計画をねりねり・・・・・・。 -3ページ目

計画をねりねり・・・・・・。

思いつくままにオッサンが、Negicco、WHY@DOLL(ほわどる)を筆頭とする音楽、そして映画や読書のことなどをゴチャゴチャと。

2017年8月4日(金)に発売となる「Negiccoヒストリー Road to BUDOKAN2003-2011」発売記念サイン会をタワーレコード新宿店で開催します!

■日時:2017年9月19日(火)20:00
場所:タワーレコード新宿店7Fイベントスペース
内容:サイン会
(ライブはございません)

<特典会参加方法>
ご予約者優先で、2017年8 月4 日(金)発売(書籍「Negiccoヒストリー Road to BUDOKAN 2003~2011」(Tシャツ付き特別版、通常版)をご購入頂いた方に先着で『ネギ券』を差し上げます。

 

 

 

 

発売と同時にタワレコ新宿店でTシャツ付特別版を購入し、ネギ券を確保していた。

当日は残業となってしまっていたのだが、ネギ券が枯れたという情報を見ていたし、20時という比較的遅い開始時間だったため、終了までには少なくとも2時間は所要時間が必要だろうという見込みがなんとなくあったので、あわてることなく会場へ出向いた。

 

 

 

 

店舗に到着しその最後尾に並ぶことができたのは21時10分、自分の前にはまだ50名以上の方々が列をつくっていた。

ほぼ予想どおりであったし、自分の順番がくるまでにおそらくは1時間近くかかることが予測された。

ライブを行わなかったせいだろうか、淡々と列は進んでいた。

列は淡々と進むのだが、進むにつれ自分の中では小さな葛藤に火がつき、それがゆっくりと、だが、確実に燃え広がっていった。

それ自体、こちらに対してさほどの困難を要求してくるものではなかったし、ただ一度だけの決意を必要とするものだったのだが、その決意するにあたっての選択肢が複数存在していることによって、それに伴って決意を迷わせる要素がやや複雑化しているのだった。

 

 

一人の方へのサインが終わるたびに、自分の前からは一人分の列が短くなってゆく。

それを落ち着いたペースで繰り返す。

並んでいる列の、ちょうど前方壁面には大きなモニターが設置されており、その画面からはサインを行っているNegiccoの3人のメンバーと、サインをもらっているファンの方々が眺められる。

それを見入っても、解決できるヒントは得られなかった。

 

 

自分の待つ位置が、列の折り返し点を残すところ1ヶ所の地点となった。

つまり、待ち列はあと2列、ということは約20番目の順番になったということである。

ここに来てようやく、1列目の人波の隙間からサインを書いているメンバーの手元が、かすかに覗けるようになった。

もちろん、メンバーの手元も拝見したいのだが、それ以上に確認したいのは、その手元に握ったマジックペンがいったいどのページの上を走っているのか、ということだった。

そうなのだ、ご存知のようにこの書籍、巻頭カラーグラビアが充実している。

さらには巻末に、こちらはモノクロになってしまうのだが、メンバーひとり一人をアップした画像も掲載されている。

つまり、サインを書いてもらうための候補となるページが複数存在し、しかもいずれのページを選択してもそれにふさわしいのだ。

さらには、カヴァーに書いてもらう方、カヴァーを外した本体の扉に書いてもらう方もいて、それはそれでまた、ふさわしい。

これは迷う、これは悩む。

みなさんには、そんな葛藤は存在してはいないのか!

と声を大にして叫びたかったのだが実際には叫ぶ訳もなく、ペラリペラリとグラビアページをめくっては、悩み入り組んでいた。

だが容赦なく自分の立ち位置は競馬で言えば第4コーナーである最後の折り返し地点を通過し、あとはゴールであるネギ券を手渡す方にまで一直線となった。

ここからは、サインを書いている手元のページが完全に目視可能となった。

しかし、この期に及んで、そのページは各自さまざまだった。

う~む。

 

 

そしてようやく列直線の半ばで、複雑な要素を自分なりに解析し、二者択一にまで絞り込んだ。

 

それは、扉をめくった対向ページにあるグラビア、そう、3人が萬代橋に向かって手を振っているその後ろ姿を堤防の上から撮影したものだった。

新潟を象徴する歴史的建築物へ向かって、新潟を代表する15年の歴史を誇るアイドルが、郷土への親しみと感謝の気持ちを送っていることが、一瞥でわかり見るものの心を打つ画像だった。

 

もう一枚は、巻頭カラーグラビアのラストを飾る一枚だった。

やはり萬代橋を背景に、やすらぎ堤で佇んでいる画像だった。

それは3人ではなく、4人だった。

Negiccoの3人とともに歩み、支え、その方がいなければNegiccは存在していなかったであろうはずの熊倉維仁氏が一緒に写っていたのだった。

快晴な空の下、おだやかな陽の光に包まれて写っている4人。

 

このどちらかを、選択することにした。

 

そうしてネギ券を係りの方にお渡しし、サイン会の最初に座っているかえぽに、自分の決めたページを開いて差し出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

このページだった。

熊倉氏(通称:くまさん)の存在していることが、やはり大きかった。

 

 

この本を閉じてしまえば、この本にNegiccoのサインが存在していることは誰も知らない。

自分がそのことを告げていないのだがら、家族ですら把握してはいない。

だから、サインをこのページにもらうまでの葛藤も、微塵もわかってはいない。

でもそれも、やむを得ない。

書棚にこの本を収めたいま、自分はこの本の背表紙をそこで見届けるたびに、このときの葛藤を思い起こす。

そしてそれだけでなく、直筆サインが書いてあるのだからNegiccoの3人の分身がここに存在していることに思い至り、そして同時にその直筆サインとともに写っているくまさんも、この閉じられた本の中に控えていることに感情がゆさぶられてくる。

 

 

このようにして4人が収まっている公式画像は、思いのほか少ない、というか、ほとんど存在していないのではなかろうか。

やはり、このページにサインを書いてもらってよかった。

自分にとっては、このページでなければならなかった。

この4人がこれからも、この画像のようにおだやかな表情で過ごせることを祈りたい。

そしてそれのできることがつまり、ぼくらにとっても同じ表情で一緒に歩んでいけることになるのだから。

9月8日(金)、下記の脇田もなりちゃんのワンマンライブが、渋谷clubasiaで開催された。

参加したかったのだが、TWEEDEESのワンマンライブがclubasiaに隣接するO-WESTでほぼ同時刻に開催され、そのチケットをずいぶん以前に購入済みだった自分は、もなりのライブ参戦を諦めざるを得なかった。

 

 

 

 

ワンマンライブとは別に、下記のイベントが開催されることをSNSで知った。

記載されているとおり、第一部、第二部、ともに定員25名限定という、かなり競争率の高そうなイベントだったが、ものは試しのダメ元で第一部だけに申し込んでみた。

 

 

すると後日、下記の当選メールが送らてきた。

 

 

 

 

いつもお世話になっております。
この度は脇田もなりのハイボールアワーにお申し込み頂きありがとうございます。
<第一部> に当選しました!
おめでとうございます!
整理番号は <21>番です。
立見となりますがご了承ください。
 
当日は開始15分前の15:45にMeWe前にお集まりください。
整理番号順に入場していただきますのでゆっくりお越しください。
※近隣の迷惑にならないよう、早い時間から並ぶのはご遠慮ください。
スタッフ一同、お待ちしております。
 
2017年9月17日(日)
第一部 16時~
料金:3,000円
場所:MeWe 渋谷区桜丘町28-3 恒和渋谷ビル2F
 
脇田もなりスタッフ

 

 

 

 

 

ワンマンに参加できなかった自分、そして自分よりも熱心なファンが多数いらっしゃるであろうから、その二つの申し訳ない思いが先に立ってしまったのではあるが、ここは素直にありがたく、当選できたというクジ運に感謝しつつ、まちがいなく貴重なイベントになるであろう機会を逃さないでおくことにした。

 

 

当日は台風18号の接近が報道によって早朝から繰り返し伝えられ、やがてそれが九州南部に上陸したことを知った。

関東周辺が台風から直接に影響を受けるのは夜半頃だということだが、すでに台風は前線を刺激して朝から雨が降り続いていた。

昼過ぎになってもそれは同様で、だがまだ強風を伴ってきてはいなかった。

しかしそんな状況下、家の大黒柱がのこのこと、またもやイベントへ参加するため出かけてゆくというシチュエーションは、カミさんと高校一年生の愚息から理解を得るにはいささか、いや、かなり困難ではなかろかということが容易に予想されたので、それを回避するための苦渋の、というのは言い過ぎではあるが、それでもやや後ろめたさを伴う行為だったので、そして夫としての威厳、父としての権威を守るためにはやむを得ない措置という考えのもと、二人に対しては、「渋谷で映画を見てくる」 と言い残すことにした。

威厳や権威というものをいまも大切にしようとしているなどとは、言葉で伝えてしまえば二人からは一笑に付され、そんなものはとうにすでに散無してしまって久しいことに気がついていないのは己ばかりだと言われかねないのかもしれなかったが、だがそれでもなお、そこにだけはいま少し矜持を保って家庭内を生きてゆきたかった。

そして、こちらのそんな意図はわかろうはずもなく、いや、わかってもらってはかえって困るわけで、二人からの無反応をこれ幸いとして、自宅を後にした。

そして、この判断は誤っていなかったものと現在も確信している。

 

 

 

 

会場である 「渋谷MeWe」。

当選してからさっそく検索してみたところ、渋谷駅南口、セルリアンタワーの真裏にある路地を進んだところのビル2Fに佇んでいるシャレた居酒屋のようで、その雰囲気の好ましいことは、店内画像からだけでも十分に伝わってきていた。

 

 

 

会場への集合時間は15時45分、渋谷駅のホームに降り立ったのは15時40分。

わずか5分しか残されてはいないところに、副都心線から会場のもっとも至近な地上に出るルートを把握してはおらず、だが渋谷駅は大学4年間に乗降した駅だからそのときの記憶に頼って最適であろう階段を昇ってみると、その記憶は現在の渋谷駅の複雑化した構造には対応しきれなかったようで、そこは東口に片寄った南口だったため、JRのガード下をくぐり抜け反対側の西口にまで行かねばならない地点だった。

傘を差し出して広げ、やや早歩きにそのガード下を進んでいったのだが、このガード下にはかつて、学生時代に何度も打ち上げコンパで訪れた「やまがた」「舟唄」という大衆居酒屋があったのだが、それらも跡形なく消え去っており、渋谷駅再開発事業の進行がここまで及んでいることを知った。

あの頃から数えると三十年ほどが経過しており、時の流れということでやむを得ないのかもしれなかったが、あちらこちらでもはや、かつての渋谷駅を偲んではいけない領域に達しつつある現状を突きつけられ、同時に変貌を続ける東京という街についていけていないという疎外感も微妙に味わった。

 

南口にある変速五差路の歩道橋を越え、そのうちのもっとも狭い路地を進んでゆくと、途中、左手に分かれた道路のその先で人だかりが見受けられた。

それはいかにもイベントの入場待ちの方々という印象を受け、それに導かれるままにそちらのほうへ足を向けてそこに到着してみると、係の方が 「整理番号14番の方」 と呼びかけている瞬間で、やはりここで間違ってはいなかった。

 

 

整理番号順に列をつくり、2階にある居酒屋へ向かう階段で待機する。

21番である自分は、1階の入口付近で待つ。

列が動く気配はなかなかやってはこなかった、それでも時間にして10分程度だったのかもしれない、ようやく動き始め2階に上がる。

 

通常の営業時にはレジ台なのであろう場所にて、名前を言って参加費3,000円を支払うと、「スミマセン、ここから立ち見になります」 と告げられる。

名簿をチェックしつつ金銭授受も行ったその方は、もなちゃんのリリイべでかならずお見受けするスタッフの方だった。

ここは物販ブースも兼ねていて、持ち込んだグッズの数々が、狭いスペースにもかかわらず見やすく几帳面に展開されており、そんなところからもなりちゃんの所属するVIVID SOUNDという老舗インディーズレーベルが持っている仕事への誠実さと細やかさがうかがえた。

立ち見についてはもちろん事前に案内されていることであるし、立ち見のほうが見やすい場合もあるので一向にかまわなく、立ち見席になるのであろう机の前に進む。

そして、着席できる20名の方々がめいめい適当な座席を確保し終わって、自分のあとに続いた4名が立ち見席の机を囲んだ格好になった。

自分の隣には整理番号22番の方、30歳前後の美しい女性だった。

のちの談話タイムで、立ち見参加者がお互いのtwitterをフォローしあうことになったのだが、その方々は、

  赤穂あすなさん https://twitter.com/asnatch

  トオル@Sake monariさん https://twitter.com/spinout0628

  のびおさん https://twitter.com/fsccore

もちろん、初対面の方々ばかりだった。

そして、店内の参加者の方々をつらつら眺めてみると、自分と同世代かそれよりも下の方々の、落ち着いた良識のある方ばかりの様子、しかも顔なじみの常連が大きな態度で威圧し排他的な雰囲気が生じてしまう状況になることは皆無なようなので、ようやくここで一安堵することができた。

 

 

ほどなく、さきほどのスタッフさんが、

  「みなさんにお酒が行き渡りましたら、乾杯しましょう」

  「お酒は、カウンターで注文してください」

  「撮影は、参加者が写り込まなければ写真も動画も大丈夫」

という案内をなされる。

その言葉を聞いて、まずはじめに撮影したのが下記である。

カウンター内部では、もなりちゃんがまさに居酒屋従業員として立ち居振る舞いをしている、そして参加者との距離が圧倒的に近い。

もなりちゃんと重なってしないわかりづらいのだが、黒い衣装と帽子の男性も事務所の方で、もなりちゃんが担当する飲み物以外の、ビールや日本酒を出してくださる。

その左のお二方の前にはターンテーブルが置かれていて音楽ご担当、BGMを流したり、もなりちゃんが歌う際には持ち歌のカラオケを流す。

 

 

さて、飲み物を各自が手にしなければパーティーは開幕できない。

ということで、もなりちゃんの前に参加者が列を作る。

前回の「脇田もなりのハイボールアワー!vol.1」 にも参加されたあずみさんからの適切なアドバイスで、ここはやはりもなりちゃんが手ずから作ってくれるハイボールを注文すべきと。

並んでいる方々もすべて、注文はハイボールだったようだ。

 

自分が列の中で待っている途中、柱に貼られていた本日のタイムテーブル。

光で飛んでしまって見えないようなので書き写しておくと、次のとおり。

  16:00 開会宣言~もなりバータイム

  16:40 LIVE

  17:00 もなりバータイム

  17:40 LIVE

  18:00 特典会

  18:30 終了

 

 

自分のすぐ前の方のために、注文のハイボールを作っている最中のもなりちゃん。

これぞ、まさに看板娘である。

 

 

事務所の告知文、

「この機会に、脇田もなりが作るハイボールを飲みにいらしてください」

に書かれているとおり、自分もハイボールを注文すると、もなりちゃんがその場で作ってくれる。

まずグラスに氷を入れてグラスの温度をなじませ、次にウイスキーをメジャーカップへ注いできちんと計量し、それをグラスに投入する。

ここで一度、マドラーで混ぜる。

そして、ソーダを適量注いで、最後にもう一度だけマドラーでかき混ぜて完成。

手本通りで、適切な手つき。

このようにして作りながらも、こちらからの質問や会話にきちんと応対してくれるもなりちゃん。

そして出来上がったハイボールを、こちらに手渡す直前にはカメラへ向かってグラスを捧げて、ポージング。

その画像が、こちらである。

どうです、このありがたさ。

こんなことって、世の中にあるのでしょうか!?

いやはや、どうも、恐縮です。

ありがとう、もなりちゃん。

 

 

 

ようやく全員がグラスを手にしたので、乾杯のご発声は、当然、もなりちゃん。

こうしてパーティーが始まった。

 

しばし、立ち飲みの方々と歓談。

もなりちゃん推しは、もともとペシスト(本年3月に解散してしまっEspecia:エスペシアのファン)だった方がもちろん多いわけで、それも当然。

なぜなら、最盛期には5名いたメンバーのうち、現在も活動を続けているのはもなりちゃんだけなのだから。

そして、自分もそうなのであるがNegiccoを応援しているネギヲタ、もなりちゃんと同じレーベルに所属している星野みちるちゃん、そしてWHY@DHOL(ほわどる)を応援している方々が、兼ヲタとしてもなりちゃんを応援している場合が実に多くていらっしゃる。

だから、もちろん話題の中心はもなりちゃんなわけだけれど、それだけではなくてアイドル界隈のことでお互いに情報を交換し合ったりして盛り上がる。

そして立ち見客の全員で一致したことの頂点は、“もなりちゃんはかわいい” このことである。

 

 

そうこうするうちに、もなりちゃんがグラスを手にしてぼくらのところまでやってきてくれ、一人づつ乾杯。

目前で見るもなりちゃん、やはり、かわいいったらない。

 

 

そうして、1度目のライブ時間がやってくる。

ぼくら立ち見客の真正面が、その位置。

 

 

  【第1回セットリスト】

   1.IN THE CITY

   2.あのね、、、

   3.EST! EST!! EST!!!

   4.ディッピン

 

家を出てからここに到着するまで、とても内省的なことばかり感じていた面倒くさい今日の自分だったのだが、そんな気分はもなりちゃんの持ち歌とその歌声、そして笑顔がすっかり吹き飛ばしてくれた。

もなりちゃんの歌声は、ちょっと甘えがかっているからキャンディヴォイスと形容したくなるもので、そしてその声はかなりな高音パートとなってもきれいに伸びていってまったくゆらぎを生じないから、聴いているこちらの耳へは実に心地よく染みとおってくる。

もちろんリズム感覚も確実、そこにもってきて最大の武器は、歌っているときの表情の豊かさ。

その表情のなかでも、もなりちゃんの笑顔は観ているもののココロをとろけさせてしまう威力を持っている。

これらのことを、あらためて間近で感じさせてくれた1回目のライブだった。

 

 

2度目のバータイム。

飲み物も2杯目になるのだが、やはりここでも、もなりちゃんに注文するのはハイボール。

食べ物は各自が適当にオーダーし、みなでシェア。

さんまの梅煮、肉豆腐、エイヒレ、鴨の燻製などが机の上に並び、いずれもとても美味しい。

すると、テーブルに座っていた方がトイレに行きがてら、自分へ、

  「ブログやってますよね!?」

  「はっ、はい」

  「なんで、ここにいるんですか?」

と、声をかけられてしまった。

その方は、美味いぞチャーハンさん https://twitter.com/Cold_FriedRice

なんでも、mactakaさんの、「徘徊中年日乗」https://blogs.yahoo.co.jp/mactakamactaka

このブログでmactakaさんと一緒に写っていた画像を覚えていて知られたようなのだけれど、あの画像には顔出ししていなかったはずなので、よくまあ推察されたもの。

 

そんなこんなでアルコールも進んできて、だんだん良い心地な酔い心地になってきた。

 

 

そうしてはじまった、第2回目のライブタイム。

まずは、MC。

身に纏っている前掛け、これはこの日のために本日のDJさんが作ってきてくださったオリジナルだとのこと。誰が見てもすばらしい逸品。

そして、一昨日のワンマンライブでは時間が推してしまって物販タイムが少なくなってしまったので、ぜひ今日は物販をよろしくお願いします、とのこと。

要約すればこのような書き方になってしまうけれど、もなりちゃんの語り口、そのひと言ひとことには、自分の気持ちを正確に伝えて相手に理解してもらいたいという真っ直ぐで篤実な思いの込められていることがよくわかる。

それはやはり、ご本人の性格がまじめで純粋なものによるのであろう。

ぼくらは、もなりちゃんのその性格もどうしようもなく好ましく思えてしまい、だから応援したくなるし、今日ならば、物販のどれかを買って帰ろうという気にもなってしまう。

セールスウーマンとしても、ご本人は気づいてはおられないとは思うけれど、すでに一流。

 

 

 

そんなもなりちゃんなのだし、2回目の、そして本日最後のライブタイムなのであるから、1回目以上に濃厚で充実したひとときだった。

 

 

  【第2回セットリスト】

   1.IRONY

   2.夜明けのVIEW

   3.赤いスカート

   EN.Boy Friend 

(セットリストは、ハヤ3ケンさんのツイートを参照しました、どうもありがとうございます)

 

 

目の前にいるもなりちゃんのかわいさにうっとりとさせられつつ、そして歌に酔いしれつつ、そしてコールする個所を忘れないよう間違えないような配慮をなんとかかろうじて可能な程度に理性を残しながら、聴き入った。

そして感じたのは、これまで数十人のアーティストの、そしてその様々なライブ会場において熱いライブを体感してきたのだが、それらのものとは一線を画すものが今日の空間には存在していたことだった。

一言でいってしまえば、「神イベ」 と言えるのだろうが、その言葉では終わらせたくない。

小さな会場であるがゆえに、見ようによってはイヤが上にもアラが眼に入ってき、それが気になってきてしまうものなのだが、そのアラにはまったく気づかされなかった。

もちろん、もなりちゃんにはそんなものはなかった。

それだけではなく、運営にもそれがなかった。

場所とお店の選定、タイムテーブルの構成、参加費の設定、いずれをみても適切だった。

そして逆に、ここにおられるVIVID SOUNDの方々の表情と言葉の端々から伝わってきたのは、ぼくらに楽しん帰ってもらいたい、うちのもなりをどうかよろしく、そしてスタッフとしてもなりをなんとか応援してやりたいという 「ホスピタリティ=思いやり・心からのおもてなし」 だった。

それはしかも、けっして露骨ではなく控えめにやわらかく。

そして、これらを無意識のうちにぼくらも感じ取り、ぼくらの一人残らずがそれに呼応して生み出されたのは、今日の空間における親近感と濃密感、そして幸福感だった。

そこにはかすかに、たった25名だけがここにいることができているという優越感、たまたまだけれどえらばれたという選民感も加わっていた。

 

台風が刻一刻と近づき、窓の外はそれを告げる雨の降り止まぬ中、外部とはまったく正反対な、日だまりの中にいるような心地よいあたたかさがここを包んでいた。

 

 

 

そんな時間にも、終わりがやってきてしまう。

入口の物販コーナーで一瞬のうちに買う物を決めスタッフと授受すると、その隣にいるもなりちゃんにすばやく手渡す。

しかし、もなりちゃんはあわてることなく、自分と視線を合わせながら名前を問いかけ、間違わないよう確実に、それを書き入れてくれた。

 

 

 

VIVID SOUND と赤く印字された小粋な7インチ用のビニル袋を左手に、右手には傘を差しながら往路を戻って渋谷駅に向かう。

歩道橋に落ちる雨粒は来るときよりもその数をかなり増しており、周囲はもはや夜の帳に包囲されてしまって、普段のこのシチュエーションならば憂鬱になりそうなものだし、自宅で待つ家人に言い残してきた出かける理由を察すれば、そこにはさらに後ろめたさがのしかかってくるはずなのだけど、今日にかぎってはまったくその気配は生じてはこなかった。

そのわけを、ここでふたたび繰り返す必要は、もはやない。

夜の闇と傘による視野の遮断が、渋谷駅界隈の工事模様をほとんど消してくれているのも好ましかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

そもそもDJイベントは、渋谷あたりでもっぱら22時とか23時にスタートするという、東京近郊に住む1,000万人の中に完全に含まれているわが家にとっては、参加がきわめて困難なイベント。

そんなイベントが19時30分スタートで、しかも小西さんがDJ、さらには商品を購入すれば入場料がいらないという、自分にとっても、そして財布の紐が硬結びになっているカミさんにとっても、たいへんにありがたいイベント。

ということで、予約開始日時となった6月23日(金)12時、すぐにタワーレコード渋谷店に電話し、CD『エース2』を自分の名前で、そしてアナログ・レコード『エースep』をカミさんの名前で予約し、イベント参加券を2枚、無事に確保することができた。

 

 

ところがやがて、Negicco公式サイトからメンバーKaede(かえぽ)の生誕祭が同じ日に開催される告知が流れてきた。

かえぽの生誕祭は昨年はじめて参加したのだが、とてもすばらしいライブだったのでせひ参加したかったのだが(そのときのブログがこちら https://ameblo.jp/nokkinokinoki/entry-12201785692.html

) 同日開催となってしまっては、かえぽにはたいへん心苦しくも、しかしやはり先約は先約というとこで、かえぽの生誕祭は来年のお楽しみにして、予定通り小西さんのリリイべに参加したのだった。

 

 

9月12日(火)、たまたまめずらしくカミさんが渋谷まで出かける用事があるというので、その帰り道にタワレコ渋谷店3Fカウンターへ立ち寄ってもらい、CD『エース2』とアナログ・レコード『エースep』を無事にフラゲし、同時にイベント参加券も手にすることができた。

整理番号はそれぞれ70番台と100番台後半、まずまずだった。

 

 

 

 

その日の晩からさっそくCDを聴き始めたのだが、それはもう素晴らしいという表現がまさしくふさわしいもので、自分が歩んできたこれまでの音楽履歴がいかに偏屈で狭いものでしかなかったかということを突きつけられ、同時にわが国では、自分の知らないところでとても輝かしく魅力的なポップスの数々が生み出されていたことをつくづく教えられた。

これらはもちろん、小西康陽さんがこれまで進めてこられた膨大な楽曲収集によって得られた知識と記憶に基づくものであり、またライナーノーツを拝見すると広い交友関係の方々からの示唆やアドバイスにも由来していらっしゃるようで、それらが合わさった小西さんの巨大なメモリーの中から、厳選に厳選を重ねて選び抜かれた珠玉の楽曲18曲なわけだから、シロウトの単なる一人のリスナーからすれば、それらをひたすら楽しんで聴けばよいだけなのである。

 

 

 

 

もちろん、このライナーノーツに書かれているとおり、

 

「●今回も選曲の方向は変わらず。東京・渋谷のオルガンバーの毎月第三金曜日に行われている自分たちのパーティー「(((((((((( A ))))))))))」エース、においていつもDJの誰かがプレイしては大盛り上がりしている曲、これからプレイしたい曲、さらにはパーティーに遊びにきて下さるお客様や常連の友人たちならきっと好きになるだろう楽曲ばかりを集めました。(中略) 

●こうして並べて聴くとやはり素晴らしい、じつに良く出来た名曲揃い。日本のポップスはスゴいですね。さあ今回も、オレたちのパーティーへようこそ、というわけで、皆さま楽しくお聴きくださいませ。」

 

なわけで、でも、DJパーティー会場でだけ流していたのではあまりに勿体なく、このCDを自宅でBGMとして流していると、そのとたん、自宅の居間やダイニングルームがパーティー会場に様変わりしてしまうというのはちょっと言い過ぎであるとしても、でも収録第1曲目である「愛の才能 / 川本真琴」が始まった瞬間から、この楽曲群が流れている空間においては、贅沢で芳醇で幸せなものに満たされていくという表現に置き換えることができる。

それを確かめていただくには、アマゾンのこちらのサイトで収録曲18曲すべての、その一部分だけだけれども実際に試聴していただくのがもっともてっとり早くて間違いない。

https://www.amazon.co.jp/%E3%82%A8%E3%83%BC%E3%82%B92-%E3%83%B4%E3%82%A1%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%82%B9/dp/B0733PW3KJ/ref=sr_1_fkmr0_1?s=music&ie=UTF8&qid=1505868716&sr=1-1-fkmr0&keywords=%E3%82%A8%E3%83%BC%E3%82%B92%E3%80%80%E5%B0%8F%E8%A5%BF%E5%BA%B7%E9%99%BD

 

 

さて、このCDをリリイべ開催の当日まで数回、カミさんと自宅で聴きながら過ごし気分を盛り上げた。

前回の『エース』のときもそうだったのだが、食事の準備・後片付けをしながら収録曲を聴きつつカミさんが、

  「懐かしい」

  「これ、誰が歌ってるんだっけ?」

  「この曲が入ってるなんてすごい、さすが小西さん」

  「この曲、SMAPでしょ!?」

  「このヴォーカル、クレモンティーヌでしょ!?」

とか語りかけてきて、それに対して自分は楽曲の知識がカミさんの足元にも及ばないため、ただしその理由は、カミさんがテレビ中毒者であり自分はテレビをほとんど視聴しないというそれだけの違いであることは、あえて強調しておきたいところなのだが、要するに偏向・貧弱な音楽知識しか持たない自分は、その都度ライナーノーツを読んでカミさんに解説してゆき、同時にそうすることによってそれが自分の音楽知識として蓄積されてゆくという副産物、さらにはなんとも家庭円満な雰囲気がおのずと生み出されてしまうという、夫婦にとってもっとも重要であり、でもなかなか得難いものを一時的にでもあれ実感できている気になってしまうのだから、これはこれはたいへんにありがたい物なのでもある。

 

 

さてそして、そんな空気が二人の間にわずかばかりでも残っているかどうかは預かり知らぬところだが、その当日を迎えた。

イベント参加券の70番台をカミさん、100番台を自分が握り締め、19時開場のその少し前からタワレコ渋谷店の店内階段に表示されているその番号の指定された位置へスタンディングして待機。

やがて開場となり、B1フロアにあるCUTUP STUDIOに入場、その際もドリンク代が徴収されることはなくそんな、些細なことだけれどケチなカミさんはこの点でもよろこんでいたことは容易に推測できてしまう。

そうして入場してみると、カミさんはすでに左端最前列をキープしており、その周囲は人が乱立してしまっているので自分はセンターあたりでスタンディング。

 

ところが、ここから記憶があいまいになってしまうのであしからず。

というのは、DJイベントではDJが次々と登場し矢継ぎ早に休む間もなくひたすら楽曲を流すので、どなたのDJがどの楽曲でプレイされたのか、さっぱりわからなくなっているし、かすかな記憶が残っていてもそれがどなたのDJのときに流れてきたものなのか、雲をつかむような話になってしまっている。

小西さんのDJが最初だったような気もするし、いやその前に前座的にどなたかがDJをなさっていたような気もする、一事が万事、そんな感じ。

ただ確かなのは、開演早々にDJ小西さんが、本日のスペシャルゲスト渡辺満里奈さんをステージに招き入れたことである。

この部分は、ナタリーさんのレポが詳細を語っていらっしゃる。

http://natalie.mu/music/news/249031

渡辺満里奈さん、とてもかわいらしくて笑顔はかつての笑顔そのまま。

じつに上手に年齢をかさねていらっしゃることがはっきりと見てとれ、これはご主人であられる名倉潤氏によるところも大と思われる。

そんな渡辺満里奈さんをどんな顔つきで眺めているのやらと、ちょっとした好奇心でフロア左端にうっかり目を送ってしまったら、渡辺満里奈さんをうっとりと眺めているウチのカミさん。

そんな表情を自分の前に見せたことはついぞ、ない。

そして、ステージ上の渡辺満里奈さんとステージ下のウチのカミさんをどうしても見比べてしまわざるを得ない自分としては、それはやってはいけない禁断の行為であることを十分に把握してはいても、その落差たるや、ステージの上下だけに起因するものではなく、持って生まれた資質を丁寧に育まれているご本人のたゆまぬご努力、そして何よりもそれを許容する名倉氏の包容力と資金力の賜物であり、そしてそれらはすべて自分にそっくりひるがえって降り注いできてしまうことを痛感するのだった。

しかしまあ、このイベントに旦那と共に参戦できるだけでも恵まれているのだぞ、という自分の心のささやきはどうあがいてもカミさんに届くことはなく、ないものねだりばかり言い立てたがりな彼女の元に、そんな心境の訪れる日がやってくることをこちらとしてはひたすら祈念するしかない。

そうは言っても、こちらとしてもカミさんがステージ上をうっとりと眺めている姿でせいぜい満足すべきともいえるわけで、そうなってくるとこれはやはり似たもの夫婦と呼ぶべきもの、同類相憐れまねばならないのかもしれなかった。

 

渡辺満里奈さんが1曲でステージを去られると、最前列にいた数名の方々もその場所からいなくなられてしまい、ということは、いまいらっしゃった方々はかつての親衛隊だったのかしらん。

そうなるとカミさんの周囲のスペースにも若干の余裕ができたので、隣でイベントを楽しむことに。

僕らのすぐとなりでは、冒頭から踊りまくっている妙齢な女性3人組。

このお三方、うら若き頃から遊びなれている感じで着こなしは垢抜けているし、楽曲へのノリもじつに様になっている。

そんなお姿を拝見しても、こちらの2人は見よう見まねではブザマになるだけだから、おとなしく自分たちらしく微かに身体を揺らしているしかない。

 

小西さんに続くDJの方々も、『エース』に収録されている楽曲やそうでないものなど、次々と投入され、その都度、フロアはヒートアップしてゆく。

DJイベントに参加する機会のほとんどない自分とカミさんにとっては、これだけでもう、うれしくなってしまう空間で、そんな合間にフロア後方のドリンクコーナーにてアルコールでも仕入れようかと歩んでゆくためにフロアを振り返ると、そこにはあれまあ、先ほどまでステージ上のDJブースにいらっしゃった小西さんのお姿が。

そののちにもプレイを終えられたDJの方々が次々とフロアにいらっしゃり、DJイベントではこういうのが普通なのかしらん、なんともフレンドリーでよい感じ。

 

 

いま一度、小西さんがステージに登場しDJプレイ。

ときおりフロアを眺めて、フロアが楽しんでいることを確認されると満足そうなかすかな笑みを小西さんがその表情に浮かべられ、こちらはその小西さんの表情を見ることができてなぜか自然とうれしくなってしまい、これがDJとフロアとの一種の勘所なのかなと思ったりしていると、もうお一人のスペシャルゲストを小西さんが紹介なさる。

その方は、井上睦都実さん。

『エース』に収録されている 「ボーイフレンド」、これを披露してくださったのだった。

小西さんは 「揺れる体温 by ACO」 を流しつつ、

  「この辺で、そろそろお開きにしましょう」

  「この続きはオルガンバーでP.M.10時から。ぜひいらっしゃってください」

そうお誘いを言われ、行きたいのはもちろんやまやまなのだけれど、行ったら明朝まで踊り明かすことになるのは確実なわけで、でもそれは自宅で待つ高校一年生の愚息の手前やはり許されるはずもなく、そもそも二人共、スペシャルなゲストのステージを含めて十分に楽しませて頂いたわけで、僕らはこれでお開きと相成った。

 

 

帰りの電車の中でカミさんと、

  「いつか、オルガンバーに行ってみたいねえ~」

という合意には達したのだけれど、はたしてそれが実現する日はやってくるかしらん。

 

 

Negicco ライヴの出囃子「Make Up Prelude」

 

この出囃子を初めて披露したのは、

2014年7月の東京・WWWでのワンマンライブ
「Road of Negiiiiii ~Negicco One Man Show~」

このときだったらしい。

このライブ、自分も参加していたのだけど、たしか、ぽんちゃが剣道部員だった頃に使用していた竹刀を持ってきて、その上、目隠ししてスイカ割りにチャレンジしたはず(ぽんちゃ、このときも、そして今年6月の生誕祭のときも “利きカレーライス” コーナーで目隠ししてたから、目隠し嗜好が実はあるかもしれない)。

 

 

 

さてさて、この曲のファーストインプレッションは、もちろんとっくに霧散してしまっているわけだけど、しかしながら、いま抱いている印象とその当時の印象とは、ほとんど差異がないはずなのである。

 

まず、この出囃子「Make Up Prelude」が始まった瞬間、場内の隅々にまで品位と朗らかさが満ち満ちてゆく。

それはおそらく、この楽曲が品位を持っているからに相違なく、このことはつまり、この楽曲を作曲・編曲されたユメトコスメの長谷泰宏さんが持つ気品という個性の成せる技なのだと思う。

同時に、照明が落とされ、場合によってはスポットライトが点滅し、あるいはスポットライトが回転をはじめ、ステージ上では開演直前の心地よい緊張感が生まれてくる。

同じ瞬間、僕らは、手にしているネギライトのスイッチをオンにする。

とたんに、場内じゅうをネギライトのおびただしい淡い緑の光源で埋め尽くされる。

これこそ、馴染んだNegiccoライブの光景である。

そして、舞台の上手、あるいは下手から、3人がステージ中央まで進んできて位置に着く。

3人の姿は、ステージに照明が当てられてはいない場合はシルエットでしかうかがえないし、ハッキリとステージ上を歩んでくる姿を見られることもある。

 

(画像は、2015年4月10日、赤坂BLITZにて行われたワンマンライブの開幕。まさにこの楽曲が流れ終わる寸前で、Negiccoが登場する直前のもの)

 

 

「ようやく、というか、ふたたび、というか、そのときどきの空いた間隔によって違いはあるのだけれど、とにかく、またしても、なんとか、Negiccoの3人と逢うことができる状況になったことへの悦び」

「そのNegicco、リーダーNao☆ちゃんの今日の顔色はどんなかな?、ぽんちゃも元気かな?かえぽの面差しはどうかな? メンバー各自とこの後すぐにその日はじめて相対するわけだから、各自がどんな雰囲気で登場するか、はたしていつもと変わらない姿でやってきて安堵させてくれるかどうか。かすかな、ほんのわずかに揺れ動く心配感」

「Negiccoの3人が、眼の前のステージでこれから繰り広げてくれるパフォーマンスへの期待感」

「いまから、つね日頃とはちがった世界がはじまってゆくという、その直前における高揚感」

「今日のステージはいったいどんな展開になってゆくのだろう?というワクワク感」

「今日のライブのセットリストはどんなだろう?あの曲はやってくれるだろうか?この曲はやるかな?という希望と願望」

「仕事やプライベート、そして家庭など、人それぞれではあるけれど、自分が背負っているさまざまなそういったシガラミをかき分け乗り越え、現在の状況、つまりはNegiccoのライブに参戦しているいま現在、この場にいることができるまでにたどり着くよう仕向けてきた自分へのささやかな賛美」

「このライブに参戦する時間を確保するため、仕事の時間、そして日々の雑務に要する時間、それらこれらをなんとかいろいろやりくりして駆けつけた自分へのかすかな賞賛」

「この日のチケットを確保するための争奪戦を勝ち抜くことができた、あるいは抽選による当選を引き当てることができた自分が持つ、小さな幸運への感謝」

 

これらの感覚が絡み合いながら、この楽曲が流れている間はずっと、自分の身体中を駆け巡っている。

そして、この楽曲が終わったとたん、その日の1曲目のイントロが流れ出す。

そのイントロは、もちろんその日によって異なるのだけれど、何にせよ、どの楽曲であろうとも、とにかくこの瞬間には、もはやこの日のライブへと身も心も傾倒してしまっている自分がいる。

 

ここまでの一連の感覚の流れ、これは毎回かならず自分の中にやってくるもので、だからこれは、Negiccoライブの開幕儀式と呼ぶことができる。

自分の心象状況にもよるけれど、この楽曲が流れ始めるだけで涙腺が緩んできてしまうこともあるほど。

 

 

さて、この楽曲が初音源化されたベスト盤「Negicco 2011~2017 -BEST- 2」、これを自宅で夕食時にBGMとして初めて流したところ、カミさんがひと言、

    「ディズニーランドみたい」

ディズニーランドの園内で感じることができるのは、キラキラとした穏やかな華やかさ、ワクワクする高揚感、あふれる幸せ感、未来への明るい希望、この世の楽園、日常とは異なる別世界、なごやかな笑顔、そういったものなのだけれど、それらと同様のものがこの楽曲を聴いていると存分に感じられる。

そしてこれらはもちろん、この楽曲のあとに展開されてゆくNegiccoライブへと続いてゆくものであって、したがって、この楽曲はまさにNegiccoライブを象徴するのものであり、Negiccoライブの出囃子、前奏曲(プレリュード)にふさわしい。

 

どうかこの楽曲が、末長く出囃子として流されますように。

 

 

 

この楽曲が冒頭に流れるNegiccoのライブ動画がいくつかあったのだけれど、下記を選択した。

なぜなら、とてもすばらしいライブだったし、この出囃子が持つ魅力、そして流れているときの場内の雰囲気が十分に伝わってくる動画だから。

2017年8月15日(火)。

「Negicco x lyrical school FREE LIVE Avec Summer Breeze @ Yoyogi Park」

会場:代々木公園野外ステージ
開場:16:00
LIVE:17:00~18:30(O.A 16:30)
特典会:18:45~20:00(CD販売、物販14:30~)
入場料:FREE 優先入場あり
出演者:Negicco, lyrical school, WHY@DOLL (O.A)

 

 

 

8月15日は旧盆にあたるため、いつもならば墓参りを兼ねて帰省するはずなのだが、今年は諸般の事情で帰省を取りやめた。

このライブに参戦したいために帰省をやめたというわけではなく、あくまでもわが家と実家の事情によるものだった。

だが、その理由はいかにせよ、このライブに参戦することができることにはなったわけである。

 

Negicco, lyrical school, WHY@DOLLこ、の3グループによるライブ、しかも入場無料。

カミさんを伴ってゆくには絶好の機会である。

カミさんには、今年中に一度、Negiccoのライブを体験してもらいたいとは思っていたのだが、経済観念がきわめて鋭利な、言い換えれば財布の紐が硬い、さらに簡単に言えば要するにケチなカミさんであるから、タワレコ新宿店あたりでかならず開催される観覧フリーなリリースイベントを狙っていた。

タワレコ新宿店ならば、自宅からの電車賃もカミさんの許容範囲内のはずである。

しかし、ニューシングル発売にニュースは流れて来ず、すると7月末に「Negicco 2011~2017 -BEST- 2」の発売が告知されてきた。

それならば、このベスト盤のリリースイベントがよかろうと思っていた。

だが、いつもならば必ず、開催されるはずのタワレコ新宿店では、なぜかミニライブを伴ったリリイベが予定されてはいなかった。

 

そうこうするうちに上記のイベント詳細が発表され、なんとそれは観覧フリーということだった。

このイベントならば、店舗内のミニライブよりも数段上の環境で初ライブを体験できるはずなのは、容易に想像できるのだった。

カミさんに、ダメ元で打診してみる。

「代々木公園の野外ステージで、Negiccoが出演するライブがあって、しかも入場無料。こんな機会はメッタにないから一緒に見に行かないかい?」

すると返事は、

「いいよ」

という、至極あっさりしたものだった。

高校一年生の愚かな息子にも打診してみる。

「一緒に行こうよ」

すると畳の居間で横になった体勢のままひとこと、

「めんどくせえ~」

もうそれ以上は彼にいくら言っても、暖簾に腕押し、何をかいわんや。

そうであることもわかりきっていることなので、これ以上は告げることをしなかった。

 

当日が近づいてくるにつれ、その日の天候が気になってきた。

カミさんにはできるかぎり良い条件下でのNegiccoライブを初体験してもらいたかった。

雨傘を指しながら、あるいはポンチョを着用してのライブ参戦は、自分はかまいはしないが、カミさんのためには勘弁願いたかった。

8月14日の前日、朝から曇り空が続いた。

翌日の天気予報は、昼過ぎから雨が降るというものだった。

しかし、予報がはずれることもしばしば発生しているし、空模様、これだけは当日の雨雲の動き方次第でいかようにも変化するので、そこに期待するしかなかった。

カミさんとは、予報が当たらなければよいね、と言い交わしたりしていた。

そうは言っているものの、当日、雨が降っていたら、

「わたし、行くのやめるわ」

と言い出しかねない懸念もあることを、自分は抱いていた。

 

当日の朝、起床してしばらくしていると、外から雨音が耳に入るようになってきた。

予報よりもかなり早い、雨の降り出しだった。

しかしその分、早めに雨の止むことが期待できる。

ライブ開始の午後4時30分までには、まだずいぶん、時間が残されているr。

やはり、そこに期待するしかなかった。

そしてもうひとつ、Negicco晴れ女伝説にも。

 

やきもきしながら、部屋の窓から何度も外を眺めてみる。

降り止む気配は、やってきそうになかった。

そうこうするうちに、カミさんが自宅を出発する時間がおとずれた。

カミさんは、せっかく代々木公園まで出かけるのだから渋谷の街で買い物をしたい、という思惑を抱いているため、自分よりの2時間ほど早い列車に乗車する心づもりだったのだ。

「ポンチョを持っていったほうがいいよ」

と自分が告げると、

「そうだね」

とだえけ答えて、素直に下駄箱の脇の収納スペースからそれを取り出してバッグに詰めた。

(やっぱり止めておくわ)

というセリフを言い出す気配は微塵も感じられなかず、その予想外な振る舞いにかすかな拍子抜けを味わった。

カミさんとの待ち合わせは、16時きっかりにNHKホール前で落ち合うことにした。

この雨降りでは、早く現地に到着して厄介になるだけであろうし、観客も当初の予想よりかなり減ることが想像できたからだ。

しかし、NHKホールから目と鼻の先にある代々木公園野外ステージなのだから、普通ならば16時15分の待ち合わせで十分なのだが、そこはそれ、遅刻常習犯であるカミさんの行動癖を考慮した上で、15分間の余裕を設定しておいたのだった。

 

しばらくして、自分が自宅を出なければならない時間がやってきた。

100円均一でずいぶん前にカミさんが買ったポンチョが、カミさんによって収納から出され玄関に置かれていたので、それを自分のジーンズの左後ろポケットにねじ込んだ。

愚息はすでにどこかへ外出してしまっており、誰もいなくなる自宅を後にし、止みそうもない雨の中を最寄駅へ向かった。

 

16時ちょうど、NHKホールの前に到着した。

案の定、カミさんの姿は見えなかった。

しばらくするとスマホのバイブレーションがジーンズの右ポケットから感じられたので、それを取り出してみるとメールの着信が表示されており開封してみたところ、

『いま、パルコの前を通過中』

という文字を読むことができた。

10分ほどすると渋谷方面か見えてきたのは、別に急ぐわけでもなく自分のペースのままに歩みをこちらに向かって進めている一人の姿だった。

その姿はたとえが古いのだが、映画『E.T.』に登場する主人公である宇宙人が地球上で歩く姿を彷彿とさせるもので、かつてはそれに愛嬌を感じられたのだが、ちょっと以前からはそれがいささか疎ましく思えてきてしまっていることは、いかんともし難いことだった。

ようやく自分の目の前に到達したカミさんが発した最初の言葉は、

「ゴメンね」

というもので、これまた毎度おなじみな言葉なわけで、(だったら、もっと早めに間に合うように行動しろよ)という自分の内部における怒りと諦めの相半ばする感情も、いつもながらのものだったけれど、さらにはこれをまた一言もカミさんに向かって発しないことも常と同様だった。

 

そんなことはさて、とりあえず一応、カミさんが雨の中を傘さしながら現場までやってきてくれたわけで、これはこれで一安堵。

ということで、すぐそばにある売店で生ビールを一杯購入し、カミさんに差し出す。

ここにやってきてくれた感謝と雨の中をおつかれさまという慰労を込めたのだが、そんなことは一切、忖度することなく、ビアカップの半分を飲み干していった。

 

開演15分前、売店の軒先で雨宿りする方も数名。

雨の止む気配はまったく感じられず、しかし、いつまでもそうしていられるはずもなく、自分はカミさんにポンチョを着用するよう命じ、自分も薄っぺならそれを羽織って野外ステージエリアへ歩みを進めた。

ビニールでできたポンチョの生地を雨粒が打ち、その一滴一滴のごくかすかな衝撃を肌に直接触れている両腕に感じ、頭からはそれをさらに同時多発的に受けているのは、雨中における野外イベントに参加していることをいかにも如実に感じさせられる。

隣接する物販エリアでは、いまになっても列ができており、その進み具合は順調なものとは言えない。

いまさらその最後尾に並んでも、開演までに間に合うことはなさそうなので、物販で何かを購入して優先エリア入場券を手にすることはあきらめ、優先エリアの後方に設置された柵の後ろから、ステージを眺めることにした。

すると、

「優先エリアを開放します」

というアナウンスが聞こえてきた。同時に、

「優先エリアでは傘の使用はご遠慮下さい」

というアナウンスも伴ってきた。

すでに自分もカミさんもポンチョを着用しているので、一般として入場する人波に混ざって優先エリアへと進んでいった。

そして、なんとなく人の流れによってステージに向かってやや右側、前から10列目くらいのところにスタンディングすることになった。

自分のほうが身長が高いため、自分の前にカミさんを立たせた。

ステージが近い。

優先エリア券を持たずとも、かなりな好位置を確保することができたのは、小雨などとはとても言うことができない今日の天候によるものだろう。

自分もカミさんもポンチョの頭巾を被っている。

周囲の方々も皆、同様である。

そうしていると、目の前にいるカミさんを後ろから眺めても、その表情はポンチョのフートにより遮られて横顔のかすかな表情すら読み取ることができない。両隣の観客に視線を送っても、やはりほぼ同様である。

ある意味、ポンチョを各自が身に纏ったことによって、通常のスタンディングライブよりも各観客がそれぞれ独自にステージと向かい合うという感覚が生まれているように思える。

それはカミさんという連れが存在している自分にとっては非常にありがたいことで、通常ならば、いちいちカミさんの表情をうかがいながら、カミさんの反応を気にしながらライブ参戦するはずであろうことが、かなり軽減されるのではなかろうことは予想された。

 

オープニングアクトであるWHY@DOLL(ほわどる)がステージに登場した。

2週間ほど前に、ほわどるのリリイベに初めて足を運び、そのビジュアルとパフォーマンスに十分に心を動かされたので、その場でニューアルバムを購入したのだ。

その後、日曜日の夕食時にそのアルバムをBGMとして流してみたところ、

「Negiccoかと思った、そっくり」(カミさん談)

「父ちゃんの好きそうな音楽」(愚息談)

という感想が自分に投げかけられた。

「そりゃあそうだ、同じレーベルメイトだから」

といって自分は言葉をにごした。

音楽やアーティストへの印象は各自が自由なのであり、こちらの好みを押し付けるものではない。

だが、それ以上に、この二人にほわどるの魅力を伝えようつすればするほど、自分が滑稽さを増すばかりになるであろうことが瞬時に把握でき、いまさらではあるのだが同時に父親の沽券に関わることも発生し、そんなこんなで、結局はわからない奴にはわからないという結論で4終えていた。

そのほわどるがいま、カミさんの前で歌い、踊っている。

あのとき、自分が感じた魅力とまったく同じ、いやそれ以上ものを発揮している。

それをカミさんがいま、感じられているであろうか?

カミさんと接触するほどの真後ろに位置しているにもかかわらず、カミさんの心の動きはまったくわからなかった。

そして同時に、ポンチョを着ているためにカミさんの顔の表情が窺い知れなくなっても、やはり帯同してきた人間のことが気になってしまうのは、どうしようもないことなのだということを突きつけられた。

だがその反面、カミさんの視野がポンチョフートによって狭められているのが明らかであるため、ほわどるの持ち歌 『恋なのかな?』 で登場する親指と人差し指をクロスさせてステージに向かって差し出し、差し戻す振りコピをカミさんの頭上においてカミさんに気づかれることなくしてのけることによって、思いがけずも“してやったり”感を存分に味わうことができたのは、実はかなりな快感を覚えたのだった。

カミさんから、ほわどるの二人への感想が出なかった。

 

lyrical school(リリスク)。

自分もカミさんも、tofubeatsのニューアルバムリリイベにおいて、ゲストとして登場したかつてのリリスクを体験しているが、メンバー5名のうち3名を入れ替えるという大胆な振る舞いを行ってからは初見。

運営の決断と選択は、間違ってはいなかった。

以前よりもパワーアップしている。

ここまでのパフォーマンスに仕上げるまで、新メンバーの葛藤や努力はいかばかりだったか。

それは、察するに余りある。

それはヘッズの皆さんが、以前とまったく変わりなく盛り上がっていることによっても明らかで、新リリスク、おそるべし。

リリスクが終わった途端、自分とカミさんの前にいたヘッズの方々がゴソッと後方へ退かれ、それによって、自分とカミさんが必然的に前方へ進むことになった。

 

 

いよいよNegiccoの登場である。

    【セットリスト】

 01. ともだちがいない!
 02. トリプル!WONDERLAND
      (MC)
 03. さよならMusic
 04. ねぇバーディア
 05. 圧倒的なスタイル
 06. ときめきのヘッドライナー
 07. 愛は光

 

さらなる好位置を確保できて、迎えたNegiccoの三人。

小雨になる気配もあったので、ポンチョのフードを外した。

これをしていると、視野も聴覚もせばめられてしまうのが、いかんともしがたい。

やはり、フードをしてないほうが心地よいことは、計り知れない。

カミさんはやはり、女性であることもあってヘアスタイルが濡れるのを避けるためか、ポンチョフードを外すことはなかった。

したがって、Negiccoのときもカミさんの表情はわからなかった。

だが、さきほどの2組とあきらかに違うのは、かすかにカミさんの身体が上下していることなのだ。

Negiccoの楽曲に無意識のうちに、カミさんの身体と感情が同調しているのは背後からも明解だった。

もちろんそれは、Negiccoの楽曲群だけは自宅で自分がBGMとして何度も流していることによる剃り込み効果が表出している面もあるのだろうが、でもそれだけではなく、楽しんでいる気配が目の前の背中から伝わってきている。

そしてその表情を見ることはできないのだが、でもまちがいなくほのかな笑顔を浮かべ、視線はNegiccoのメンバー3人を次々と休む間なく、女性同士における特有なうっとりとした視線を送っていることが自分には鮮明に把握できる。

この日の条件下ではまさかないだろうと思っていたあの曲、そのイントロが流れた。

『圧倒的なスタイル』

そう、ついにカミさんと肩を組んでラインダンスを実現できる。

そのとき、夫婦であることを理解していたのであろう、カミさんのとなり位置を肯きながら、どうぞと譲ってくれたのはさすがネグヲタさんだけのことはあって、おかげでカミさんと肩を組む瞬間がやってきた。

雨に降られつつポンチョを着てのラインダンス。

雨雲であっても、夜が迫っていること感じさせる夕闇、それによって昼間の明るさが減りつつあるこのとき、そんな条件下でのラインダンス、それはそれは趣き深いものだった。

ステージ上では、出演者全員によるラインダンスが繰り広げられ、それは雨の中を足を運んできた僕らへの出演者からの贈り物にちがいなく、僕らはそれをしっかりと目で受け止めつつ、ステージと観客とで一体化した。

もちろん、その中の一人にカミさんがいるということは、自分にとっては特筆しべき出来事だったわけで、カミさんの肩から首、そして向こう側の肩に自分の腕を廻し、カミさんからも同様にしてもらいつつ、右足左足を上げることによって起きる不安定さをお互いが支え合うことで転ばずにいられるという、時間にすれば10秒ほどのものなのだが、それは単にカミさんと二人だけで単に肩を組むだけの行為ではありえないエモーショナルさを生じさせてくれ、それは一瞬だけの感慨だったのだが、しかし、ラインダンスにおけるカミさんの表情は、やはり窺い知ることができなかったことだけはかすかに心残りではあった。

 

 

 

原宿駅へ向かう歩みを進めながら、カミさんから聞かれたNegiccoへの言葉は、

「かわいい」「素敵」「歌がいい」「やっぱりライブのほうが家で聴いているよりはるかにいい」「ライブ、楽しい」「三人とも、足が綺麗」

などなどで、それを聞いた自分は、うんうんとひたすら頷くのだった。

 

きっとこれから、このライブに参戦したことが折にふれ思い出されるにちがいなく、そのときには必ず、当日が雨降りだったことも伴う話になるはずで、ということはそれはそれで、天の采配であって天がわざと準備したご趣向だったのかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Negicco『ともだちがいない!』は、『愛は光』と表裏一体となっっている歌のような気がします。

それは、この歌のPVを見ていてようやく、そうではなかろうかと気がついたことでした。

以下、PVのキャプチャを時系列順に貼り付けてゆきます。

 

 

冒頭、氷の入ったグラスがひとつ。

 

グラスの中に氷がたくさん、浮いて揺れています

前奏が始まります、ここのBGMは、何かが始まりそうな気配の前奏です。

 

氷たちがUPになります。

UPされたことによって、何かが起こりそうな気配がますます高まってまいります。

 

すると突然、画面の上からストローがグサリとグラスに突き刺さります。

何かが始動したことを、暗示しているかのようです。

 

ストローが抜かれてゆきます。

 

抜かれたあとには泡が立ち上っているだけです。

何かが本格的に生まれる前の、混沌をあらわしているかのようです。

 

そして、この歌のタイトルが表示されます。

何かが、もう完全に動き始めた様子です。

 

どこかの高校の校舎です。

 

校舎の教室で、一人読書をする女子高生。

特徴は、ショートカットの黒髪、そして赤いネクタイ。

ここでかぶる歌声は、ぽんちゃのソロです。

彼女の名前を、ぽんちゃにします。

 

次に登場するのは、セーラー服に赤いスカーフ、白いショートカットの女子高生。

実際のぽんちゃもかえぽもショートカットなので、

動画キャラのヘアスタイルからだけでは区別がつかないのですが、

ここでこのアニメキャラにかぶる歌声は、かえぽのソロなのです。

ですので、迷うことなく彼女の名前を、かえぽにします。

そして、まるでかえぽが秘めている感情を訴えるかのように、

見ているほうに向かって、

「落ち合おう秘密の部屋で、なんてね」

という意味深な歌詞を歌いかけてくるのです。

 

別の高校の校舎外壁に一人、寄りかかっている黒髪セミロングで赤いリボンの女子高生。

ここで少しだけ、Nao☆ちゃんのソロがかぶるので、彼女の名前をNao☆ちゃんにします。

Nao☆ちゃんは実際、セミロングヘアですし。

以降、基本的にアニメキャラが一人で登場するときは、

Negiccoメンバーそれぞれのソロが当てられていきます。

 

誰かの手によって、紙が折られてゆきます。

いったい、誰の手なのでしょうか?

 

折られていたのは紙ヒコーキだったようです。

さきほどの手の持ち主であろう方が、それを空に飛ばします。

 

空に向かって飛んでゆきます。

ここでの歌詞は、「夢で見たようなことが起こるよ!」 です。

どうやら、この紙ヒコーキは、“間違いだらけのテスト”、

普通ならば見たくもないはずのそのテストの回答用紙で作ったものではなさそうです。

ただの紙ヒコーキではなさそうです。

 

駅舎のベンチで一人、たたずむNao☆ちゃん。

「眠らないままでどこへでも行けるかな?もし」

という歌詞が重なります。

 

そんなNao☆ちゃんのところに、彼方から紙ヒコーキが飛んできます。

ここにも、「眠らないままでどこへでも行けるかな?もし」

という歌詞がかぶります。

 

ぼんやりしていましたが。

 

紙ヒコーキに気がついたNao☆ちゃんが微笑みます。

そのことだけではなく、

「ともだちができたら」 という歌詞に対しても微笑んでいるかのようです。

 

紙ヒコーキは、Nao☆ちゃんにその存在を知らしめたら彼方へ飛んでいってしまいます。

 

高校の廊下を一人歩むかえぽ。

彼氏の後ろを歩いているのかと思いきや、距離が空いてゆくので彼氏ではなさそうです。

 

音楽室でピアノを奏でるかえぽ。

音楽をはっきりと自覚したかのようです。

 

教室の窓から、つまらなそうに外を眺めるぽんちゃ。

 

ここでの歌詞は、「知らない誰かの噂話が」「どれもキラキラしててヤになるなぁ」 です。

このことは何を暗示しているのでしょうか?

自分が思うのは、どうやら、小学校高学年から始めた芸能活動が思うように発展してゆかず、

アイドルたちの華やかな話が耳に入ってくることがヤになっちゃっう様子を表しているのでは、というものです。

 

あるとき、コンビニの棚で “Negicco” の表記されたアメの袋を手にします。

左手には、なぜかチュッパチャップスも握っています。

このチュッパチャップスの意味が自分にはわかりませんでしたが、amiさんからのリプで氷解しました。

1本のチュッパチャップスはNao☆ちゃんのソロ活動を、“Negicco”印のアメ袋はNegiccoでのグループ活動を意味しているかのようです(amiさん、感謝です)。

 

その2つをジッと見比べているのは、Nao☆ちゃんです。

 

見比べていたNao☆ちゃんの表情に笑みが浮かびます。

どちらを選択するか、決めたのでしょうか?

ここでのNao☆ちゃんのソロの歌声は、全編でもっとも気合いがあふれています。

 

そして、そのアメ袋を購入したらしいコンビニ袋を手に持ったNao☆ちゃんの姿に重なる歌声は、Nao☆ちゃんの、「待ってて神様!」

やはり、何かを決意したようです。

そして、Nao☆ちゃんの宣言、と解釈してしまいたくなる瞬間です。

 

 

弥彦山あたりのような、新潟を象徴するかのような風景です。

 

Nao☆ちゃんが待っていた駅よりも、もう少し都会っぽい駅のホームにいるかえぽです。

 

列車が到着しました。

 

降りてきたのはぽんちゃ、待ち合わせをしていたようです。

 

2人で歩んでゆきます、ヴォイストレーニングとダンス練習をしにいくのでしょうか。

 

ここでかぶる歌詞は、「眠らないままでどこへでも行けるかな?」

「もし、ともだちができたら!」 です。

この歌詞は、全編で何度か出てきます。

この歌詞が二人の背中を押しています。

歌詞だけではなく、花吹雪のようなものも、二人の歩みに華を添えています。

 

しかし一転、かえぽの不安げな表情とソロ。

 

ぽんちゃも同様。

 

Nao☆ちゃんの表情は、それに輪をかけています。

 

三人だけです、周りには何も表現されておりません、孤独感が漂ってきます。

三人の表情も、心配に満ちています。

確約されていない、見えない将来への不安に由来するものなのでしょうか。

 

ここでも、新潟を象徴する風景、万代橋です。

そうです、不安があれば新潟に戻ってくればよいのです。

右から差し込む斜光線によって、キラキラと輝いています。

三人には、いつも新潟があるのです。

 

ぼんやり、フォーカスが合っていないアメ玉が登場します。

コンビニで買ったアメ袋に入っていたアメでしょうか、きっとそうにちがいありません。

 

でも、ぼんやりしていたアメ玉が徐々にはっきりゆき、やがてクッキリ鮮明に描かれます。

この一連の動画は、やはり何かを表しているとしか思えません。

 

鮮明になったそのアメを、Nao☆ちゃんは手にして見つめています。

 

そして、「夢で見たようなことが起こるよ!」 という歌声とともに。

 

Nao☆ちゃんの元に、ぽんちゃとかえぽがやってまいります。

 

そして、三人でコンビニで買ったアメを開いてゆくのです。

 

そののち、天に届けとばかりに、天に向かって差し伸ばす三人の手のひら。

 

ここに至って、

「眠らないままでどこへでも行けるかな?」

という歌詞は、

(立ち止まらなければ、どこへでも行けるのではないかしら?)

と言っているように聞こえます。

そして、

「もし、ともだちができたら!」 

という歌詞は、

(もし、ファンの方がたくさんできたのなら!)

と言っているように、自分にははっきりと聞こえてきます。

そうなればつまりは、

「夢で見たようなことが起こるよ!」

なのです。

Negiccoの夢、それはファンならばだれもが知っているあの夢が叶う日がやってくるのです。

 

あのアメを舐めて。

 

笑顔に戻った三人。

 

やすらぎ堤であろうと思われる場所で、たたずむ三人。

 

冒頭に登場した氷は・・・・・・。

 

ひとつのグラスに入っているのでなく、

 

3つのグラスそれぞれに、しっかりと確立し包まれているのでした。

 

 

途中で出てきた紙ヒコーキは、三人のいまに至るまでの運命を運んできたかのようです。

その紙ヒコーキを折っていた手は、神様の手なのだったかもしれません。

そしてNegicco印のアメ袋に入っていたアメは、その運命を内包しているものであり、包まれていた包装紙を開封し、しっかりと舐め尽くして飲み込むということによって、三人のNegicco活動への決意と将来を象徴するためのものだったのかもしれません。

そうなりますと、冒頭でかえぽがこちらに向かって投げかけた、

「落ち合おう秘密の部屋で、なんてね」 という歌詞は、

Negiccoとファンによって醸し出される、平和で個性的なライブ会場の空気と空間を表徴しているのかもしれません。

 

 

 

 

ダイバーシティでのライブにおいて初めて聴いたときは、正直、あまり印象には残らない歌でした。

そののち、3度ほど聴いているうちに、だんだん耳に馴染んでまいりました。

そして3日前、この楽曲のPVが公開されました。

『ともだちがいない!』というタイトルは、ほんとうにともだちがいないというわけではなく、Negiccoの活動初期の頃のことを振り返るにあたっての、Negiccoならではの謙虚さと恥じらいを作者が理解し咀嚼した上で、それを含ませた表現に感じられてなりません。

 

『愛は光』ほど直線的にはファンとの交流を描いているわけではありませんが、

この曲にも同様の要素が含まれているように、自分には思えております。

だからこそ、「Negicco 2011~2017 -BEST- 2」というきわめて重要なベストアルバムの、トップバッターが『愛は光』、そしてうしろから2番目にこの楽曲が置かれているのではないでしょうか。

 

 

 

Negicco、14周年記念&15年目突入!

 

小西康陽さんプロデュース 『アイドルばかり聴かないで』 によって、その存在を自分が知ってから約4年が経過しました。

ということで、この4年の間にNegiccoが自分にもたらしてくれたことをあらためて振り返ってみました。

 

あくまで自分のことであり、重なる点、それは違うだろうという点、これはなぜ入っていないんだ等々、みなさま思うところはおありでありますこと重々承知しておりますので、どうかご寛恕を賜わりますよう、謹んでお願い申し上げます。

 

 

Negicco ベストアルバム「Negicco 2011~2017 -BEST- 2」発売記念

ミニライブ&特典会

会場:ラゾーナ川崎プラザ ルーファ広場 グランドステージ
日時:7月17日(月・祝) 15:00~
イベント:ミニライブ&特典会(観覧フリー)

 

 

久しぶのリリースイベントで、久しぶりにNegiccoの3人に逢える。

でも、それだけではなく。

 

 

 

ラゾーナ川崎、JR川崎駅に直結した巨大なショッピングモール。

だから、電車でのアクセスは最高。

そのモールのど真ん中にある広場、そこに常設されているステージでのライブイベント。

開催時刻は7月17日“海の日”祝日の午後3時。

 

Negiccoのリリースイベントにおいて、このような最高の条件下で観覧フリーライブが行われたことが、かつてあっただろうか?

自分の知るかぎり、今回の条件はこれまで開催されてきた中で最上のシチュエーション。

この状況は、自分だけでな、多くのネギヲタの方々が、かねてから求めてきたはずのものである。

この状況下、Negiccoの3人はどのようなパフォーマンスを披露するのだろうか?

3人はセットリストをどのように考えてくるのだろうか?

広場をたまたま通りかかるであろうNegiccoの存在を知らない多くの方々は、どのような反応をしてくださるのだろうか?

このイベントが告知されてからというもの、それらこれらのことに興味津々だった。

そしてようやく、この日がやってきた。

 

 

 

当日14時過ぎ、JR川崎駅の改札口を出たとたん、ラゾーナ川崎へ向かう方、そこから帰ってくる方の人波のすごさにはちょっと驚いてしまった。

祝日午後の巨大ショッピングモールを侮っていたようで、予想を上回る来場者。

その大半はNegiccoをお目当てにしているわけでないことをわかってはいるのだが、その人波に揉まれてラゾーナ川崎へ足を進めてゆくにつれ、自分が徐々に高揚してゆくのがわかった。

ほどなくライブが行われる屋外広場に到着。

ステージ前には、いつもいらっしゃるネギヲタな方々がすでに陣取っていらっしゃる。

この広場はショッピングモールの2階にあたり、広場を囲んで放射線状にショップが展開されている。

それは3階、4階も同様で、したがってこの広場を3階、4階のテラスが囲んでいることになる。

自分は当初から、今日のライブをテラスから参戦することに決めていた。

Negicco史上、最高のシチュエーションによるリリースイベントなのだから、ネギヲタさん以外の方々がどれだけステージに眼を向けてくださるかを、なんとか確かめたかった。

だから、2階の広場から3階のテラスへ上り、一回りしてみることにした。

 

梅雨明けを思わせる強くて暑い日差しを照りつけている部分もあるのだけど、それは一周の約1/3にすぎず、残りの部分ならば日陰となっていて、まあ、なんとか過ごすことができる。

テラスにはところどころにベンチも設置されているのだが、空いているベンチにはすべて、日差しが注いでいる。

ということで、ステージを右斜めから見下ろす場所にスタンディングして、開演を待つことにした。

 

 

上の画像は、その場所から撮影したものである。

向かい側のテラスは、日光に照らされていてかなり暑い。

 

 

開演前、ステージ前でスタンディングして待機しているのは、ネギヲタさんのはずである。

ザックリ300~400名ほどだろうか。

テラスにも、ポツリポツリと待っている方がいる。

 

開演10分前、リハーサルのために3人が登壇する。

衣装は、薄いブルーのワンピース。

『くちびるにメロディ』

 

 

15時キッカリ、モール全体に15時を知らせる放送が流れてくる。

そのとき、ステージ右脇に設置されたテントの控え室前では、メンバー3人と一緒に写真を撮影してもらっているうら若き女性の姿が見えた。

開演直前にいったい、どなたなのであろうか?

メンバーと、かなり親密な方にちがいない。

タワレコNegicco担当の雪田氏とも一瞬、立ち話。

ここからの距離でそのお顔が定かではなく、ますます、どなたかがわからなくなる。

品のよい中年男女を帯同されているのは、ご両親であろうか。

 

 

定刻より若干遅れて、いつもの出囃子が会場に流れる。

3人がふたたびステージにやってきた。

 

1曲目は、『トリプル!WONDERLAND』

最初から飛ばしてきた3人、この日の本気度が感じられる。

ステージ前のネギヲタさんたちも、いつもながらに快調。

ただでさえ暑い会場が、のっけからこれで一層ヒートアップしたようだ。

 

2曲目、『サンシャイン日本海』

ぐっと熱くなったところで、日本海からの涼風がステージ上から流れ込んでくるかのような選曲。

 

3曲目、『アイドルばかり聴かないで』

ユーモアあふれ、テンポ良くて実に心地よいアレンジなこの曲、休日のショッピングモールが最適なシチュエーションであることを思い知らされ、聴いていて内心、小西さんにあらためて唸らされてしまった。

 

いやはや、巷でいわれている渋谷系な矢野博康氏、田島貴男氏、小西康陽氏、この3人がプロデュースしたそれぞれのこの3曲を、このように立て続けにNegiccoがセットリストに仕立てたことはあったろうか。

ありそうで、なかったような気がする。

この3曲を続けざまにパフォーマンスするステージ上の3人を観ていると、自分には否定しようもなく昭和な雰囲気が感じられてしまった。

いま風なアイドルが着用している色彩がこんがらがってワチャワチャした衣装ではなく、Negiccoの3人が身を装っているのは清楚で品の良いワンピース。

そして、いま風なアイドルが歌っているひたすら元気で明るい沸ける曲ではなく、Negiccoの3人が唄っているのは、一流の大人たちが大人のために考え抜いて創った極上のポップス。

そんじょそこらのアイドルと同列にして、一括りで「アイドル」と呼んでしまうことは、もはや憚られるほどにステージ上の3人の存在感は、いまの時代では稀有な個性にあふれている。

晴れた休日の午後、巨大なショッピングモールは家族連れやカップルで大賑わい、そこには平和で幸せな空気が醸し出されているのだけれど、その場の空気に微塵の違和感も生じさせずに存在することができている3人。いやむしろ、その平和で幸せな空気をさらにほどよく高め多幸感を増やしているのが3人なのだった。

そしてこの瞬間、もはやわが国において、休日午後のショッピングモールにもっともふさわしいアイドルはNegiccoである、と断言しつつ叫びたくなっている自分がいた。

 

すると、いつの間にやら3階、4階の陽の当たらない2/3の部分には、立ち見しているオーディエンスがズラリと並んでいて壮観な風景となっている。

2階の広場を見下ろせば、ネギヲタさんたちの後方では、ベビーカーを停めてステージを見つめている若いご夫婦や、あるいは幼い我が子を抱きかかえ、その子の腕を取って一緒にリズムを刻んでいるお父さんがいて、その子はその子で心から楽しんでいる表情を浮かべていて、そんな方々が広場に点在していることを発見することができたのは、自分にとってこの上もなくうれしいことなのだった。

テラスでも広場でも、クランプするわけでもなくケチャするでもなくステージをややぼんやりと眺めている方々はおそらく、今日はじめてNegiccoの存在を知った方々であるのはほぼまちがいなく、全体を見渡せば600~700名ほどいらっしゃる観客の中に、そのような方が200名ほどはいらっしゃるように見受けられると、さらなるうれしさが自分を包むのだった。

 

 

少しロック調な、『ともだちがいない!』、

そのあとに畳み込んできたのは、『さよならMusic』、

そして、『ねぇバーディア』

 

こうして聴いてみると、あらためてNegiccoの持ち曲が実に精緻に作りこまれている上に、誰の耳にも心地よく響いているはずのものであることがわかる。

 

 

 通常ならば、リリースイベントは4曲程度なことが大半なのだけれど、ここまでですでに6曲。

ネギヲタさんからはアンコールを求める声が沸き起こり、終わりを告げるアナウンスが流れてくることもなく、しばしの間、それが続く。

すると、みたび3人がステージに現れ、アンコールを行うことを告げる。

その曲名は、『愛は光』 (初披露)

この曲名を聴いた瞬間、ネギヲタさんたちからはかすかなどよめきが起こり、自分も思わず「おおっ」とつぶやいてしまった。

ネット上で好印象な感想が溢れている、アルバム収録されるこの新曲はNegicco3人とファンとの思いを歌ったものともいえ、この歌の3人の歌声をこの場ではじめて耳にしている広場のネギヲタさんたちから、この歌詞の象徴ともいえるサイリウムのネギライトが意外にもほとんど振られることがなかったのは、みなこの歌に陶然と聴き入ってしまいつつ、ステージの3人を呆然と見つめている証であるにちがいなかった。

 

 

ようやくすべてのパフォーマンスを終えた3人が控え室に戻ると、続いて特典会のアナウンス。

上から眺めていると、その列はあっという間に長いものになっていった。

 

(写ってはいないけれどステージの向こう側にも、列は回り込んでいる)

 

すっかり出遅れてしまった自分は、特典会への参加は次の機会にすることにし、しばしの間、ステージ上で行われている特典会を眺めていたのだけれど、さきほど広場に存在していた多幸感が、ステージ上の3人と特典会参加者との間では距離が縮まったために濃縮され、その上で親近感も生じていて、その光景はもはや、いちおうこここでは3人をアイドルと呼ぶのだけれど、アイドルとファンとの最上の交流、と言い切れるものとなっていたのだった。

だからきっと、さきほどまでのパフォーマンスだけでなく、この光景を見ていた通りすがりの方も多くいらっしゃったはずであり、そしてきっと3人のすばらしさに気がついたはずで、それだけではなくそれぞれの心に記憶にNegiccoの名前と3人の存在を留めてくれたはずなわけで、そんなこんなでラゾーナ川崎でのリリースイベントは大成功だったと言い切ってしまえるのではなかろうか。

 

(特典会が3時間を経過しても終えることができなかった様子なのも、今日のこの場でのNegiccoの魅力に導かれてしまった初見の方が多く参加されたことによるのかもしれない。その分、3人には体力的にかなりな負荷となってしまったのだろうから、特典会の方法、そして今後の会場選択、タワレコ店内でのリリイべは今日と同じレベルの集客ではもはやムリな状況だろうから、いよいよ再考しなければならないところに差し掛かりつつある。)

 

 

 

特典会がはじまる前、テラスから広場に降りてくると、眼の前には開演直前に3人と一緒に撮影していた女性が歩いている。

可愛いオーラがその方から発散されていて、あきらかにシロウトさんではない。

近くでそのお顔を拝見しても、自分にはさっぱりわからなかったのだか、その後のツイートでお名前が判明、私立恵比寿中学の星名美怜さんだとわかる。

エビ中なら、お正月の3日に大宮での2マンライブを見ているのに、ダメじゃんオレ。

 

(メンバーのツイートから拝借)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「追悼企画  映画監督  鈴木清順の世界」

 

映画 『春婦傅』

昭和40年(1965年)/日活/白黒/シネスコ/1時間36分

監督:鈴木清順原作:田村泰次郎脚本:高岩肇撮影:永塚一栄

音楽:山本直純美術:木村威夫

出演:野川由美子、川地民夫、玉川伊佐男、小沢昭一、杉山俊夫、平田大三郎、石井富子、初井言栄、江角英明、松尾嘉代

 

 

「中国の天津から、新たな仕事先に運ばれてきた慰安婦の春美(野川由美子)。彼女はそこで副官(玉川伊左男)の女として無理やり相手をさせられながらも、副官の付き人である上等兵の三上(川地民夫)と知り合う。当初は、副官への当てつけとして三上を利用しようとしていたのだが、徐々に春美は彼を愛するようになってゆく。そして二人は・・・・・・」

 

 

 

以前、この映画館で野川由美子主演、同じく鈴木清順監督作品 『河内カルメン』、これを鑑賞したのだが、そのときの野川由美子がすばらしく、その魅力に惹かれて、今回やってきた。

富士の裾野で撮影したのであろう中国大陸を思わせる背景に佇む野川とクレジットタイトル。

そんなのっけから、画面にひきこまれていく。

しかし、ヒロインの職業が慰安婦であることや、慰安婦を抱くことが戦場における身体の洗濯であるというセリフ、日本軍内部における非人道的規律、上官の命令への絶対服従、初年兵をいじめる古参兵の横暴な態度、日常生活にいきなりやってくる敵襲、中国大陸という他国へ進出してしまった大日本帝国の愚挙と欺瞞、それらも同時に描かれてゆくので、するとそれらを社会的、常識的に考えればザラザラした感覚の生じて来ることを避けざるを得ず、もっと言えば、胸糞悪くなってきてしまい、それは鑑賞中、終始、伴うこととなった。

だがもちろん、それは製作者の狙いのはずでもあった。

ちなみに、清順監督は20歳のときに学徒出陣で応召され、入隊時は二等兵。2年後に終戦を迎えた際は大尉だったようで、その2年間における一兵士としての従軍体験がまったく反映されていないとは考えられない。

 

 

そんな状況下において、野川由美子扮する春美の、三上への狂おしいまでに情熱的な愛し方は、そんな状況下だからこそ、きわめて大切で唯一無二なものであることが際立ってくる。

そして、それへの清順監督の描写は、持ち味であるケレン味、そこにもう少し洗練さと情緒を加味した手法を用いているので、背景が戦場であることとの対比によって一層、春美の一途さが浮かび上がってくる。

 

それがもっとも顕著だったのが、春美のいる駐屯地から20メートル先の壕の中で、敵に向かって機関銃で必死に応戦している三上を助けようと、懸命に走って向かうシーンだった。

この動画の、ちょうど10:00あたりである。

http://www.nicovideo.jp/watch/sm2518260

 

このシーンだけでも、傑作。

そして、音響効果も見事。

 

 

 

 

 

全編にわたって、野川由美子の渾身の演技。

いかにもな日本軍人役の玉川伊佐男も、ハマっている。

いやあ、何度でも見たい。

 

脇田もなり「I’m with you」発売記念ミニ・ライブ

HMV record shop 新宿 ALTA

 2017年6月20日(火)19:00~

 

 

 

 

新宿アルタの中に、HMVのレコードショップがあることを、いままで知らなかった。

そんな場所へ、スタート10分前に到着。

エレベーター前にはポスターと新譜が堂々の展開。

7インチ&CDを1枚、手に取ってレジへ、そして店内のミニ・ライブが行われる場所へ。

 

ザックリ150名くらいの来場者かな。

ネギヲさんの姿は見受けられなかったが、ユメトコスメ長谷さんのお姿が。

開演直前に控え室からチラリと姿を表した方、ずいぶん垢抜けていて明らかに業界人(スタッフの方かと思ってましたら、かの有名な福富幸宏さんだということをもなりちゃんおツイートであとから知りました)。

 

開演前、スタッフの方から 「撮影はOK、ただし動画は禁止」 という太っ腹な案内。

ということで、

 

 

 

 

見ているこちらが、とろけてしまいそうな笑顔。

その笑顔によって、こちらまで幸せな気分になってくる。

そして、その笑顔のままに、歌いだす。

 

 

     【セットリスト】

  1.IRONY

  2.EST! EST!! EST!!!

  3. I'm with you

 

 

 

 

歌うことが心から好き、ほんとうに歌うことが楽しい、その気持ちがこちらにしっかりと響いてくる。

そして、提供された楽曲は、いずれもオシャレでアーバンな雰囲気を持っていて都会的。

そんな楽曲にかぶさるのは、手のひらでビー玉を転がすようななめらかさと、ちょっとあまくて聴く者に甘えてくるようなもなりちゃんのヴォーカルなのだから、最高なのである。

 

7月26日にリリースされる1stアルバム「I am ONLY」、これがいまからとても待ち遠しい。

 

 

特典会、一人ひとりに時間をかけて応対してくれるもなりちゃん。

参加券1枚で、名前まで入れてくれる。

VIVID SOUND、そのプロデュースセンスには敬服するばかり。