなーって思う。

 自分の不倫さえも、小説にしちゃうこの人たちの時代と今と。現実=作品っていう、自然主義の流れっていうのは、日本には根強かったんだなぁ。

 その流れが変わったのって、いつ頃なんだろう。何がきっかけだったのかねぇ? 


⑩「道行く人たちと 宮本輝対談集」宮本輝 文春文庫

 今はもう「大家」っていう感じの宮本さんの、芥川賞受賞後数年に行われた対談集。

 当時は、いまの私くらいの年齢でいらしたので、・・・勢いがあるというか青いというか(笑)で面白い。

 宮本輝作品の原点がわかる。

 「五千回の生死」を読み返そうと思って、実家の枕元に置いといたけど、元旦・二日と本屋に行ってしまったので、今回はタイム・オーバー。次回の帰省で読もうと思います。


 

 実家にいたので、後半たくさん読めました。

 ひさしぶりに10冊行った!

 2013年は、「読書」としてカウントした本(マンガ除く)は85冊でした(^^;