とても楽しかったっ!“イントロドン”ライブ WHY@DOLL(ほわどる)定期公演 Vol.44 | 計画をねりねり・・・・・・。

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思いつくままにオッサンが、Negicco、WHY@DOLL(ほわどる)を筆頭とする音楽、そして映画や読書のことなどをゴチャゴチャと。

5月8日(火) WHY@DOLL(ほわどる) 定期公演 第2部

渋谷Glad 19:30開演

 

 

 

この日は、“イントロドン” という企画で開催されることがメンバーから告知されていた。

“イントロドン”。

メンバーがセットリストを組むわけではなく、セトリは運営が考え、しかし組んだものをメンバーに告げることはせず、要するに、持ち歌のイントロが流れた瞬間にそれがどの楽曲かを理解した上で把握し、またたく間にその楽曲を披露しなければならない、という趣向のイベント。

これをライブで経験するのは自分にとってもちろんはじめて。

ほわどるのメンバー2人も、2度目だとのことなのできわめて貴重な体験ができたわけで、なんとしても書き残しておきたかったから、一週間が経過してしまったのだれけど記載してみる。

 

 

 

そもそもこの企画を可能にしているのは、ほわどるの2人が日頃から持ち歌をわが身わが物にしているからこそ実現可能であることは、容易に想像できる。

また、2人組のユニットだからこそ実行することができる企画。

大所帯のグループなら、それこそ楽曲のたびに立ち位置を仕切り直すためにステージ上で右往左往の混乱状態になるだろうことは、誰が考えても明白。

また、ソロでは緊張感にやや欠けて物足りないだろうし、3人組のグループでも、やはりちょっときびしいかもしれない。

そうやって考えると、現在活動しているアイドルでこの企画を実現できるのは、ほわどるだけかもしれないし、それに立会うことができた時間と空間は稀有なのかもしれなかった(ほかのグループでやっておりましたら、スミマセン)。

でも実は、こんなことを考えたのた後付けなわけで、実際にその場で参戦してみれば、楽しさばかりが先に先にと進んでいった。

 

 

 

その楽しさの最大のものは、なんといってもメンバーが見せるほんの一瞬のオタオタ、オドオド、ドギマギ、あたふた、おろおろ感。

通常ならば、照明が落とされると同時にSEが流れ、それとともにメンバーがステージに登場し、そのまま第一曲目の立ち位置についてイントロが始まるという、弛緩なく進む一連の流れがあるのだけど、今回はそうは問屋が卸さない。

まず、照明が明るいままにSEも流れず、2人が上手から歩いてステージに現れMCをはじめる。

MCは、主に今回の趣向についてのオーディエンスへの説明。

MCから開始すること自体、どんなアーティストやアイドルのライブでも普段ならありえないこと。

しかもその中身は、セットリストをまったく知らされていないことへの不安や心配、事前に2人それぞれで予想したセットリストへの思いを素直に率直に語ってゆくのだから、この時点ですでにもはや、2人のキャラクターと今日ならではの独特な雰囲気に引き込まれていってしまう。

 

その雰囲気のかなりを占めているのは、実はメンバーとの一体感。

そう、セットリストをメンバーもオーディエンスも両者ともにまったく知らないという、通常ならば絶対にありえないシチュエーションによって生じ、育まれたもの。

それは、イントロの一音目、そこから始まる一連のイントロで、いったい何が流れてくるのかということに対する不安と期待が会場全体を包んでいる、と同時に、すぐさまそれに対応しなければならないという緊張感。

そうは言っても、そこはほわどる2人のキャラだから、キリキリとした胃が痛くなってくるような緊張感とは異なって、どこかほんわかとしたものが漂っている。

これらが渾然となった、独特な一体感。

これが2つ目。

 

3つ目は、いつも以上にあたふたするから、必然的に普通ならばみせない一瞬の表情が見られること。

もちろん、ほわどるの2人は普段から飾らない素直な人柄なのだけれども、そこにあたふた感が加味されると、素のものがにじみ出てきてしまい、そのにじみ出てきたものは普段以上に飾らないものなのだから、ますますくすぐられ共感してしまう。

 

 

実はすでにご存知だろうけれど、ほわどるスタッフさんが、この公演のごく一部の動画をツイートされている。

 

この動画を観て感じたことは、現場でステージ上の2人を見ているときよりも2人は、数倍あたふたしているというもの。

自分だけかもしれないが、おそらくオーディエンスもそれだけ集中してイントロが流れ出すのを待っていたのだろうし、流れ出したとたん、2人があたふたするのと同時に、こちらもあたふたしていたにちがいない。

そして、そのあたふたする2人が、瞬時のうちにあたふた感を消し去り、何事もなかったかのようにその楽曲を披露してゆく。

このときに垣間見ることができる手際のよさ、変身ぶり、手練れ(てだれ)感、これが今回のライブにおける4つ目の見どころ。

さすがはプロ、ひたすら頭を垂れて敬服。

 

そして、この4つの見どころが、セットリストを進めてゆくにつれ、熟度を増して徐々に濃厚になっていった。

それにつれ、いつもの楽曲もまた、その持つ雰囲気を芳醇にしていった。

 

 

 

だから逆に、6曲目『菫アイオライト』をちはるんが、7曲目『Dreamin' Night』、11曲目『キミはSteady』を、はーちゃんが的中させてしまったときには、それぞれの楽曲が来るだろうということで、その立ち位置にスタンバイしているわけであたふたするわけはなく、手際のよさが見られるわけでもないから、物足りなく感じてしまったのはひねくれ者ゆえの感覚で、ここはやはり、予想を当てたことをメンバーと素直によろこぶべきなのだろうことがファンたるもの。

 

 

しかしまあ、今回の“イントロドン”企画をいちばん楽しんだのは、セットリストを考えたマネージャーさんにちがいない。

ああでもない、こうでもない、とメンバーが予想できそうにないセトリを組んでいく時点ですでに快感を味わっているにちがいなく、また当日の現場のステージ上では、ペンライト、タオル、マイクスタンドなどの小道具を、もちろん、ご本人は何を使って何を使わないかは十二分に承知しているわけだけれど、メンバーへのカモフラージュのためにわざとらしく配置してゆくわけで、その行為の一つひとつもまた、快感であるに相違なく、ライブが始まれば、一人だけ内心ニヤニヤしながらメンバーのあたふたするのを眺められるわけで、これはもう、この企画ならではの特権。

ただ終了後には、使う機会のないことを承知していた小道具をステージで回収するマネージャーさんの姿が拝見されたわけだけれど、その背中からは、楽しんだあと宴のあとの寂寞感がそこはかとなくただよっているような気がしないでもなかったことをあえて書き添えて、それを見どころの5つ目にしてしまう。

 

 

 

 

もちろん、音響の担当、照明担当の方にも、セットリストは事前に伝えられているわけで、この方々はそれぞれにやらねばならないことがあるから、それに集中しなければならない。

そしてもちろん、ほわどるの持ち歌をすっかり手の内のものにしてしまっているここ渋谷Gladのスタッフだからこそ、この企画が成り立つともいえるわけで、となるとやはり最後に言いたいのは、年に一度はこの企画をこの箱でお願いしたいと切に思ってしまうということ。

 

(アンコールの後、新曲「Sweet Vinegar」、初披露されたのだけど、こちらについては、またあらためまして)

 

           【セットリスト】

         MC

         1 初恋☆キラーチューン

         2 Blue Summer

         MC

         3 恋はシュビドゥビドゥバ!

         4 恋なのかな?

         5 トラベリンバンド

         6 菫アイオライト

         MC

         7 Dreamin' Night

         8 セツナSHOOTING STAR

         9 Tokyo Dancing

         10 Show Me Your Smile

         MC

         11 キミはSteady

         [アンコール]

         12 Sweet Vinegar(新曲初披露)

                        (だいやさんのブログより)