見たい見たいと思いつつ、チケット争奪戦に敗れ続けてまだ見ていなかった「タイタニック3Dリマスター版」を公開最終日に駆け込みで見てきた。





都心では取れなかったので郊外へ。

運良く休日の朝9時半からの回が取れて、休みなのに二度寝せず早起きして映画館へ向かった。


予約した時は半分ぐらい空いていたのが、行く前に再度チェックするとどの回も売り切れ。満員ではなく、間引きして客を入れているせいかもしれないけど、人気なのは間違いないみたい。


3時間超という長丁場の作品。トイレやパニック発作などの不安もあり、万一に備えて一番通路側の外に出やすい席を選んだ。前夜夜更かしして寝不足だったものの、何事もなく鑑賞終了。


超有名作品だからストーリーの詳しい説明は割愛。若い頃のレオナルド・ディカプリオはやはり美しかった。今はだいぶ貫禄が出て顎まわりが逞しくなり、イケメンと言われてもあまりピンとこないが、この時の彼はキラキラ光っている。それだけでも大画面で見る価値がある。


経済的に傾いた実家の暮らしを立て直すため、金にものをいわせる男と婚約している籠の鳥のヒロインローズ、貧しくとも将来に希望を持つ画家志望のジャック、二人の束の間の儚い恋。いつの世も人は自分と違う世界に住むものに惹かれる。


そしていつの世も上流階級と庶民がいて、非常事態になると人はなりふり構わずエゴを振り回す。悲しいけどそれはこの先も変わらないだろう。そんな無情な世界でどう生きるか。そういうことを考えて見た。


私の理想は、ローズじゃないけどお金や地位で相手を選ぶのではなくて、自分が心から尊敬できる人と愛し合って共に生きたいかな。死ぬ時は何も持っていけないし。



この映画が公開された1997年、私はまだ高校生で実家で暮らしていた。タイタニックは当時もヒットしていたけれど地元には映画館が無く、これまでこれを劇場で見た事がなかった。だからこのチャンスを逃したくなかったのだ。


私の地元は本物の田舎。家から徒歩圏内にコンビニもない。実家にいた頃は携帯の電波も入らなかった。駅前から家の方に行く最終バスが夜7時、夜は真っ暗で、夏はカエルの声だけが賑やかなところ。


若者の娯楽は恋愛。アメリカドラマのように前の彼氏や彼女がどこの誰か分かるような狭い社会。地元で就職して結婚し、子供を産んでおばさんになったら今度は他人の噂話が娯楽になるであろうその田舎は、私にとって夢も希望も無かった。映画のヒロインのローズと同じく、予想できる未来を想像すると気が狂いそうだった。


高校時代は家も居心地が悪く、私はいつも自由を求めていた。自由を渇望し、海に身投げしようとしたローズの気持ちは理解できる。


上京してから今年で25年。

あれからもう四半世紀経った。


好きな時にふらっと映画を見に行く事ができ、夜も明るくて、コンビニはどこにでもある。国内海外、どこへでもすぐ行きやすい便利な東京が好きだ。私を形作ったのは故郷だが、今はもう東京の方が自分の居場所だと感じる。


相変わらず私には地位も財産も無く、これというものは何も持っていない。でもあの頃渇望していた自由を得たことは幸せ。今は特に自由だし。


私は田舎にいた時からずっと夢見がち。死ぬまでの間にジャックとローズのような一生ものの愛に出会えたらいいな。駆け落ちしてもいいと思えるほどの愛に出会ってみたいものだ。


タイタニックの劇場公開は終わりましたが、懐かく思う方はネットレンタルやDVDでご覧になってください。きっと公開当時の思い出も蘇りますよ。


今週も一週間お疲れ様でした。

よい週末をお過ごしください。

(*・ω・)