エリートに対する期待値 | s_kakunoのブログ

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大阪市橋下市長と地方放送局MBSの記者の会見中のやりとりが、話題になっています。

発端は、橋下市長のとある政策から生じた社会的なトピックに対し、MBSの記者が自社の取材結果を元にコメントをもとめたこと。橋下市長はその取材結果と質問内容が矛盾しているため、矛盾を正したうえでコメントを返した。それに対し記者は、自社の取材内容にそぐう回答を得ようと、前提を変えず質問を続けた。そのやりとりの動画と橋下市長の憤慨ツイートがネット上で拡散し、話題となっている。

というのが僕の理解したところです。今なら橋下市長というワードでググればソースはたくさん出て来るので詳しくはそちらを。

で、確かに動画だけ見ると、記者のほうが市長に対して横柄な態度をとっているように見えて、ちょっと取材方法に問題があるようにも思えます。ただまあ、MBS社からこの記者の方に対し、あらかじめ決まっている取材結果に対して橋下市長のコメントをとって来いという職務上の指示が出ているということなので、もともと記者の方に不利なインタビューであったことは否めないというのが、僕の感想です。まずこの記者の方は、少し前提がずれている、あるいは誤解を生みやすい取材結果を、弁護士出身の橋下市長に対し、動画が公開される悪条件の中、しっかりと質問の意図を伝えたうえで、必要なコメントを引き出すというウルトラC級のミッションを与えられていたのです。たぶん。

橋下市長、この記者の方、MBS社、個人や法人に対する批判や擁護はあまり関心が無いのですが、報道機関の記者であれば完璧に仕事をこなせるはずでしょ?という風潮に違和感を感じます。

例えば最近読んだ本で、会計システムのエンジニアであれば、簿記1級を持っていて、最新の法律に熟知し、さらに各社から出ている会計パッケージの強み弱みを知っている必要があると書いてありました。納得できるし、じぶんが顧客だとしたらそれくらい出来ないと発注したくないですが、では、身近にそんな人、何人いますか?という話です。当然目差すべきだけど、今は勉強中とか、どうしても他社製品を見る時間がないとか、週末は寝てたいとか、色々ある中でそれでもそのままで現場で仕事をしなくてはならない。で、そこをクリアして一人前になる場合もある。

それなのにそこをすっ飛ばして、記者たるもの今回のことはあるまじき!と一律なるのは、なんか違うかなと思った次第です。皆さんも苦手なことはいっぱいありますよね?ということ。


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