映画鑑賞の記録。


ポイントが溜まったので映画を見てきた。



https://www.theson.jp/


ヒュー・ジャックマンさん主演の「The Son」という作品。日本語で言うと息子。父と子のお話。


ある日、ピーター(ヒュー・ジャックマン)の家に突然元妻が訪ねてくる。彼女は切羽詰まり、慌てた様子でやってきたのだが、ピーターには再婚した妻と生まれて間もない赤ん坊がおり、急な来訪に困惑し後日話を聞くと彼女を帰す。


数日後に二人は会って話をする。その内容は、息子のニコラスの様子がおかしいということだった。彼は学校に行っていないと聞かされる。一度会って話をしてほしいと懇願され、ピーターは息子と久しぶりに対面する。


なぜ学校へ行かないのか、学校で何かあったのかと問うても彼は口籠もり、きちんと答えない。彼が懇願したことは一つ。「パパと一緒に暮らしたい」ということだった。息子のその訴えに怯みつつ、彼の腕の自傷跡を見て受け入れを決意する。


ピーターの若く美しい新妻は、寝つきが悪くて夜泣きをする赤ん坊に手を焼いており、夫の要望に難色を示すも、仕方なく義理の息子との同居を受け入れる。彼らの新居に彼が越してきて、新しい学校への入学手続きを済ませ、ニコラスは少しずつ回復しているように見えたのだが…



映画はこのように始まっていく。


主人公のピーターはやり手の弁護士で、次期大統領選のスタッフにスカウトされるほどの実力者。自信に満ち溢れている。彼は結婚中に今の妻に出会って恋に落ち、家庭を捨てて家を出た。それは彼にとっては仕方のないことで、もう済んだこと。ビジネスマンであり、弁護士の彼はそういう面でドライ。


しかし捨てられた側はそうではない。元妻も息子もその事で深い傷を負った。父が自分達を捨てて出て行った事実、それを嘆き悲しむ母を見て苦しみ、そのことが彼の心を蝕んだのは一目瞭然。しかし当事者はであるピーターはそこに気付けない。


そのため、学校で何かあった息子は自信を取り戻せば元に戻ると考える。彼がまだ幼い頃、恐れを超えて海を泳げた時のように。それを超えたら成長できると考えて、息子に対してそう導こうとする。


人は皆同じではなく、自分ならば出来るから、過去に出来たからといって同じようにはなれない。父と子のこの考え方のズレ、息子が抱える心の痛みを理解できないことが彼らを悲しい方向へ向かわせていく。非常に重く、苦しいストーリーだった。


そしてこの映画は私がよく書いている、「こうなってはいけないものに人はなってしまう」を書いた話でもある。親のピーターの方にも、その父との間に傷がある。


どうすればよかったのか、何を諦めたらよかったのか、誰が我慢すればよかったのか。鑑賞後に考えてみたけれど答えは出なかった。それぞれが自分なりに考えて動いた結果で、誰も悪くない。


こういうことは誰の人生にも一度はあるのではないか。誰が悪いとは言えない、どうしようもないすれ違いによる苦難。だから人生というのは苦しい。


この映画を見て得た教訓は、自分が出来たからと人に同じことを求めないこと。私は不出来な人間ゆえ既に過去にやってしまっているけど。相手が誰であれ、他人は自分と同じではないことを忘れずにいたい。


そして自分の幸せは、誰かの犠牲や痛みの上に成り立っているかもしれないことも忘れてはならない。何か重要な決断をする時は他者への配慮を忘れぬよう、関わる相手がいる時はきちんと向き合って互いに納得できるよう努力したい。そこを省くと、この映画のように後々悔やむ事になる。利己的にならず、思いやりを忘れないことが大事。


映画はピーターが自分のした事に気が付き、悔やんで終わる。だが現実の人生というのは、自分の失敗に気付いた後、挫折した後からが本番ではないかなと私は思う。それで終わりではなく、そこからどうするか。


失敗や間違いのない人間などいない。傷を受けることもあれば、誰かを傷つけてしまうこともある。私なんて失敗だらけで、死にたくなるようなこともしょっちゅうある。余計な事を言い、書き、分かっているはずなのにまた繰り返したりとか。


どんなに苦しくても人生は続き、そこから先は本人次第。超えられるか超えられないかもその人次第。だから生きるというのは修行みたいなものに思えてしまう。


重すぎて、見終わった後にグッタリしてしまった。こういう映画なので強くおすすめしませんが、家族関係に悩む方は見ると何か気付くことがあるかも。もしよかったらご覧になってみてください。



これを見て落ち込んだ方は、同じヒュー様主演のこちらをどうぞ。落ちた心がグッと上がります。


今日から新年度。

今週も頑張りましょう。

よい一日を。

(*・ω・)


https://ameblo.jp/nokkopanda/entry-12789646657.html