少し前に書いたこの記事
これを書いたあと、ハワイの景色が見たくて、初ハワイ時の写真データを探した。
ハードディスクに入れたか、CDに焼いたつもりだったのに、どれだけ探しても見当たらない。
昨年引っ越しをした際に現像した写真のアルバムをほとんど処分したのだが、どうやらそのアルバムの中にCDが入っていたんだと思う。おそらく気付かないうちに捨ててしまったのだろう。
記念すべき初めての海外旅行であり、自分の結婚式のハワイ旅行の写真なので非常に残念。花嫁姿の写真は衣装合わせの時の物が一枚だけあるが、本番のは私の手元にはもう無い。
式の写真なら親も持っているにせよ、ダイヤモンドヘッドオーシャンビューのモアナサーフライダーの写真も、ワイキキビーチの朝晩の景色の写真も見られなくなってしまってショックだった。
中でも見たかったのはカウアイ島へ一日観光に行った時の写真。カウアイ島はハワイ島やマウイ島に比べてマイナーなので、オプショナルツアーで行く人は少ないと思う。以前に祖父母がカウアイ島一日観光へ行き、「ハワイ島より面白かった」と話していたのを聞いて行くことにした。
カウアイは鄙びた島で派手な観光名所はない。「ワイメアキャニオン」というミニサイズのグランドキャニオンのような景勝地や、潮吹き岩、滝などをバスツアーで見て回った。見どころの一つである「シダの洞窟」は大雨で一部が崩れているとかで行けなかった。
↓当時買ったカウアイ島のガイド本
ハワイの情報を発信している「へなちょこしゅん」さんの本はどれも面白い

自然が多くていい島だったが、一番記憶に残っているのが当日案内してくれた日本語ガイドさんのこと。結婚してカウアイに住んでいるという還暦過ぎの女性で、淡々とした説明の中に時折混ざるアメリカンなブラックジョークが面白かった。
ガイドさんによると、アメリカでは何十年も連れ添う夫婦など滅多にいなくて「天然記念物並」なんだそうだ。そんな話をしつつ、私たち夫婦に向かって「挫折しないようにお幸せに
」などと言ってツアー参加者の笑いをとっていた。

ガイドさんは移動の合間に葉っぱでブレスレットとリングを作ってくれていて、参加者の女性にプレゼントしてくれた。私に一番最初に渡してくれて「結婚おめでとう」と言ってくれたのが忘れられない。
器用に編まれたブレスレットはワイキキに戻っても捨てられず、部屋で乾燥させて日本へ持って帰ってきた。そしてそれは未だに手元にある。この前写真データを探していた時に出てきたのだ。
残念ながら結婚生活も終わり、写真も無くなってしまったけど、これだけは残っていた。出てきたものを見て、これがあれば十分かなと思った。
思い出はちゃんと胸の中に残っているし、ハワイで撮った写真の構図も何となく覚えている。形としては無いけど、全部消えたわけではないように思う。
大切な物は形がある物だけではない。
形にない物、目には見えない物だって大切。
思い出であれ、人から受け取った優しさであれ、目には見えない。言ってしまえば、愛情や信頼だって目には見えないもの。形ある物だけに捉われないよう、そこに縛られないようにしたい。
前にも書いた通り、コロナが終息して海外旅行が解禁されたらハワイに行きたい。ワイキキのあるオアフ島にも行きたいけど、自然豊かでのんびりとしたカウアイ島で何泊かしてみたい。きっとすごく癒やされると思う。
あのガイドさんは年齢的にもう引退されているかもしれない。もしまだ現役だったらミラクルだし、それこそ「天然記念物」なのになぁ。お元気でいてくれることを願う。