①「安心のファシズム―支配されたがる人びと」斎藤貴男 岩波新書
「監視カメラに興味があるなら、この本だよ」
と勧められて、去年から積読していた本。やっとよみました。
こないだ、生徒が法政大学の去年の問題を持ってきて、「人間には自由でいたいという本能と、支配されたいという本能がある」ってあって、「群衆は自由でいたいって思ってるのに、自分たちを支配する権力者を、自分たちで(自由に)選んでいると思うことによって妥協している」みたいなことが書いてあってなるほどと思いました。支配されたいのも、本能なんだなー。
②「ぼくらの脳の鍛え方 必読の教養書400冊」立花隆×佐藤優 文春新書
「知の巨人」と呼ばれるこの二人の、このタイトルにクラクラっときて、図書館で借りました。
む、むずかしすぎて、必読って言われても・・・(泣)
とりあえず、読みたい本を何冊かメモしました。機会があったらこの本を買って、勉強しなくちゃって、にらみをきかせといてもらおう(笑)
読書の心構えとか、勉強の仕方とかいう意味でも刺激的な本でありました。これを読んで「うん、そうそう」とか、「そうきたか!」と思えるようになりたい・・・。
③「種まく子どもたち 小児がんを体験した七人の物語」佐藤律子編 ポプラ社
看護系を目指している生徒さんが小論文添削を持ってきたりもするので、読んでみました。
私なんかの知らない現実があるんだ。
まだ小さいのに、大きな病気を抱えて、それでもどの子も、哲学者みたいな言葉をのこしてることに、やっぱり生きてるっていうだけで、すごいことなんだって思うし、いのちを見つめるっていうことは、人を大人にするんだと思いました。
④「社会派ちきりんの世界を歩いて考えよう!」ちきりん 大和書房
人気ブロガーの本だそうです。
「社会派」っていうほどのことではないけど、軽い読み物としては面白かったかな。
一人称が「ちきりん」なのが、ちょっと・・・ブログっぽい。
⑤「うさぎの行き当たりばったり人生」中村うさぎ マガジンハウス
佐藤優さん(この人のおススメには、軟が時折混ざってる)が、この本じゃなかったけど中村うさぎの本を勧めていたので、借りてみました。買い物依存症の人って、こうなんだー。
バリバリバブル世代の人なので、ご自分の病気(と言っていいでしょう)と、時代を絡めてちょっと考察なさっていました。バブルって、「自分って何?」という意味での「バブル」でもあったのか・・・。
⑥「つむじ風食堂の夜」吉田篤弘 ちくま文庫
本の装丁の会社、クラフト・エヴィング商會の吉田篤弘さん。こっちの方でお名前を存じていたのですが、初めて小説を読みました。多彩でうらやましい!本の装丁と同じ雰囲気の物語です。
なくしたものが丁寧に描かれるのに、いまの話なのー。
自宅の最寄り駅の前に、小さな食堂があるんだけど、私の中の「つむじ風食堂」は、ここのイメージ。
この本を読んだ翌週に遊びにきてくれた、ちーちゃんと一緒に行きました(^^)
⑦「さらさらさん」大野更紗 ポプラ社
「困ってるひと」とは全然違う本でした。専門的だし。
大野さんが当事者としてだけではなく、研究者として活動なさっている様子がいろんな人との対談を通じてよくわかりました。
最後には大野さんおススメの本のポップがあって、こちらも参考にさせていただきます。
⑧「舟を編む」三浦しをん 光文社
普通に面白かったし楽しめました。辞書をつくるということの大変さとか、時間をかけて大きな仕事をやりとげることが描かれています。
ただ、小説の世界がマンガ的というか・・・。
この帯にあるマンガだけで、どの人がどういうキャラかがだいたいわかるというものですが、・・・その通りなんだよなー。良い意味での裏切りがなくて、そこが残念。話し方とかもステロタイプで、それもマンガ的。
図書館の本を借りたのですが、この帯がくっつけたままカバーがつけられていて、この本の装丁は、内容とすごく関わっているので、この帯はいらないなって思います。
個人的には、マンガを読んだと思えば、文句のつけようがない作品!