私は整理整頓が苦手だ。


それはおそらく自分の変な特性によるものだと思うのだが、ピシッと整理整頓することが苦手で、自分の使いやすい位置にあれこれ置いてしまう。そして物を捨てることも苦手だ。


ゴミ捨てはちゃんとしている。きちんと分別もするし、ゴミを放置するようなことはしない。ここでいう物というのは、昔に買ったものだとか、人から貰ったものとか、そういうもののこと。


思い入れや思い出があるものを捨てるというのが苦手で、なかなか捨てることができない。洋服であれば「あの時すごく気に入って買ったんだよなぁ」とか「結構高かったよね」と思うと、もう全然着ていないのに捨てられず、衣替えの度に思案する。


同様に誰かからもらったもの、誕生日プレゼントだとか何かの時にもらったものや手紙もなかなか捨てられない。捨てることにひどく罪悪感を感じてしまう。もう疎遠になって会わない人からもらったものですら、なかなか捨てられないのが悩ましい。


例えば、中学生頃に友達からもらったものを最近まで捨てずに持っていた。相手が自分のために送ってくれたものだと思うと、それを簡単に捨てることができなくなる。捨ててしまったらもう二度とそれを取り返すことができないから。おそらく私は人と比べて情が濃すぎるのだ。


こういう性格のため、家の中に物が増えてしまう。広い家に住んでいるなら別にいいが、自分はいま狭い借家暮らしのため物が増えると困る。本や雑誌、漫画などの書籍類が増えて置き場所が無くなり、いい加減に片付けをしないとまずいと焦り出した。このままではゴミ屋敷まっしぐらで、自分が突然死したら家族に迷惑がかかる。


気に入って買った洋服も、直近の数年で着ていなければ思い切って処分することにし、他の不要なものもこの際に思い切って捨てることにした。


捨てると決めても、いざとなるとやはり迷う。

本当にいいのか?捨てたらもう戻らないぞ。

自分の中で激しくせめぎ合い、初志貫徹で処分する。



それを捨ててしまっても、それはかつて確かにあって、ちゃんと覚えている。それはいい思い出だ。だから大丈夫だと考えることにした。それまでずっと大事にしてきたのだし、もう十分だ。


人からもらった物に関しても、あげた方は私にそれをあげたことすら覚えていないかもしれない。自分はいつ誰に何をあげたかなんてはっきり覚えていないし、相手だってきっと同じだろう。だから必要以上に捨てる罪悪感に苦しむことなどないと気が付いた。終戦に気付かず長年一人で頑張った横井庄一さんのように、自分一人で過去に囚われなくていい。時は流れている。



何かを失って何かを得る


これは昔ある時期によく言われた言葉だが、場所を空けないと新しいものを置く場所がないという意味なのかな?思い切って捨てた物の代わりに、新たないい物がやってくるといいな。


ん?待てよ

それだと結局、物が減らないんじゃ…??

(ノ∀`)


そこは深く考えないことにして、もう不要な古いものは処分して断捨離しよう。古くても、自分にとって大切な思い出のあるものは捨てない。捨てなくていい。


どうしたって捨てられない、捨てたくないものがあるとしたら、それは自分の宝物なのだ。

大事にしよう。